ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

百花百狼 戦国忍法帖 全体・キャラ別感想

Vita版『百花百狼 戦国忍法帖』の感想です。

2016年3月プレイ。

 

ネタバレ考慮して書いておりません。NGの方はくれぐれも閲覧にご注意下さいね。

 

 

 

百花百狼 戦国忍法帖

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全体感想

当時、かなり迷いに迷って発売日ギッリギリで購入した事を覚えています。
キャラ、キャスト、ストーリーは発表当時から興味があったので、和物に弱かったのと、ファミ通ゴールドに負けた形(やらしい/笑)。
結果、買って良かったです!←ホントやらしいw
絵は勿論人気の絵師さんですし、キャストの方々もピッタリイメージで、シナリオも辛く苦しく哀しい展開が続きますが、ハラハラしつつ全ルート先が楽しみなものでとても面白くプレイ出来ました!

ボリュームは程良い感じで、無駄にだらだら長いでもなく、まとまりの良い流れ。話の展開も恋愛も、不自然さや無理のないものでスッと入っていけました。
システムに関してはバックログからの巻き戻しが出来ない事が不便でしたが、他は特に問題なくプレイしていられたなと。

絵はCG枚数、もう少し欲しかったです。色使いも世界観に合っていて綺麗だし、此処に欲しいなぁ、というシーンが所々あったので。EDにちらっと出る各キャラの一枚絵もとても恰好良いのでゆっくり見せて欲しかった気持ち。

後、追加DLC。男遊郭の時と違ってこちらは無料になったのはいいんですが、大して容量ないのに最初から入れておいてくれなかったのかという疑問はあります。
当時配信日が一人一人ずらされていて、一気に出来なかったのももどかしかったー!
(※Vita版プレイです。Switch版はDLC分どうなってるのか分かってません)

攻略オススメ順は、月下丸、黒雪、百地蝶治郎、服部半蔵石川五右衛門かな?OPで出てくる順でいい感じだなと思いました。
ルートによってはメインキャラの死亡率がかなり高い上に殺さなければいけなかったりと、かなりキツイ展開があるのでNGの方は悲鳴を上げるかもしれない(^_^;)
BADもCGあり、BADのシナリオも選択間違った、はい死亡、ではなくしっかりとシナリオがあります。

切なさ、苦しさ、葛藤、痛み、どうしようもない理不尽さ、その中でどう生きるか、何を選び進むのか、忍であるが故の厳しくもある現実と実情に何を見出すのか。
各キャラにより色々な立ち位置から見える話の運びが非常に魅力的でした。
推し一番は半蔵さんですね!次点五右衛門さん!カーッコイイ!!の一言です。
もう一度再プレイしたい作品。

 

キャラ別感想

上野 槐/主人公

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名前が何だか西洋風。髪とか目が更に西洋風。銀髪に見えてしょうがない(笑)。
最初おっとりしていて箱入りって感じなので大丈夫かいな、と思った主人公。
不安が的中と言うのか、ルートによっては考えが甘過ぎて苛々と頼むよおい!と叫びたくなる程の場面が時々…多々?あります。
その判断の甘さや迷いが自分だけの命じゃなくて、自分を護ろうとしてくれる者の命までも喪ってしまう事、それが何故わからないのか、と苛立たしく感じてしまう時も。実際、あるルートでは貴方達と戦いたくない!とかうだうだして迷っている内に、護ってくれていたキャラがその所為で死んじゃう展開があるんですよ。
確かにずっと一緒にいた仲間を戦いたくない、殺めたくないという気持ちは分かるんですけれど、今この切迫した状況で忍であるならどうすべきかは分かるでしょ!!って、つい苛々してしまう。優しいを通すべき所が違うかな、と思う。
でもちゃんと忍として人として成長していくルートもあって、其処がきちんと描かれているのは良かったです。
辛口に書きましたが嫌いじゃないんです。一番好きなのは半蔵ルートの彼女。強く綺麗な凛とした女になったなぁ、と思いました。

 

月下丸 CV:羽多野 渉

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幼馴染&護衛役。幼馴染とは言え、主と従者って感じなので常に敬語で超過保護。
いつでも一歩下がって控えてるので、それが最後まで抜けてない感じがストイックなんですけれど、恋愛としては堅かったからちょっと物足りなかった気がします。まあ、私が甘いの好きなだけなんですけど(笑)。
くっついた後ぐらいはくだけた話し方になってもいいんじゃないかなーっとは思いました。もう少し男の強引さと言うか本気と言うか、そういう荒い感情を表に出してくれるとより好みだったんだけど、ずーっと真面目に抑え込んでるのでそこが惜しい。
ナイトと言った点では徹していた人だなと思います。どこまでも味方の安心感。
かつての仲間と戦わなければいけない、殺めなければ護れない、そんな理不尽な状況がこれでもかな連続でキツイルート(全部だけど)。
その原因たるのが本当、ふざけんなってな身勝手さで、忍を命も命と思ってもない、駒扱いな理由で翻弄されていくのが見ているだけで歯がゆい。
最後は安寧の場所で平和に暮らしていくと思うと、ホッとする安堵感がありました。

 

黒雪 CV:下野 紘

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月下丸とは兄弟で同じく幼馴染。
ヤンデレと言ってしまうには深過ぎる闇と痛みを持っているので、怖いというよりひたすら不遇。
身も心も記憶も壊れていく自分を繋ぎとめる、唯一の支えが槐だけだったなら、ああなっちゃうのも分かるなぁ。
槐に必死に喜んでもらおう、笑ってもらおうとしているのが可愛らしくも健気。その中で男っぽさもあり、奥深く味のある魅力持つ青年。
黒雪のENDは死亡率が低くてホッとしました。皆に見送られての幸せな未来はよかったねーっ!幸せになってねー!て感じ。
でも、彼の場合はBADも結構好きなんですよ。亡くなる寸前の槐に「大丈夫、お前の世界は最期まで綺麗なままだよ」って言ってあげる愛情深さ。
哀しい結末であれど、優しい優しい黒雪の心が伝わるENDでもありました。
BADでは黒雪と蝶兄のが好き。

 

百地 蝶治郎 CV:鳥海 浩輔

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常に冷静沈着、まとめ役でもあり従兄でもあり師でもある人。
忍としての生き方を、感情をセーブしてまでも貫こうとするせいか、中々心のままに動くまでが遅かった人です。
まだかーっ、まだ解れないかーっ!!な鉄壁さ。
それでも偽りなく、槐と共に在りたい、失いたくないと行動する様になった蝶兄様の、不器用な愛情加減がしっとりこそばゆさのあるもので、見ていて純真だ…としみじみ。
槐を愛しむ笑みが最高です!!
最後の槐がまた格好良いんですよね。途中物凄く苛々したんですが(笑)、男前な程格好良いシーンがありました。
皆の後押しを受け、二人で駆けだす姿は幸せになれよー!(何回目)って感じです。
皆さん、全員本当に幸福を願ってしまう。

 

服部 半蔵 CV:津田 健次郎

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最強と呼ばれる忍。これは卑怯なキャラにキャスト!!(笑)。
あー、もうホント恰好良い!!もう反則的な恰好良さ!!!
名言、「その意気や、よし」って槐に言う、あの短い言葉の中にある想いが、シーンシーンで様々な形で深く込められています。
彼のルートでは槐が逃亡の旅の中で半蔵に修行をつけてもらい、身も心も強く成長していく様が描かれてるんですね。今までとはちょっと違う形。
その中で少しずつ距離が縮まって心惹かれていくんですが、これがまたキュンとして萌えありので、たまりませんでしたよっー!!(*ノωノ)
シチュ的にも雨に濡れて冷えた身体を肌で温めるとかのお約束あり。濡れて前髪が下りちゃってる半蔵様を見れるサービスつき。
槐にいつしか惹かれていて、五右衛門に攫われてしまった時に駆けつける普段の余裕の無さとか、いつにない怒りの感情が迸ってるとことか最高に萌える!!←
後半、槐を殺せと主に命じられ、「何故、お前なのか」「何故、俺なのか」と短い言葉の中に苦しみ表し呟く津田さんの演技に心打たれます。
そんな半蔵に、貴方に拾ってもらった命ですからと、真っ直ぐに向かい合う槐の姿がまたいい女になったよなぁ、って。
恋愛はストイックかと思えば、意外に大胆なのもツボでした。何気にキスしまくってるんですよね、半蔵様(笑) 。ギャップ良い。
半蔵様、最高!って事で一番萌えでした。

 

石川 五右衛門 CV:緑川 光

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この人も色々狡い!(笑)まあ、何て粋で恰好良い!
軽い口調から低く喋る声のトーンが魅力的。この作品、キャストも全員ぴったり嵌るので、もれなく安定して萌えられます。
頭撫で撫でシーンも好きですが、うたた寝添い寝のシーンの二人の可愛らしさと微笑ましさが凄く好きです!体格差とか身長差が思った以上にあるというか、結構身長あったんですねとか今更。でもあの大きな体格に細見の槐が横に寝そべってるだけで、ゆったり包まれてる感じに見えるのがいいなぁ。 体格差&身長差最高!←
それぞれ五右衛門が寝ちゃってる時の槐の想い、槐が寝ちゃってる時の五右衛門の想いが互いの心の近さを感じられ、見せ方が上手だーと思いました。
「お嬢ちゃん」からここぞと言う時の「槐」呼びに変わる所は、半蔵様より良かったのがちょっと憎い(笑) 。
包容力と言うか槐への愛情が溢れてる姿が物凄く伝わる五右衛門ルート。
大泥棒らしい粋な展開と爽快感は余韻も良く、誰も死なずに笑顔で終わるのも私は良かったです。
なのでBADがもう何て言うのか…本当、あと少しだったんだよ、槐!って感じで。槐の亡骸を抱きながら、全てを殺めて血が飛ぶ凄まじい中、静かに流す五右衛門の涙が悲痛でした。
全員良かったんですが、半蔵、五右衛門は格別でした。

 

 

それでは!