ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

ピオフィオーレの晩鐘 キャラ別感想3 ダンテ/オルロック

ピオフィ感想続きです。

性格はマイルド組なカポと使徒くんです。

※ネタバレあり感想ですので、ご注意下さい。

 

ピオフィオーレの晩鐘

©2018 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

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カラーチョイスが凄く好きです。絵の上手い方って色彩感覚も良いんですね。
お洒落に飾られたポスターみたい。後、マルコさんが渋い!

公式サイト

www.otomate.jp

キャラ別感想

ダンテ・ファルツォーネ CV:石川 界人

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ファルツォーネファミリーの若きカポ。スラっとサラッとスマートな恰好良さと可愛さを持つマフィアな王子様です(どんな表現)。
流石メインヒーローと言った感じで、とにかくずっと思ってたのは容貌が綺麗過ぎる程綺麗。よく『絵から抜け出してきたかのよう』とかありますけど、まさにそんな感じで整った硝子細工の様なクリアな美形で、終始目の保養でした(*'▽')
ダンテルートは教会で連れ去られそうになった所を助け、やや強引に保護という形でファルツォーネの屋敷へ住まわせる流れなんですが、教会の皆の安否もどうなったかわからない、聞いても教えないダンテに業を煮やしたリリィちゃんが逃走を図るんですが。…何だろう、この懐かしい少女漫画を漂わせる展開(笑)。
これがまた期待を裏切らないよくあるベタなシチュでバルコニーからシーツで括りつけて降りようとするんですけど、ビリっとお約束的に破れて落ちる、ダンテ登場で華麗に受け止める流れなんですが…いつも思うんですけど、落下する人間受け止めるって結構凄い事です。しかも大人体重だし。いや、そこ突っ込んじゃ駄目って乙女ゲー(&少女漫画)のときめきがなせる業と思わなきゃいけないんですけどつい、つい(笑)。← 高さそんなになかったんですよそうですよ。
何だかこのシーン、【はいからさんが通る】思い出しました。懐かしいvこの時の二人の遣り取りも何だか微笑ましいんですよね~(≧▽≦)
「木登りくらい誰だってするでしょう!?…するわよね?」←言い返す負けてないヒロイン 「俺に聞くな、このおてんば!」←久々に聞いたら何かぷち萌えた(*ノωノ)しかも石川さんボイスでおてんば発言&真剣口調v 「し、失礼な人ね、あなたって!…でも。助けてくれて、ありがとう」←強気で言い返した後に狡可愛い素直さのヒロインv
などといった、見てるこっちが面映ゆくなりましたな、突然のベタシチュな二人にきゅんときた私(お前かい)。
リリィちゃんが寂しくない様に本やレコード、猫ちゃんプレゼントと細やかな気遣いは、何だこのマフィアのカポなのに紳士な人!って。
カポとしての厳しさを持ちながら、優しさにも溢れている人。厳しそうな表情を、ふっと緩ませるあの柔らかさと声音は何事か。
石川さんボイスも卑怯…っ卑怯だけど良すぎる…(*ノωノ)← 
簡単にきゅん萌えるじゃないですかーっ!!(単純)
楊と違う魅力で切り込んでくるのって狡いと思います…っ(´ω`*)
小さな事も見逃さないと言うのか気にかけてくれると言うのか、とにかく行き届いている人。そしてこんな所にまでとばかりな事をわざわざ拾い上げて優しく褒めたりしてくれるものだから、ぷちきゅん力まで凄い。
恋愛的なシーンにおいては最初の段階では髪についた葉を取ってあげるとか、些細な事で照れてる彼がマフィアのカポであるのにピュアさすら見えて狡可愛い。←
ちょっとした事故の逆壁ドンのスチルの表情とかは、本気で可愛綺麗。あの照れ気味の口元の小ささは何事。「おまえが相手なら軽く組み伏せられると思うが…」ってどっち方面で言ってるんだろv(おい)、と思いつつも、どうせなら寝ぼけたまま組み伏せた後の反応を見たいと思った私。←いや、見たいですよねっ
屋敷をオルロックに襲撃され、狙いがリリィちゃんを連れ去る事である為に隠れ家へ移動して暫く二人で暮らす事になるんですが、表情で今の状態を察せられたり、苦手とか好みとか完全に把握してきたり、ダンテへの想いに未だ自分自身で気づいていない事からくるギクシャク感の間も、無意識にダンテのラテを気づいたら淹れてたりと、距離がゆっくり縮まっていく過程は徐々にの形は他キャラも同じであれども、ダンテの場合は面映ゆさを感じつつの誠実さが表れていて、穏やかさすら感じて落ち着いて見ていられます。
ニコラとか楊は色々早々に状況が大変な感じだった所為か、心が凪ぐこの感じ(笑)。何と言うかこの二人はお互い、素直さが清い。
一貫していつでもリリィちゃんの為を思っての言動であるので、黙して語らずな所も後々彼女が平穏な日常に戻れる様にと慮っての事だし、黙って屋敷を抜け出し危険なめに遭えば、真剣に心配している声音で怒られるのも彼の真摯な心が見えて本当、そら彼女も傾くよ~vみたいな。
糖度的にはダンテは真面目だし、告白もマフィアものであるのに少女漫画みたいな純粋な甘さがって心洗われてました。恋愛の甘さ加減が愛いなぁ。
どこまでも潔く、真っ直ぐ、正々堂々なヒーローっぽさを備えつつ、終盤吐露する弱さも魅力です。ファルツォーネの力が弱まった事で力及ばずな自分の歯がゆさ、本当はニコラがカポにふさわしくて自分は器じゃないとか、それでもカポとして選ばれたからにはと、強く立ってきた彼は本当良い人柄だなと思います。心根の透明さが好ましいダンテさん。カポらしくない所が、逆にカポのそこが好きです恰好良いーっ!(≧▽≦)qと、ついていきたくなるのではないかな?なんて思いました。
ダンテは【カポ】としてという考えが前置き基本であるのに対し、常に【カポ】の前に【ダンテ】として当たり前に見てくれるリリィちゃんに愛しさと強さを与えてもらって、そんな彼女が好きで堪らない感が出る、あの押し倒しキスシーンに表れててここ、大好きな所です。
「他の誰に何を言われても怯みはしない。おまえの心が俺のものなら、それだけで戦える」ですよっ。カポ、恰好良いーっ!(≧▽≦)/
甘い甘いvやっぱり正統派な甘さがあります。
このルート、ちょいちょいニコラの意地悪い黒さも見えたりするので、やはり裏暗躍なアンダーボスの存在感を思わせるシナリオでもあり。何かにっこり笑いながら偶然だね~?あ、知らなかったんだっけ?ごめんね?みたいな感じでくる嘘スマイルなやり方は、たまに見ていてムカつきます(笑)。
わざとだろ、知っててやってんでしょ!と。あの拷問見せに連れていく件とか、彼女がダンテへ好感を持ち過ぎない様にちくちく悪くない様に言いつつも、やんわり針刺してくるあの感じ!!
いや、性格わっるー…(笑)。流石、って。←
先にニコラルートプレイしてるからこそ、まだ彼のあの時の意地悪ばあさんみたいなやり方(←殺される)は基本ダンテ優先思考からくるものなのだと解るんですけれど、ダンテ先にプレイしてたら裏側めっちゃ怖そうな人って思いそう。解ってても黒いなって思うのに(注:ダンテっこ故なので嫌いではないですよv)。
ダンテルートは一気にぐっと真相に触れてきたので、ニコラや楊ルートでは明かされなかった彼女の存在や意味、重要性が明るみになってくる事もあり、他キャラの動きも多く面白い展開でした。
教国とファルツォーネと彼女の存在、それらがどう繋がって関わっているのかが漸く見えてきた感じ。そこからそれぞれがそれぞれの思惑で動き出していく展開は、先が愉しみでワクワクしました!(≧▽≦)追い詰められていったりとかハラハラする中で紡がれる恋愛の流れも王道ルートだなって。
しかしマフィアに支配される国を舞台としながらの、この伝承絡むストーリーは不思議な感じのギャップでした。エミリオさんの銀の光と金の光の表現には成程ーっ、あの二人の銀髪と金髪にまでこんな絡め具合あるなんて上手い。こういうの好きです。
でもでもでもエミリオさん、「長生きはするものですね」って!!!可愛らしい天使のお顔で貴方って幾つなのですか―――!?Σ(゚Д゚;)←最後の科白に吃驚
この人って全部見てますよ?ふふっ(^v^)みたいなのでちょっと怖い(笑)。
ラストの聖堂で、騎士の誓いの様に跪き紡ぐ愛の言葉と、祝福するかの如く響く晩鐘。タイトル冠した終わり方、正統派ここにあり!って感じでした。もうダンテってカポというより王子様ですやん…v

BADENDはかなり切ない結末。いやもうあの、教会なのにどれだけ人殺されてるんですかな、もの凄い殺戮展開に仰け反りそうになりましたよ…
出来ればせめてリリィちゃんが目覚めてくれる日がくればと願いたいです。ダンテのずっと昔から見守る存在であった彼女の、何事もない平穏な暮らしを願う心がひたむきで綺麗過ぎて、余計にこのENDは見ていて辛く哀しくなります。

GOODENDも結構ハラハラしました。だって楊のGOODENDがああだったので、死んじゃったらどうしようっ、と心配で心配で(;´・ω・)
このルートの楊は悪に徹してたなぁと。彼はやっぱりリリィちゃんとの事がなければ刹那的な快楽を求めるだけの、あのままの生き様なんだろうと改め思った次第。
因みにGOODENDのラストスチルがかなり好きだったりしますvダンテがリリィちゃんに可愛すぎると愛しそうに言ってますけど、SHORT STORY含め私に言わせれば二人共めっちゃ可愛いよ…v

 

オルロック CV:豊永 利行

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それぞれの組織に出入りしている情報屋であり、教国の使徒
相変わらず、豊永さんの演技が素晴らしいです。
お顔も可愛いんですが、口調の「~~、です」がまた可愛らしい。最初の食事シーンでの「だめ」の言い方も可愛い。キラキラ純粋に聖なる人だとリリィちゃんを尊ぶ様子が可愛い。教会にちょっとだけでも様子を見に行きたい、のリリィちゃんの目で訴えお願いに、根負けして「そんなふうに見つめられたら、だめなんて言えない、です…」って折れちゃう所が可愛い。「あなたが作ってくれたパンナコッタのほうが、好き…」のあの「好き」の言い方がとてつもなく可愛い。
ひたすら可愛いしかないです、オルロック。
でも最初だけでしたけどね、こんな平和にプレイ出来てたの。
負が負を呼ぶ連鎖の嵐でした。一番メンタル堪えたオルロックルートです。
オルロックってロズベルグの胡散臭い神託を、するーっと受け止め、聖母マリアでも見る様な崇拝的な目でリリィちゃんを見つめ、果ては彼女の為って言葉があれば嘘八百バレバレな楊の事すら信じてしまう、ちょっと何かこう…自分が敬愛する存在が言う事関連する事は、怪しいとも疑わしいとも欠片も思わないのには大丈夫かいな、と親心。
だってあの神託かざして好き勝手にしている老鼠の構成員の事すら、信仰心からくるものなんだとか言い出したのには、お口あんぐり(゚Д゚)になりました。いやいや、老鼠ですよ!?ファルツォーネとかヴィスコンティならまだしも、どう考えても見てても神様一番信じてないじゃんっ!まるっところっと信じ過ぎだって!!と、心配通り越してもうちょいちゃんと視野を広げてみてーっ!と苛々したりも(;^ω^)
オルロックは基本、「どんな悪人でも神様を信じない人なんている筈がない」のが息を吸う様に常識的な事だと思っているんですよね。きっとリリィちゃんの言葉でなければそうじゃないと言っても聞かなかっただろうなぁ…ぐらいのもの凄い認識の違い(;^ω^)
彼女に言われて初めて目が覚めた様にショック受けてる彼の震え声、もう本当に頑張ってー、オルロック頑張って気づいてーっと成長を応援したくなるこの感じ。恋愛云々より保護者目線になってしまう自分(笑)。
でもこの後、オルロックがダンテを殺そうとしてニコラが庇い、彼が死んでしまうんですよ。あれはちょっとキツイです。オルロックはまだどこまでもロズベルグとその神託を盲信、それ故にリリィちゃんの安全への考えがずれてるんですけど、そこに気づかないで起こる悲劇が。ダンテの悲痛な叫びが辛いシーンでした。
彼は一貫して「リリアーナを守る」で動いているのですが、その上にロズベルグの存在がありこの人物を誰よりも尊敬していて疑わない。だからこのロズベルグがいいようにオルロックを丸め込んでる事が事態を悪化させていてるみたいな流れで、何ともこの辺りの展開が進めば進む程もどかしい。
追われる中で共に在る期間が長くなって、何も感じず求めずなオルロックに温かさを与えていくリリィちゃん。そんな彼女に特別な感情が芽生えてくるオルロックの変化が丁寧であったと思います。
そして絶対に正しい存在だった筈のロズベルグが、新しい神託があってリリアーナの死を望んでいるから殺せと指示を出した事で、漸くオルロックのロズベルグに対する疑念が沸き、綻びが生じてくる。この時はもうやっとだ!やっとだよーって思いました。中々ロズベルグへの盲信が崩れないからやきもきしましたよ。
この後に待つ、ルカの病死は泣けてしまいました。仲良くなって少しほっこりしてたのに、これ。ただでさえ逃げ場を閉ざされ包囲されていってる感じの二人にこれ。あんなに信仰心の強いオルロックが初めて神を否定する言葉を口にし、慟哭するシーンはもうなんだかやるせなかった。
このルート、色々な方面でメンタル崩れそうでした。楊の策でまずリリィちゃんへの風当たりもかなり強く、ギルはもう一ミリも許さず殺す感半端ないし、あのダンテでさえ今までにない冷たさだしで、しんどいです。これだけヒロインが攻略キャラに殺意を向けられるルート初めて見ました。滅茶苦茶キツイ。
でもギルの言う、「知らなかった」は通用しないって言うのは解るからこそ、この展開は重くて八方塞がりな苦しさが消えませんでした。オルロックはもう既に多数の人を殺め続けてきた事実が変わらないので、これどうなるのと。こんなに孤立な感じのルートなくて、壁際に追い詰められる感が息苦しい。
それにダンテなんてもう、父親もニコラもオルロックに奪われたとなれば、そりゃ許せる訳もないし。それでも彼のBESTでの最期は泣かされる。この人真っ直ぐ過ぎる…
結局、この二人が共に在ろうとする願いの為には、多くの命を奪った上でのものでしかならなくて。このBESTの選択と結末は重かったです。なんだかなぁ…辛いなぁ、って。それら背負う覚悟で、ということなんでしょうけれど、ダンテの事を思うともやもやして唸ってしまったBESTでした。
アレだ、ロズベルグの阿呆―っ!!!ヽ(メ`皿´)ノって叫んで発散したくなる気持ちで。←
恋愛的にもまずオルロックが普通の感情を取り戻してからの進み具合なので、個人的に萌えるとかそういう前に、見てるだけで苦しくなる展開だらけで、ぶっちゃけダンテの事とか楊の死ぬ前の科白とか、そっちばかりに意識が持ってかれてました。
【知らなかった】【利用されていた】【騙されていた】確かにそれは悪くはない。でもそこから起こった犠牲を許す事は出来ない。それぞれの立場から、殺し合っていく彼らを見ているのは辛かったです。

BADENDは壮絶でした…私のメンタル持つでしょうか…と、遠い眼になりながらも、ダンテがこうなっちゃうのも理解出来てしまうんですよ。こういうEND普段かなり駄目なのに、カポ酷いとか全く思えないんですよ。だって私BESTには蟠りあるし。いつでもどのルートでも優しさがあるダンテの心が、あそこまで病み壊れてしまうの辛い。
ロズベルグがこのルートはいい父親になっちゃって(何故にBESTでなくBADで)、でも殺されるし。結局二人はああなっちゃうしで…ダンテのあの冷たい声音の最後の科白が強烈でした。ああ、心臓痛いーっ。←

GOODENDはもうねー…、これねー…、一番最後に見たENDだったんですけど、メンタルもう透け透けペラペラですよ。もうずぶずぶ沈みそうに重かったです。ダンテの憎悪を込めた「殺してやる」が頭から離れませんでした。
とにかく、疲れました。恋愛どころではなかったです。3つのENDいずれも躯の山の先の分岐、といったもので重い。シナリオは他とかなり違った殺伐色の最も強いものだし、私メンタル弱いのでオルロックルートはひたすら辛かったです。

 

次回はラスト、ボスとFINALです。