ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

大正×対称アリス all in one 全体・キャラ別感想

Vita版『大正×対称アリス all in one』の感想です。

プレイ終了が2016年8月頃。

 

※ネタバレありなのでご注意下さい。

 

大正×対称アリス all in one

©2016Primula/PROTOTYPE

Nintendo Switch版「大正×対称アリス all in one」発売決定 - GAME Watch

これは王子様を救うおとぎ話 ────

公式サイト

www.prot.co.jp

OP

youtu.be

STORY

鏡を通り抜けたら、そこは全てがあべこべな世界でした ────。

貴方は気がつくと、真っ黒な世界をさ迷っていました。
貴方には記憶がありません。自分が何者なのかも、名前すらもわかりません。

真っ黒な世界は貴方以外は誰一人としておらず、貴方は不安と淋しさで胸がいっぱいになります。

そんな時、貴方は一人の少年と出会います。
輝く金色の髪に美しい碧眼を持つ少年の名は「アリス」。
「アリス」は貴方をみるなり、貴方を「ありす」と呼びます。

どうやら、彼も記憶を失っており、「アリス」という名前以外、何も思い出せないようです。
困った貴方は、嫌がるアリスを連れ、再び世界をさ迷います。

やがて、貴方とアリスは水晶で出来た大きな大きな鏡を見つけます。
鏡の中は、和と洋が混じり合った不思議な世界で、貴方は懐かしさを覚えます。
そうして、貴方とアリスが鏡を覗き込んでいると、通り抜けて鏡の世界へと入り込んでしまいます。

鏡の国では、性別が逆転した童話のキャラクターが貴方を『ヒロイン』として迎えます。
鏡の国で各童話の『ヒロイン』となった貴方は、ちょっぴり不思議で歪な物語を、ちょっぴり歪んだ童話の主人公たちと紡ぐことになります。

はたして、この物語の行く末はどうなってしまうのでしょう?

 

全体感想

ソフト/大正×対称アリス all in one - switchsoft @ ウィキ - アットウィキ

私はこの手を離したりなんかしない。

PC版Primulaさんからの移植作品。数本に分けて発売されていたものがまとめられ、Vita版になったもの。独特の雰囲気を持つ、魅力溢れる作品でした。
episodeⅠ・Ⅱ・Ⅲ・epilogueと、プレイ順序が決まっているので、最初に攻略出来るキャラも制限あり。全てをプレイしないと真相は全く解りません。
かなり重く精神的なものでいて、全てのルートが謎かけめいた構成が細かく組み込まれており、頭悪い私は理解し整理するのに魔法使い辺りの会話は読み返す事数度。
複雑に綿密に練り込まれたお話でした。あらゆるものを散ばせながら、真実が暴かれて繋がって解かれていく謎、言葉、役割、違和感、全てのBADですら一つの真実へと通じている。非常に作り込まれた作品。久々に乙女ゲーで頭使いました(笑)。
絵はめろさんなのでとても綺麗です。おとぎ話をなぞらえたこの作品に似合ってるなと。でも枚数が少ない気が。もう少し欲しかったかな。
世界観やキャラ設定、デザインなどの事もありますが、百合花ちゃんが日本人に全く見えなくて西洋感溢れ過ぎで、ずっと日本人だというのを忘れてました(笑)。
サブキャラの猟師さんが渋くて格好良い(*'ω'*)落ち着いたトーンの声が凄く好みです。失礼ながらお名前は多分初でお聞きしました。
この作品、あまりネタバレするといけない作品ですね。
今回重大なネタバレは伏せて書いてはいますが、未プレイの方は是非真相ネタバレ情報なしでと思います(此処で言うか/笑)。
ものすっごく面白かったです!でも頭も使いました(お馬鹿故に)。
ラストまで駆け抜け、完走した充実感がありました。

 

キャラ別感想

有栖 百合花/主人公

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何て言うのか…すっっっごく変わった主人公、なのが最初の印象。
ノリが独特。ルー語と噂のセリフでしたが、ルー語じゃないですよね。ちゃんとした英語使ってるから。でもあのノリ何かカクッ、ってなる。うん、カクって。でも結構直ぐ慣れた(笑)。寧ろ百合花ちゃんに合ってると。
しかしながらこの百合花ちゃんのちょいちょい入る英語だとか、各ルートで何故こんなにも直ぐに彼らと恋愛する気満々なのか、家系が猟師ってなんじゃらほいとか、そういった疑問なんかが全部全部理由があって、真相が暴かれていくにつれての見せ方はひたすら感心しました。
天然な部分もほんの僅か少ーしあるけれど、自分の何を武器にすれば良いのか使えるか、そういうの理解している節がある。したたかであり、小賢しさもあり。洞察力も冷静さも備えており、かなり頭が良いですね。回転も早い。無鉄砲さがないです。計算高く自分が出来る力の身の程も知った上での判断力にも優れた行動。知的で敵に回したくない策士な面も。そして狂っている部分もある。
異彩溢れる、今までにいない乙女ゲームヒロインといった印象でした。
なのでプレイヤーには好き嫌いが激しいタイプなのかな?とは思いますが、私は嫌いじゃなかったです。かなり上手の上手をいくヒロインで、新鮮でした。
あの口調が敬語な所、漫画【フルーツバスケット】の透ちゃんを思い出しました。と言っても中身は1ミクロンも似てはいませんが(笑)。
誰のルートでも共通な彼女の考えは「彼が幸せな結末を迎えられるなら、其処に自分は居なくてもいい」、それが本当に淀みなく芯が通って在るので、彼らの幸福を望んでいる彼女の確固たる想いは何処からきているのか、それが解るのが最後の方なので、ヒロインが苦手だと思っても最後までやって欲しいっと思いました。

 

シンデレラ CV:平川 大輔

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何か…他のキャラ達と比べてすっごくまともに見えるの私だけですか?(笑)
チャラ男かと思いきやとても繊細でヘタレ王(失礼)だけども。「隠れ常識人」と百合花ちゃんが評していたのに納得です。
松岡アリスに「この軟弱へたれ男」「君は男のくせに受動的で悲観的でそのくせ独り善がりで他人任せのダメダメダメ男だ」には笑うしかなかったです。
ド正論過ぎて(笑) 。
後半でまさかあの時点で別れようとかなると思わなかったので、「は!?」とかなりましたよ。もうハッピー感結構出てなかったー!?って。
結局諦めきれない想いがガラスの靴を作り、閉店した店に残してそれを百合花が見つけ、彼を迎えに行く為に舞踏会もどきで呼びよせる。
とまあ、他ルートもそうですが流れは童話のシンデレラを混ぜてますので、そういう所が見ていてワクワクで面白かったです。
平川さんの丁寧な演じ方は相変わらずいいなぁ、と。他ルートでも色々な立ち位置で登場ですが、シンデレラは好きなキャラ(*´▽`*)

 

赤ずきん CV:前野 智昭

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前野さんがこんなに崩れた演技を披露しまくるのは珍しい気がします。【白華の檻】でも珍し気なタイプの役に感じましたが、此処までではなかった(笑)。
鼻血の出血量が心配になる程鼻血回数が凄いっ(笑)。変態的な「はーっ…はーっ…」な息遣いも笑うしかないっ。 まともな恋愛に発展出来るのかと心配に。
動揺すると噛みまくる彼の科白はどれも絶品に面白いのですが、最後の決めな科白シーンで「アナタはワタシのことキスデスカッ!?」「私は貴方のことが…隙だらけです!!」にはどうしてくれようかと思う。何だろう、すっごく面倒みたくなる(笑)。
プレイ前はビジュアルだけでクールで寡黙な感じなのかと思ったら(いや、最初はそうだったけど)かなりだいぶ、ちょっと大丈夫かいなな程(←)純情でした。
赤ずきんの正体は察せられたんですが、百合花の方がそこまで仕組んでたとは解りませんでした。いや、本当この主人公凄いな。

 

かぐや CV:増田 俊樹

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この作品、何かと展開が予想外なのが多いんですが、出会って初っ端からいきなり「めっちゃかわいいやん!俺と付き合えへん?」「いいですよ」って多分過去に乙女ゲーしてて最速ではなかろうかという早さで恋人同士になるとは予想外(笑)。
シンデレラルートでは百合花の世話係としての位置でしたが、こちらは全くの初対面からなんですね。 色々立ち位置が違っていて新鮮。
「いつでも自分が駒になる覚悟は出来ている」「勝つ為には私はどんな駒にさえ昇格(死ぬことになっても)してみせる」と、この主人公何処まで頭良くて格好良いねん!と思う百合花ちゃんの凄さ。でもこの科白が後に再度違う人物が言う事により、成程と。シナリオの構成力に感心。
執着愛の表現がやや怖い。病的だしメンタルこそげそうなタイプなので、普通にお付き合いしたいと思うタイプではありません。←
要は面倒なちょっと病んでるヘタレみたいな(ぅおい)。
このルート、かぐやんは悲痛な絶叫が非常に多くてですね。物凄く増田さんの声帯が心配になりました。

 

グレーテル CV:江口 拓也

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まあ、グレーテルルートなので位置的に主人公は血が繋がってない姉になるのかなぁ、とは思ってましたが。
重い。激重です。かぐやんも重かったけど更に倍。どろどろな毒の甘さ。
狂愛と異質と粘りつく様な求め方は猛ダッシュで逃げたくなります(逃げるなよ)。
こちらのルートも絶叫科白が盛り沢山で、江口さんの声帯が心配になりましたよパート2。いえ、本当に。
キャラ的にはシスコン狂愛でちょっと…いやかなり引くんですけど(ごめんなさい)。
とにかく「姉さん!姉さん!!姉さん!!!姉さーんっ!!!!なる姉さんコール大絶叫が暫く頭から離れませんでした。目覚ましにしたら眠気すっ飛び、飛び起きるレベル(しないって)。

 

白雪 CV:蒼井 翔太

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このルートではシンデレラ、赤ずきん、かぐや、グレーテルと百合花ちゃんは兄妹になってて面白かったです。特にグレーテルが重度のシスコンで(笑) 。
白雪ルートは…ちょっとばかりグロイです。色々と。うん。異質な雰囲気感がより際立っていて強いです。彼と百合花ちゃんの恋愛ルートと言うよりは、彼の母親に関わる事と真相に近付いている事で恋愛っぽさは薄めかなと。
猟師さんの係わりが多いルートなので、そのエピソードが印象強く、好きな所でもあります。猟師さんの彼がいっぱい出てきて、あの良いお声を堪能出来て幸せでもありました(*ノωノ)(そっちかーいっ)

 

魔法使い CV:羽多野 渉

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随所にちょこちょこ登場、謎めいていながら何かを握ってる風の魔法使い。
彼で一気に真相が見えてきて繋がってきます。今までの全ての小さな事柄にすら意味があった事も多く、頭の中が色々考えるのに忙しかったです。
スタート時点から違和感が多い設定での始まり。そして今までちょいちょいしか出てこなかった魔法使いがばーんと百合花ちゃんに関わる事で、暴かれていくもの。
一番割に合わない、哀しい役割であったかなぁ、と。ひねくれたくもなるわな(笑)。
他攻略キャラと違う存在と立ち位置、そしてラストEDは納得出来るか出来ないか、人によるかもしれません。
でも彼はアリスルートで漸く あ、不幸ではないんだね。と安心出来ました。
キャラ的には非常に面倒な人なんですが!(笑)
だってもう素直じゃない。本当素直じゃないっ!!大事そうにひっそりと「百合花」って呼ぶならもう観念してしまえ!ちょっと萌えたわ!(え)

 

アリス CV:松岡 禎丞

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スーパーハイパーマシンガン毒舌正論長科白に、只々圧倒される(笑)。
余りに長くてプロローグの彼にはお腹いっぱいになりました。
しかしながら以前からお上手な人だと思ってましたが、松岡さんの演技力に「すっごいなぁ…('Д')」という言葉しかなかったです。このキャラってかなり難しくてカロリー使うキャラですけど、本当に出来上がり感が凄い。
いやもうこのキャラとても魅力的です。松岡さんの演技が素晴らし過ぎるが故に、アリスがより生かされてる感じ。
もうこれはあれですね、あーだこーだ書くよりもプレイすべしっの一言で。頭悪い私の感想では追いつかない(難し過ぎて投げた)。
彼は最後の最後なのですが、魔法使いで集まったバラバラのピースを綺麗に嵌めて完成させるといった感じです。
彼ですら生かされる、共に彼女の居る世界。誰一人取りこぼす事のないすっきりハッピーエンドの締めは最高でした。
充実感あるプレイ、お見事でしたといった作品となりました。

 

この後発売されたFDはオオカミくんと猟師さんのエピソードメイン
此方も楽しめました(*'ω'*)

 

それでは!

Mystic Messenger: Why I Stopped Playing Mobile Otome Games – muomo game

see you next time!