ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

かみさまの棺 全体・キャラ別感想

PC【かみさまの棺】の感想です。

 

物語の詳細なネタバレ内容は伏せて書いてます。


BL作品、対象年齢15才以上の作品感想です。
ネタバレが全くないわけではありませんが、緩めで核心的な部分は書いてません。これらNGの方は以下、閲覧をお控え下さい。

 

 

 

かみさまの棺

使用画像の著作権は、『cream△』乃花こより様に帰属します。

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 公式サイトは下記からどうぞ※15歳未満の方の購入・閲覧禁止作品※

kamisamanohitsugi.jimdofree.com

 

OP

 

Story

ある日突然の隕石落下により地球は滅び、知花ミチルの日常は消え去ってしまう。

…見知らぬ呼び声に目を覚ますと目の前には口をきいたこともないクラスメイトの廻。
そして自分は今『謎の部屋』の中にいる事を知る。

これは 忘れていた記憶を 
少しずつ思い出す物語…

悲しくて 残酷で
美しくて 痛い
最悪な恋の物語。

―あなたの心をかき乱す BL×サイコホラー―

 

全体感想

【パウダーグレイ】と同じ、cream△さんの作品。発売順で言えばパウグレの前になります。こちらもパッケージ版はステラワースさんで購入出来ます。
閉鎖的な人間関係ながらも恙なく過ぎる毎日を送る主人公ミチル。その日常が一転、突如の隕石落下により地球が滅び、死んだはずの自分は宇宙広がる見知らぬ謎の部屋で、新しい世界を作り直す神に選ばれたという廻と二人きり…と、いきなりの嘘のようなSFファンタジー!?な始まり方なんですが、真実の蓋を開けてみれば残酷な痛みが散りばめられた現実へと繋がっていく、重く闇覆う物語でした。
廻が聞いたというお告げ、「あなたは今から神と呼ばれる存在となった、偶然滅んでしまった地球という不運な『世界』が再生されるまで、それを見届けなさい」ですが、これが話が進んでいく事で見えてくる真相へと、色々な意味を持って紐解かれていく展開が練られているなぁと。
大切だった存在を全く忘れていた事や、隕石落下前の出来事と、記憶を取り戻していく中でのエピソードとのブレなど、どういう事だろう?と謎を持たせながら見せてくる真実は本当、痛みを伴うものでした。
最悪な恋の物語、とあったそれが何を意味するのか。本当、かき乱されました。
タイトルの意味もそういう事かー…と、心がズーンと重く( ;0;)

ENDはHAPPYEND3つ(廻・笑太郎・征花)にBAD1つ、サブエピソードのNORMAL2つ。サブエピソードはHAPPYEND見ていったら解放されました。選択肢は少なめで、SAVEもこまめに出来、END・スチル回収は難しくないと思います。
短編ですがスチルは多めのフルボイス。声も合っていて素敵です。
【パウダーグレイ】も言えるんですが、こちらはよりHAPPYENDの形が一般的に誰もが思えるHAPPYENDではない。何が彼らにとってHAPPYENDたるものなのか、彼らの好きの感情の表し方、終わらせ方、求める終着点のそれぞれの結末、といったものなのではないかな?と。語彙力がないのでどう言えばいいのか難しいんですが(*_*;

BLの括りではありますが、そういった具体的なシーンは控えめです。恋愛の甘さというか、普通のそういったものとは異なるお話なので注意が必要かと。
後、ホラーとか暴力とか、精神面攻撃系のリピートワード、グロイ表現がかなり苦手な方はキツイものがあるかなと思いますので、プレイ前に熟考を。
血の赤色がいっぱいに散り、ブレ歪み変化する画面、走るノイズ。視覚と聴覚と精神に襲いかかる演出に、怖いの苦手な私が慄きまくった事何度か(笑)。
背景の線画に水彩絵の具を滲ませ塗ったようなものに、配されるカラーがまた怖さと陰鬱さと得体のしれなさをもたらしてくれます。

キャラはですね…ぶっちゃけ全員闇病みな怖い人達ばかりです(笑)。笑太郎くんはまだ救いはあるかな?…ではあるけれども、そんな彼も心に巣食う闇が濃くなってしまえば、また再びどう転んでしまうだろうかとも思ってしまう。
全員、自分の好意を持つ相手に対する「好き」なる我欲に正直なんですね。正直過ぎて理性のセーブも効かないっていうか持ってないって言うか、相手への思い遣りはそこに存在していない。自分が好きだこんなに好きだ、好きだからいいだろう?みたいな。ゾッとする「好き」の長い連呼などは当分「好き」は聞きたくないなーってなりかけました(^▽^;)
「好き」が狂気と凶器に変わり歪み、果てにあるそれぞれの恋の結末…でしょうか。
エンドロールが流れる真相には凄いなぁと。何かあるだろうとは思ってたんですけど、突き抜け振り切ったまさに『最悪の恋』でした。

先が読めなくてハラハラしつつ、怖がりビクビク、「それっ、うぇぇぇぇっ!!!痛い、痛いーっ」と呻きながらも(←)、考えさせられるシナリオでプレイして良かった作品です。
所々、どういう事だ?みたいなちょっとわからない事もあったんですけど、怖すぎて考察力が低下していたのかもしれない(単なるアホだろう)。
色んな方面で怖かったけど楽しめました!怖かったけど!!(何回言うねん/笑)

 

キャラ別感想

知花 ミチル/主人公 CV:内村 遥汰郎

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コミュ障が重度です。そうなってしまった理由とか、家庭環境とか、追い詰められて閉じこもっていく姿が、圧迫されながら息をしているようでしんどいなぁと。
しかし人と関わらないようにが意固地過ぎて、せめて声に出さずともお礼を表す頭下げくらいはしとこうね?とお節介を言いたくなる(笑)。
そしてあの笑太郎おめめ事件では、あそこまでするとは思わず、痛そ過ぎて変な声で呻いてしまいました私(お前かい)。
モテるんですが、モテ過ぎるが故に大変な事になっちゃってしまってる主人公。


廻 CV:高峰 にっと

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可愛らしく控えめっぽいような印象を受ける顔立ちなんですけど、意外に活発で人付き合い良くて明るい。自分を神様とか言い出した時には、中二病サイコパスなのかと。←
いや、ENDでの真実を見ればそれどころではなかったけど。マ、マジかーっ!でした。
優しいENDに慣れ過ぎてると、マイルドな方にいきがちで駄目ですね( ̄▽ ̄)

七科 征花 CV:美藤 秀吉

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登場時から最初の方までの良い人ね~っぷりが、こうも凄まじく変わるのかな人物。
歪みっぷりと人の話聞く気なさすぎが最上キャラ。
あの超笑顔でこれでもかな暴力と繰り返す洗脳ワードが引くわ怖いわ痛いわで、私の変な呻きがまたしても。←どんだけ呻いてるのか
攻撃力と突き抜けた闇っぷりの見せ方が一番濃かったです。

 

切止 笑太郎 CV:佐野 裕理

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キャラでは一番好きです!彼も彼でミチルくんへの求め方が色々問題ではあったんですが、あの出来事を除けばすっごくいい子じゃないですか。あの後もちゃんと謝ってるし。中々に若いのに理解度が深くてフォローもあって良いなぁと思います。…まあ、また何が切欠で豹変しちゃうかは分からないかもな…とかも感じますが(疑り深くなる作品)。
嫉妬心でグッと声音が低くなる所がゾクッとしますが、恰好良いなとも思ったり(おい)。

 

羽石 ほとり CV:更科 真都

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本編では深く掘り下げられていないんですが、ミチルくんに対しあそこまでの行動を起こす程の廻くんへの想いとか、そこまでに至る過程などがもっと見たかったなと。
サブエピソードではつばさちゃんを気に掛ける所などがあり、印象そこまで悪くはないんですよ。ミチルくんにやった事はダメダメですけど!
それにしてもサブエピソードのラスト、あの後どうなったのかが非常に気になる…。

 

羽石 つばさ CV:麻倉 ひよこ

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2つあるサブエピソードの一つに登場。ほとりくんのいとこなんですが、この彼女ってcream△さんのかみ棺の前作品【つばさヘブン】のヒロインだーっと、途中で気づきました(鈍)。
【つばさヘブン】は以前実況動画で偶然見かけた作品で、全部のENDは怖くて(笑)見てないんですけれど、結構スプラッタに真っ赤だったのを覚えてます(;・∀・)因みに【つばさヘブン】は主人公の先生がクズの極みな不倫×ヤンデレホラーです。
こちら、ほとりくんとの会話でちらりと狂気の片鱗を覗かせるんですが、ラストが怖っ!!!ってなりました。いや、距離感とか色々どうやって!?っていう恐怖ツッコミしながらホラー映画のラストか!!って慄きました。←ビビり
彼女の電車内でほとりくんに語る言葉「不正解の選択も、自分で無理矢理正解に捻じ曲げちゃう」は、この作品のキャラ達の恋情の形を全て表してるようだなと思ったり。

 

四条 夏霧 CV:酒井 和人

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こちらもサブエピソード2つの内の一つで登場。一番平和なエピソードだった気がします。柔らかな雰囲気で笑太郎くんの恋をそっと応援って感じで。
出番少ないんですけど、ビジュアルが今作の中で一番好きかもしれない(メインちゃうんかい)。いや、寧ろ彼の恋人さんがより一番好み…(ほんの少しなのにスチル凝視したw)

 

 

それでは!