ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

大正メビウスライン Vitable 全体・キャラ別感想

Vita【大正メビウスライン Vitable】の感想です。

2016年6月にプレイ。

 

※この感想はBL(ボーイズラブ)ゲーム作品のネタバレ感想です。ご注意下さい。

 

大正メビウスライン Vitable

使用画像の著作権は、LoveDelivery及びdramatic createに帰属します。

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天命に生き、そして死ぬ────

公式サイト

www.dramaticcreate.com

キャラクター紹介PV

youtu.be

OP

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物語

時は大正末期。日本が軍事国家として世界と争わねばならない、熾烈な時代。
主人公・柊 京一郎は帝國大学へ進学するため、帝都へと上京する。
勉学に邁進し、郷里のためにひとかどの人物になると決意していた京一郎はしかし、
己が持つ特別な力のために軍部-大日本帝國陸軍-に目をつけられることになる。
死んだ人間――死霊が見えるようになったのは大病を患った幼少時。
その時からずっと京一郎にとって恐怖の対象でしかなかった死霊を、
軍部は外国の脅威に対抗するための力として用いようとしていた。

軍部とその計画を阻止しようとする者たちの対立が、
京一郎の運命を巻き込んで帝國の未来を変えていく――。

全体感想

────幽世へ還れ!!

ものすっごく久し振りなBLゲーム作品で、ブランクあり過ぎて結構不安でしたが、めちゃ萌えた!大丈夫だった!(笑)
シナリオが秀逸です。今まで色々プレイしてきましたが、こんなに上手に引き込ませて魅せてくれる文章、中々お目にかかれないかも、そう思える程です。
何度読んでて感情同調したかしれない。勿論、声優さんの演技は申し分なく。
BL苦手だからってプレイしないのは勿体ないなと感じる作品です。
プレイ前は何となく絵が若干苦手かもしれない?かな?みたいな気がしてましたけれど、プレイしたら全然問題なく、魅力的に描かれてました。
攻略キャラは4人ですが、内容の厚みと濃さがたっぷりでボリューム感あり、プレイを終えれば4人しかいなかったっけ?と思える程の感覚を味わえました。
食事で言えば、お腹一杯ご馳走様でした!な一言が出そう(食事で例えますか)。
演出が物凄く丁寧。スチルでも動きがあるものが多くて、凝っているというのか胸がわくわくしますvどれもこれも細部に至るまで大切に作られていると感じられた作品。
PC版からの移植なので、艶事がてっきりおなじみ暗転形式かと思いきや、かなり巧みにソフト遠回しな表現にして、しっかり事をされている所まであり。
こんな表現方法があったのね、とかひたすら感心しました。でもぶつぎり感も違和感もなくて良かったです。そういったシーンがある中での心情もあるし、こういう風に見せ絵頂けるのは嬉しい。 PC版と比べればかなりのカットでしょうけれど、ブランクある私にはこのぐらいで良かったです。これでも結構居たたまれなかった(笑)。
何しろBLが本当に久し振り過ぎて、濡れ場の絡みの声を聴いてるだけでNLよりもかなり恥ずかしかったんですよ(笑)。NLの方が平気かも。←
一人一人のキャラの生き様や取るべき選択を考えて作られてあるのか、必ずしもスッキリ手放し幸せGOODでもないキャラもあり、BEST、GOOD、BADと用意しましたよ!的な定まった作り感がなくて新鮮でした。
展開もこの先どうなるのか、全く読めなくて面白くてドキドキするし辛いやら苦しいやら、幸せだわほっこりするわと色々あり過ぎて飽きません。
この自然なストーリー展開が魅力。
只、難しい漢字のオンパレードでアホな私は読めない字が(笑)。ルビをもう少しお願いしたい私でした。ううーん、お馬鹿過ぎ(;^ω^)
本当にとても素晴らしい作品でした。この後のFDも魅力溢れるものでしたし、また何かの形で出会えたらと思わずにはいられません。

キャラ別感想

柊 京一郎/主人公 CV:内匠 靖明

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一見、優しく穏やかそうでいながら、中々に頑固で強気な面もある。この性格が災いして巻き込まれやすい事もあるような。
攻略キャラルートによって色々な彼の姿を見られます。
貴方色に染まるというのはまた言い方違うかもしれませんが、惹かれていく相手により考え方や向かう路をどう取るか、そうして京一郎がそれぞれ変化していく所が見所。
選択によってよくある、攻略キャラのルートによって別人になってしまうといったのではなく、あくまでこの今の京一郎としてのまま、想う相手により共に傍らに居る事で変わっていくといった印象。
キャストの内匠さんですが、祝詞を綺麗に云われる方ですね(*´▽`*)
時雨の三浦さんのも好きですが、一番好きかもしれない。澄んだ凛とした声での発音が聴き惚れます。

 

時雨  CV:三浦 祥朗

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ガキっぽさを有しながら、頭領としての男らしい一面も見せる、ギャップが非常に良くて恰好良いです。プレイ前はもう少し子供っぽいイメージだったので(申し訳ない)。
悪戯小僧的なやんちゃ加減、なのに背負う責任感を持つ心の強さと温かさ、そして時に見せる弱さを出す所が大変魅力。
艶事展開に入ると急に男の色気が増して、ガラッと雰囲気を変えてくる攻め声、いや凄いわ参りましたで萌えました(*ノωノ) ←
友情から恋情に変わる様が微笑ましい二人で、くっついてからも周りの皆に見守られつつ戯れてる感が素敵な形。
痴話喧嘩のシーンすら何の惚気なのかと思えてしまう。
臣さんが茶々入れるのが好きでした。空気読み過ぎる大人(笑)。
時雨ルートは五本刀衆の面々が良いスパイスですね。辛く苦しい展開シーン、ほっこり微笑ましい家族的なシーン、どれもに強い繋がりと結束、絆を感じます。

 

館林 開 CV:日野 聡

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見た目通りの堅物で真面目な軍人らしい軍人さん。
京一郎に惹かれていても、その真面目さと恋愛不器用故にギリギリまで抑え込んでいて中々進まない二人でした。
なのでこのルートは京一郎が献身的且つ積極的だった印象で、館林さんは終盤まで受け身がちな気が(いや攻めだけどね)。メンタル的にキツイ所もあったので、押していかないと駄目な人ですよね、舘林さん。
でも全てを終えてくっつくと甘ーいっ!
日野さんの囁き低音で「――私のものか?――本当に?」とかはツボですね。かなりそれだけで萌えましたねっ!(笑)再生めっちゃしましたよ。←案の定
BADルートはどのキャラも苦しく辛い展開が多いんですが、この方のは特にキツイです。真面目が故なものでもあって、舘林さんらしいとも感じました。
爺やとの遣り取りが大好きですvこういう老執事キャラの人はいい味出してる人が多いと思いませんか?(誰に聞いてるの)後は双子兄弟が可愛かったですv特に薫。最初ツンケンしてるんですけど京くんに次第に懐いていく辺りが可愛らしくてもうっ(≧▽≦)なのにあの哀しい最期でしかないのが残念で辛い…(T_T)
中々に己の戒めが堅い人なのですが、ラストはその分、思いの深さが溢れ出ていて大好きです。

 

千家 伊織 CV:興津 和幸

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とんでもなくキツイ展開の千家ルート。壮絶過ぎて思わず天を見上げたプレイ中。
他の攻略キャラが絶句する程に惨殺されてしまうので、最初に時雨が死ぬシーンなんかは私、正直続けられるか心折れそうになりました。
敵と言えば敵キャラ?みたいな最初の位置なので、千家に巻き込まれ共に居る内に見えてくる、嫌って憎悪の感情すら宿していた千家の存在に、京一郎が一番変わっていくルートでもあり。
千家はこう…一般的にGOODと言えるENDがないです。BAD含め色んなENDがあるんですが、彼のベスト的なENDってハッピーエンドみたいな、そんな簡単に片づけられるものではなくてどれも重く険しいものが残っている形。
どれも切なくて、手放しで幸福なものが少ないんですが(ないに等しい)。二人が死んでも尚、黄泉で戦い続けるENDが一番心穏やか度では幸福っぽい、かな。死んでるんですけれど。一概にどれが彼らのベストなのか言えないですね。 深いです。
融合ENDの京一郎は痛々しいけれど格好良くもあり、一番変わってしまう彼の姿が何とも印象的でした。
冷酷でいて、京一郎を求める時の甘さ加減が堪らない人。事後で京くんを寝ながら抱きしめてるシーンが大好きです。
後日談SSでは割と可愛らしい一面が露呈される、非道な面もありながら憎みきれない、愛おしく感じるキャラです。

 

ミサキ CV:花田 光

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失礼ながら私、花田さんは全く存じ上げませんでして。演技が個性的と言うのか、何か凄く今までにない驚きと新鮮さを感じた人でした。
正直な所、最初何だか馴染めなくあったのですが、聴いているととても不思議な魅力がある声でいらっしゃると感じる様に。寧ろ聴いていたい。
 TRUEENDがあり、大団円的なラストが用意されている事もある、所謂この作品の要で本命キャラなのだなと。
桃の神様という京一郎と幼い頃から深い関りがある、密に繋がる真相はとても深くて温かな強い思いが隠されていて、押し寄せる展開には本当に胸躍りました。
彼の場合、一番京一郎が気を抜いて甘えてた感じです。そんな京一郎に何だかんだで甘いミサキ。恋人関係が一際甘い二人でしたv一緒に暮らしてるからか、夫婦ですかと言いたくなる落ち着いた甘さ。
TRUEENDの壮大な展開といったらもう、凄いの一言で!クライマックスは感動しました。挿入歌の入れ具合が完璧すぎるっ。もう普通に魅力がざくざく溢れてくるルート。
只、この物凄い展開の中、皇后が独白でべらべらーって洗いざらいの犯行たる真相話してて、それを知らず皆聞いてて えーっ!?そうだったのか!!みたいなシーンはちょっと皇后、喋りすぎですと笑いを誘われたりもしました(笑)。だって、もう何か親切だな、皇后っ!ってツッコミ入れたくなりますよ~。
でも本当に素晴らしくて良かったです。語彙力の無さが悔しいのですが、圧巻でした!
最後の最後はコミカルな感じで終わって微笑ましくもv

 

それでは!

see you next time!