ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

灰鷹のサイケデリカ 全体・キャラ別感想

Vita【灰鷹のサイケデリカ】の感想です。

2018年6月1日プレイ終了。


ネタバレあります!未プレイでネタバレNGの方は以下の閲覧をお控え下さいね。

 

灰鷹のサイケデリカ

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全体感想

世界観が変わろうともキャラが変わろうとも、やっぱりサイケデリカはサイケデリカ。ええ、これでも心構えはしてました。
変わらず全く容赦のない、絶望と破滅、なのに垣間見える優しさ。心がキツイ。でもお話は凄く惹き込まれました。
スチルの美麗さ、アングルとかも素敵でプレイしてたら画集欲しくなってくる程に世界観に合うもので、キャラも皆サブまで魅力的v
後、立ち絵の豊富な種類に細かな動きが素晴らしくて飽きません。他ゲームもこれぐらい動きがあればいいのになぁとか思ってしまう。
恋愛ENDがあるのはルーガス、ラヴァン、レビ、ヒュー(というよりアッシュ)のみ。
感想難しい作品なんですが、私は黒蝶より好きです。黒蝶からのキャラも全員ではありませんが姿は変えて登場、繋がっている部分もあるので懐かしく。
もうね、ズバッと思ったのはフランシスカ超怖い!そして超面倒!何でそうなるの馬鹿ーっ!それにつきました(何だそれ)。
色々と繋がっていく展開は先を進めたくなるもので、愉しめました。例えどんな救われないENDでも。嫌ですけど。←
怖いけど、辛いけど、苦しいけど、見たくなる。そんな作品でした。

 

キャラ別感想

ジェド/エアル CV:田村 睦心/主人公

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うーん、何でしょうね…女の嫌な部分を更に恋愛脳でとても拙く出しちゃったかなぁ、といった印象。
時間軸同ルートでラヴァンのキスを受け入れたかと思えば、ルーガスとティの仲良し抱擁に嫉妬する、これは何とか分けられなかったのかと。
共通でもそんな感じの所があった所為でそりゃヒューに「君の周りには君に好意を持っている人間がいる」「傲慢になっていた」「いい気になっていた」言われる訳です。
この辺りが残念でした。気の多い、浮ついたヒロインだなと、プレイヤー側から見ればそう思われても致し方ない部分があった気がします(;^ω^)
男性に免疫ないっつっても甘く口説かれればふらふら~っと流されやすいし。
ティの斬られた件に関してはアァ!?( #゚Д゚)とかなりましたもん。ジェドの嫉妬心だけであんな目に遭っちゃうのは酷い、と。それも自分を慕ってくれて、言う事聞いてくれるのを利用してのあの言動。とんでもなく性質が悪い女になってますよ。ヒロインなのにあの時のスチルの表情ったら、悪女みたいに見える。
この発端も、ジェドが勝手にティとルーガスの仲を誤解した事からの勘違いからなるもの。でもまだ恋人関係でもないしジェドは気持ちがラヴァンなのかルーガスなのかな、ふらふら感だったのに嫉妬って…みたいな。フォローのしどころがないって言うか。
男性だと思っているジェドに恋心を持っているティの、純粋な慕う心を利用してのあの展開は、流石に後で我に返っていくら猛省しようとも非常に気分が悪かった。なんとか助かったにせよ、重篤になる所まで追い込んだのは駄目です。ティちゃん全く何にも悪くないのに!って。
でもね、他の面ではいい所もいっぱいありました。『end-A girl』での、わざと悪い魔女を演じて皆を助ける為死んでいく姿は胸が痛かったです。またあのスチルが何とも表現し難い泣かせる表情で切ない(T_T)
此方の彼も彼方の彼も、自分を好きって言ってくれるしどちらも気があるから迷っちゃう~ふらふら~(←)みたいな「軽い女」状態は、ルート分岐で何とか出来たと思うんです。この辺りの配慮を頂きたかった気持ち。
この恋愛面での変に嫌な部分がなければ好感度高いままで終わったのに、非常に勿体なかったヒロインです。

 

ルーガス CV:古川 慎

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見た目も声も中身も、もう普通にサラッと恰好良いでしょう!なルーガス。
あの現代転生ENDですが、私転生ENDものってあんまり好きじゃないんです。だってもうそれその時のルーガスとジェドじゃないでしょ、と。
今の二人でしっかり転生なくして幸せになれる結末が見たかったとは思います。難しいですけどね、あの話の流れでは。
でもこれがメインENDなんだろうなぁ~と。輪廻の輪から外れ落ちていくジェドを迎えにいくシーン、もう男前過ぎる。
もう一つのルーガスENDはあんまり幸せじゃない幸せです。ジェドは囲いの中のみでしか生きられないし、先は不幸でしかない気が。
ルーガスゲーとも密林で評されているのを見かけましたが、そうでもなかったです。少なくとも私は。転生無しでの幸せな姿で言うなら、ラヴァンENDの方がまだ幸せに感じられます。
ですが、結局はあの街も人も…となるとあのままの状態での本当のハッピーエンドなど存在しないんだろうなと。
そう考えてしまうと現代転生ENDに辿り着くしかない、何とも何ともこれぞサイケデリカ、なお話でした。
ルーガス自体はとても好きです。性格も強面なのに実は可愛らしい所があったり、男らしく口説いてくる所とか。やる事スマートにワイルドに男前。もう全部一番好みですっ(*´▽`*)
古川さんの声が沢山堪能出来てとても嬉しかったですv好きな声ー(≧▽≦)他作品でもメインキャラで出ていらしてるのあるのかな?
もっと手放しで甘いENDがあったら良かったのにーっ、とは思います。でもそこはもうサイケデリカなんだと諦めるしかないとも思ったり(´;ω;`)

 

ラヴァン CV:日野 聡

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一途な想いを隠しながらの優しく柔和な年上の幼馴染、な印象ですが、あるENDを見ると真面目過ぎる人はキレると怖い、をそのままいく人。
『魔女と二匹の獣 end-Wolg』が何より怖い。あの穏やかな春の様に優しい笑みを浮かべつつ、血まみれ虐殺ですよ。オルガさん目じゃない。
ラヴァンENDはもっと悲惨なENDなのかと身構えてたんですが、予想に反して幸福なENDでした。まあ、全体の真実からすれば幸福であるとは言い切れないのですが。
でも絶対途中のあの擦れ違い辺りから、とんでもない怖い事しでかさないかとびくついてたんですが(笑)。
仲直りして普通に終わって驚いた(←)。いや、ラヴァン好きなんですよ。日野さんの頼れるお兄ちゃん枠だし。
サイケデリカって事でつい慄いてしまう(;´∀`)
ジェドが女だっていうのは気づいているんだろうな、好きなんだろうな、な真綿で包む感じの好き表現ながら、内に恋情の深さを思わせるラヴァンでした。
何だろう…何だか誰かに重なると思ってたんですが、タイプ的に喧嘩番長乙女の吉良先輩を思い出すんですが、私だけかな?(笑)

 

レビ CV:斉藤 壮馬

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あまり好みじゃないかな~と思っていたのですが、いや、良かったです。好きだ(お前に言われたかねぇ)。
殺人衝動には全く思い至らなかったので、あの展開は衝撃でした。フランシスカ、貴女やっぱり怖いよ。駄目だよ、あんないい息子にさ!!!←
ジェドを性別関係なく人として好きだと言う彼の本来の優しさと男らしさ、弱さすら全て魅力的な青年です。
斉藤さんがまたイメージピッタリに演じていらっしゃるので、プレイ前とプレイ後ではかなり好感度が上がったキャラ。
彼のENDはこの先どうなるのか前途多難ではあるのですが、それでも最後に抱擁する二人の笑みに無事で共に在る事を願いたいばかりです。

 

塔の主ハイタカ CV:平川 大輔

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ハイタカ、オルガ、フランシスカ三人の物語、といったルートでもあったかなと。
プレイ前、もっと色々達観していて全体を見通すキャラっぽいのかなぁ~と思ってたんですが、全然違ってた(笑)。いや、結構普通の弱さを持つ男性だったんだなって。
フランシスカに振り回され、挙句妹にキレた親友に殺され、息子達には憎まれてしまうと言う、とんでもなく巻き込まれ不幸な方。
まあ、家を空け気味な所はいけなかったかもしれないけど、それだけだしなぁ。私個人の感じ方としては結構自分も気楽でいられるから良い旦那さんだったと思うんだけど(自分もお気楽)、フランシスカが求める形ではなかったのが不幸だったのか。
亭主元気で留守がいいとはいかなかったみたいです(それレベルではない)。
やっぱりオルガとアリアの事が彼女を歪めさせたのか、色々偏った思いで求めた事が思い通りにならない故か、もう本当どうしてそうなるのかと思った彼女なのですけど。
ハイタカハイタカなりにフランシスカを大事に思ってたとは感じるので、何だか本当、くっついた相手が悪かったのかなぁと。私、フランシスカはどうにも理解出来ない部分が多かったんですが(ゾッとする程やってる事怖いし)、不意に見せる良心(と言えるのかどうか?)な所が複雑な人だなと。
『塔の主 end-Lord』は黒蝶にもあった結末に似てますね。しんみり絶望な感じ。
彼の子供の頃のエピソードまで絡んでくるともう色々頭ごっちゃごちゃでしたが、色々繋がっていくので深いなぁと感心。

 

ヒュー/アッシュ CV:浪川 大輔

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ずっと掴みどころのない傍観者側でしたが、旅人ルートでアッシュとしてエアルと恋愛展開。今までと違って人間臭い表情が多くて良いな~vと。
このルートは他と違っていて、ほぼアッシュとの交流のみになるんですよね。ジェドも男の姿ではなく、エアルの姿のままになるし、お店に住み込み状態で塔にも帰らなくなるし、本来の仕事をしなくなるのでルーガスやラヴァン、レビなどとも関りがなくなっていくで、とても密接な空間の中でお話が進んでいく形。不思議な雰囲気を感じます。
アッシュとの恋愛だけを見ていると、とても綺麗に恋愛して両想いになってEND…なんですけれど、サイケデリカをプレイしてるんだ、となると違和感に包まれます。
そうして見せられるラスト、最後はやはりヒューはヒューなのか。あのアッシュとしての物語も一つの在るべき世界だったのか。色々考えさせられるサイケデリカ。
頭悪いので、彼のルートやってたら伏線とか関りとか疑問だらけになってきて、頭の中で回収仕切れず困りました(;^ω^)
でもアリアさんは本当に良い女だな、と思ったラストのラストでした。

 

オルガ CV:森川 智之

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妹があんな暴挙に出なければ、絵に描いた様に幸せな家族のままでいられただろうに、全てを狂わされた人でした。
過去シーンでの彼のアリアと幸福に満ち溢れた表情が、あんな風に変わってしまう哀しみの深さと重さがズシリときます。
アリアの遺体を見つけるスチルはもう本当、これでもかな突きつけられ具合に仰け反りそうになりました。
因みに、若い頃のオルガさん、とんでもなく恰好良いじゃないかっ!と思った私です(いや、今のも十分好みだけど)。

 

フランシスカ CV:大原 さやか

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正直、彼女がここまでやってのけられる根底の心の闇や歪みが、私には異常過ぎてずっとプレイしていても理解及ばなかったです。
最初がふわふわ甘緩い柔らかな女性であっただけに、真相を知り、その行為の全てを見た時の驚愕とゾッとした恐怖感は忘れられません。
でも片隅に見える、残酷さだけではないものも存在する訳で。
複雑に複雑過ぎる女性でした。

 

ティ CV:山岡 ゆり

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滅茶苦茶可愛いらしいv最初はツンツンしてるんですけど、もうツンツンしながらも可愛いし、慕ってくれるようになったらなったでどえらい可愛いv
とにかく愛らしく癒しでした。このコも幸せになってもらいたいです。
恋する少女の愛らしさを見せてくれたコでした。

 

ロレンス CV:鳥海 浩輔        エルリック CV:石川 界人

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姿は違えど黒蝶に繋がる二人。この二人が登場してるだけで何とも言えないしんみりとした感情。ウサギさんも居るんだね~と。
ちょっと衝撃だったのは、ロレンスが記憶を引き継いでいる事。
いやもう、記憶って…己一人の人生分だけでも大変なのに。キツイですよ。
出来れば彼の魂ごと幸福になって頂きたい。

 

黒蝶に続き、衝撃が衝撃を運ぶ展開でした。でもプレイして良かったです。