ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

ニル・アドミラリの天秤 クロユリ炎陽譚 全体・キャラ別感想

Vita【ニル・アドミラリの天秤 クロユリ炎陽譚】の感想です。

2017年10~11月頃プレイ。


※ネタバレありなのでご注意下さい。

 

 

ニル・アドミラリの天秤 クロユリ炎陽譚

©2017 IDEA FACTORY

天秤ハ再ビ揺ラギウツロウ

公式サイト

www.otomate.jp

PV

youtu.be

OP

youtu.be

STORY

炎の怪人の事件から一年経過した帝都トウキョウ ―――

あれから大きな事件や事故はなく、帝国図書情報資産管理局・フクロウは
いつも通り和綴じ本を探し、稀モノを調査する職務をこなしていた。

平和のように見える日々。

だがそれは、放たれた火種が大きく燃え上がるまでの序章にすぎなかった。

───帝都ニ新シイ炎ガ燃エル
罪ノ重サ、魂ノ価値、愛スルコト愛サレルコト、
天秤ハ再ビ揺ラギウツロウ

 

全体感想

何も悪いことはしていないのに、何の罪もないのに。

続編とありましたが、FDの括りになるような?恋人からスタートだったからFDな気もするけれどー、とかやってみりゃわかるだろな些末な事を思いつつ、クロユリルートは続編な内容なので半FD半続編みたいな感じでした。
プレイしてみたら思っていた以上にボリュームがあり、お話もそれぞれのキャラがきちんと立っていて面白くプレイ出来ました。
この作品のBAD、後味悪いので見たくないんですけれど、やらないと短編物語が解放されないので(拷問)、うぇーん(ノД`)と泣く泣くプレイ。
本編は恋人となってから一年以上経っているのもあり、甘いです。個別に入るのも早いので関係の密度が高い。皆のチームワークの良さも信頼度も安定してます。
で、取り敢えずこれだけは叫んでおきたいので一つ。
またしても杙梛さんが攻略出来ないのかーーっ!!!orz
絶対に次が出れば攻略対象にしてくれると思ってたのにーーっ(ノД`)・゜・。…とてもとても残念です(T_T)
作品の雰囲気は変わらず、スチルも安定で綺麗なんですが。一つ気になったのは照れ顔正面の時の塗り…チーク塗り過ぎて失敗しちゃった、てへvみたいなのになってるんですけれど。
あれ、前作もあんなだったかな?記憶が薄らいでるんですが、ちょっと頬染まってる部分濃すぎて…男性陣の時に見ると、私の中の何かが下がる音がする(何のタイトルやねん)。
それとヒタキ…お姉さん依存度がパワーアップしてませんかこのコ。ちょっとはお姉さん離れが出来てるかな~とか思ってたらどっこい(古)。
しかもこのコの手記で更にドン引きした私。駄目ですー無理ですーっ!どうあっても私好きになれません。マジだったら怖いよこのコ!!若気の至りであってーっ!!
コンテンツメッセージで最初の頃またやたらとヒタキ率が高いので、あっちもこっちも姉さん姉さん煩いっつーかうざ…(ごめん)。
思っていた以上にその後での現実の問題や心の蟠り悩み等、掘り起こしてきた印象でした。其処を丁寧にして見せてくれたからこそ、展開も個々ルート特色あって楽しく。
一年経過している事もあり、恋人関係でもあるからか男性陣のツグミちゃん好き過ぎている可愛さが堪能出来ました。後、手記の手の届いている感良いv男性陣が皆可愛いv
只、個人的にはこの作品のBADでこじつけ無理あり過ぎじゃないですか?と思うものもあったり。まあ、私BAD嫌いなので余計かも(;^ω^)
色々残っていた事も解決したみたいなので、ニルアドはこれで終わりって事なのかな?
Switchの移植は追加要素、短編メインみたいだし。
く、杙梛さんもう駄目?(笑)←諦め切れない人

 

キャラ別感想

久世 ツグミ/主人公

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仕事モードが板についてきて凛々しさも見えました。天然なのは変わらない様子でしたが(笑)。
それにしても胸大きいなぁ(そこかい)。
今回、杙梛さんへの遣り取りが面白かったです。口説き、揶揄いに慣れたあのバッサリスルーのあしらい方好きだわー(笑)。
悩み過ぎ、気にし過ぎ、ヒタキフォローし過ぎな所は引き続きではありましたが、いざという時の強さも見られて賛否ある彼女ですが、好ましいヒロインだと思います。
苛々する言動が無かった訳ではなく、綺麗ごとばかりとも思いますけれど、まあ、何だか私的には彼女は大丈夫なヒロインでした。
でも周囲の彼女に対する聖母化が過ぎるとは思います(笑)。

 

尾崎 隼人 CV:梶 裕貴

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誠心誠意、揺らぎのない深い愛情、そしてイケメン(笑)、加えて真っ直ぐにえろい(おいおい)。いやー、相変わらずスペック高いです隼人。
どこもかしこも完璧っぽい様でツグミちゃんの事となると崩れそうになる程の弱さもある、そんな隙もあるのでバランスが良い萌えキャラです。
こんな人に愛されてると幸せいっぱいで満たされる人生になるんだろうなぁ。もう甘さが振り切って超越された想いが隼人にあるので、うん、分かった!お幸せに!!ってなります(笑)。
にしても、がっつき度で言うと一番な気がする。しませんか?(誰に聞いてんの)
前も何か雨に濡れてそのまま我慢できずにキスしてはーいっ!(何だはーいって)みたいな展開あった気がしますが若いって言うのかアレな欲がこんなイケメンじゃなかったらちょっとどうよっていうくらい高いって言うのかうん、やめときます(もう遅い)。
色々な登場人物が絡んできて、一体誰が何処まで嘘で真実かってな謎で展開された隼人ルートはハラハラしつつも面白かったです。
後、葦切さんと小瑠璃ちゃんのCPも落ち着いた様で良かった良かった!お尻叩かないと踏み切れない、葦切さんのヘタレ具合は見てると気が気でなかったので(笑)。

 

鴻上 滉 CV:岡本 信彦

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恋人同士になってもその先の将来へとなると何故だか踏み込めない、滉もその部分においては避けてるしで、もどかしい感じがあるのに加えてヒタキーーっ!!(# ゚Д゚)
好きな方には本当に申し訳ありませんが、私駄目ですごめんなさい。根が悪くないってもあれはあかん。言葉の刃と言うものを学べと言いたい。
滉のルート、隼人と違って展開は静かな感じではあるものの、ヒタキやら尾鷲の言動がむかむかするし、恋愛面はもやもやするしで胸につっかえた重さを覚えました。しんどい。
でもあの最低最悪男の尾鷲に喝を入れる鷺宮さんの恰好良い事!すかっとしました。良い上司だなぁ(≧▽≦)
大人組の紫鶴さんと杙梛さんが彼らなりの背を押す形で、漸く滉の心の内も決まった所で甘々モード、大放出(笑)。
あれ程言葉少なな感じであったのに、溢れんばかりの愛の言葉の連続で今までの分を取り戻すみたいな熱情でした。静かな男が惚れた女性には燃える姿って良いですよね!
隼人や累と違って解りやすい愛情表現ではない彼ですが、こうハッとする感じで気づかされ愛しく注がれている想いの深さを見せるのが良いなぁ(*´▽`*)

 

星川 翡翠 CV:逢坂 良太

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彼はどうにも外見も言動も女のコみたいに可愛らし過ぎて、恋愛面では辛いキャラです。
また隼人や滉とかしっかりしてるから余計に。それは翡翠も気にしている様なので申し訳ないんですが、やはり幼さが前に出ていてどうにもなー、と。
てるてる坊主やらプリンアラモードはまあ可愛らしいヒロイン感満載ですね(^▽^;)、とか思ったけどそれはそれで良いとしておいても。
男としてのここぞの魅力が薄い印象。繊細さが突出し過ぎてヒロイン要素が多い。無茶と心労が重なってふらっとなシーンはどっちがヒロインなのかと思いました正直。
で、そんな中で昌吾くんの翡翠の励まし方法が可愛らし過ぎて萌えました(そこかーいっ)。
全体通しては彼のルートは雪加の最後の対峙での慟哭と、緋和さんとヨハンさんの愛情深さが心にきました。
前作では父親の事が有耶無耶だったので、今回はそれが丁寧に紡がれていてスッキリ。
萌え的に言えば私は好みから外れちゃうので薄いんですが(ごめん)、今回の彼のシナリオは良かったです。

 

鵜飼 昌吾 CV:木村 良平

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このルートの事件がかなりの不快感と嫌悪感で終始気が滅入るといった中、ずーっと一々クソ可愛い昌吾くんに癒されてたりな(*´▽`*)
あの照れたりムキになったりしながらのデレ度半端ない。もう本当どうしてこんな可愛いんだっ!!反応が愛らし過ぎて弄りたくなる!!(待て)
何ていうのか恋愛一生懸命している二人だなぁ、頑張ってるなぁ、と応援したくなるんですよね、この二人。
すれ違ったり、迷い悩んだり、愛しみ合ったり、色々問題が起こる中で前を向いて育んで成長している、とても心地良い恋人達の姿を見せてくれました。
昌吾くんも男度上がりましたよね~。大切にしてる感が伝わってきて大人になったなぁとしみじみ(母親かい)。
雉子谷さんも今回は素100%なのですが、さらっと辛口な中に昌吾くんへの信頼というか親愛度が見え、中々に良いなぁ~と。この関係は好み。

 

汀 紫鶴 CV:鈴村 健一

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前作では掴みどころがない余裕さで、そしてちょい濃ゆい大人のエロさもあって、あの如何にも手慣れた感が私はちょっと苦手でもあったんですが。
おう、どうしたの汀先生何か可愛い!となりました(笑)。
今回は割と感情の動きが見えやすかったのもあり、ツグミちゃんに惚れ切ってる事が随所に表れていて余裕の無さも愛しく感じる事に。
しかもヒタキにまで嫉妬して子供っぽい事したりしてるものだから、前より好きになりました(≧▽≦)
ルートでは不平等、使用人を支配しているとか言い放つ鵠居の言葉に揺れるツグミちゃん、そんな彼女に告げるじいやさんの真摯な言葉が胸に染み渡りました。
このじいやさん素敵。ツグミちゃんが結婚しても食べに帰りたいくらい、とのあのホットケーキ、是非食べてみたいv(そこかい)
アウラの件もバレちゃって恥ずかし過ぎて逃げ出す汀先生という、予想もしていない可愛く微笑ましい姿を見られてらぶらぶな二人にご馳走様ですv

 

鷺澤 累 CV:櫻井 孝宏

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何かまたとんでもない事抱え込んじゃったんじゃないかと思ったら、様子がおかしかった理由が え!?みたいに可愛らしいものだから、彼は色々狡いですよね。
優しく柔和、知的で時に激情の色を見せ、恋人にはこれでもかって甘く強く求めながら、見せる弱さのギャップが巧み過ぎる。
このルートはあっちもこっちも秘密秘密で一体どこまで隠してるねん!と長く引っ張られてツッコミが絶えませんでした。
色々驚かされました。ええ、本当に。薔子さんは最後で特に。錐合さんに関してもそこまでくるかの設定でした。中々にオトメイトさんには珍しい切込み具合だったかなと。
BADに関しては一番違和感というか不自然を感じたんですが、ツグミちゃんのあれって錐合さんがするならともかくなんで彼女?と。後、細かく色々何でそうなるねんとね。
ともあれBESTENDは良かったです!もうずっと気になっていた親子の関係が修復できた事、薔子さんが四木沼と漸く本当の夫婦になれた事、幸せな姿が見られてスッキリです。
まあ、四木沼に関しては色々おいおいおいとツッコミたいの満載ポイント多過ぎなんですけど、薔子さんがあれだけ幸せそうならもういいや!と(笑)。
累くんも今度こそ自分の幸せを求めて迷いなく、ツグミちゃんと歩んでいきそうだし、ラストスチルが良かったし満足です(*^▽^*)

 

クロユリ/鵺野 桐彦 CV:松岡 禎丞

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これ、隼人ルートで途中分岐した隠さんルートのその後…ですよね?
前回の結末からここまでツグミちゃんが隠さんの事件に引きずられていた事に、結構驚きの気持ちでした。あれ、前こんなだっけ?みたいな。
自分だけが幸せになってはいけない、フクロウを続ける事、アウラを見つけて一人でも救う事、そんな自分への戒めが強くて恋愛はもうしない的なとこまできてました。えーっと、何でそうなるのかちょっと意味不明。←
でも誰ともくっついていない状態ながら皆の好感度が高めでのこのルート、随所にツグミちゃんへの恋情灯る会話イベントやスチルがあってモテモテです。隠しハーレム(笑)。
累が隼人に対して撫子の花をツグミちゃんに例え、宣戦布告するあの会話はもう恰好良いし様になるしで、くっついてない好感度高めってこういう美味しさもあるよねとニヤニヤ止まりませんでした。
そしてそう、杙梛さんのあのスチル!!!何あれ何これどうしてくれよう攻略出来ないっていうのにこの諦め切れなくさせる萌えエロスチルはさ!!!!(落ち着け)
いえ、あったのは嬉しいけれど。けれどーーっ(ノД`)・゜・。←泣くな
あ、クロユリルートでした。
かなりのボリューム、そして全てが繋がり紐解かれていく展開は、重く苦しく辛く、哀しいものに満ちていました。
隠さんの起こした事件の一つからが発端なわけですが、これはもう負が負を招き続ける連鎖でどう終わらせる事が出来るのか、見ていて終着点をどう迎えるのかと。
私は身内を理不尽に喪った朱鷺宮さんや隼人、目の前で助けられず喪いかけ、癒えぬ傷を負う苦しみを持つツグミちゃんの様に、憎いけれどそれでも隠さんに幸せになってほしいと思えるかは自信がないです。
凄い人達だなと思いました。隠さんがどれだけ後で贖いたいと悔いていたとしても、救われなかった心を負った結果だったとしても、中々其処まで思えないです。
自分に置き換えて考えてみて、赦せるかと問われれば、赦せないと思います。笑う事すらしてほしくないとも思う。だから鵺野さんは「自分」であったかもしれないんですね、誰にでも。
こうしてフィクション作品として、プレイヤー側として一人一人全員の心情やら過程を全部見せられてしまうと、隠さんを嫌いにはなれない。不幸のままでいればとも思えない。赦せないだろう気持ちと共に混在する、正直な気持ちの一つ。
鵺野さんの狂気も殺意も破滅を望む心も、それらから起こしてしまう事件を簡単に罪だとも言えない、この人をどう救えるのか難し過ぎて私では答えが見えませんでした。
だから終わった時は一息が漏れた状態で。
決して許されるでもないですし、そんな事で済ませられるものでもないですから、結末に納得いかない方もいるのでしょうけれど。この作品は合う合わないが結構色濃いですね。
最後に残っていた手記を見て、皆のツグミちゃんへの聖女イメージが強いのが何とも凄過ぎる。崇高なモッテモテ具合(;・∀・)
だから杙梛さ…(しつこい)

 

それでは!

see you next time!