ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

オランピアソワレ 全体・キャラ別感想1 オランピア/璃空/時貞/縁

Switch【オランピアソワレ】の感想です。

 

※ネタバレありなのでご注意下さい。

 

 

オランピアソワレ

©2020 IDEA FACTORY

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これは
辿り着いていたかもしれない
もう一つの話の物語 

公式サイト

www.otomate.jp

PV

youtu.be

OP

youtu.be

物語

【白】の少女が舞うと夜が遠離る。

自らを「オランピア」と名乗り、
人形のように微笑むこともなく、
人形のように舞い續ける彼女を
人々は敬い、恐れていた。

命よりも色を重んじる天供島で、
彼女はたった一人しか存在しない色を持つ。

稀少な【白】を途絶えさせないために
ここで18歳を迎えた彼女は交配相手を捜さねばならない。

『天女島で産まれた貴女は特別なのです』
『この島のどんな色の男でも自由に選ぶことができます』

過去の出来事から外界との交流を拒んでいた彼女は
亡き母の言葉を信じて一歩を踏み出す。

本当の自分を愛してくれる者を見つけるために。
自分が求める魂の半身と出逢うために────。

 

全体感想

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魂の半身と巡り逢って、
   愛し愛された時、
      私はその人の────

日本神話と日本史、有名な神達と史実の人物達、そして現代文化、そこからオリジナルテイストを落とし込みミキシングさせた作品。ニルアド製作スタッフ陣。
バラバラな時間軸の世界を上手く融合させ作りこまれた多くの設定、そこから動き出すキャラクター達の魅力はメインからサブまで抜けがなく、惹き込まれます。
神と色を重んじ、『色』からピラミッド型の上下関係で成り立つ社会階級で創られ、築かれた旧いしきたりの中に生きている人々の島を舞台にしているのですが、見ているとかなり狭い小さな空間の中にいるような錯覚を覚えます。実際、真相がわかるとああ、成程なものであるんですけれど。
流れ着く漂着物からの文化情報を模倣する事で発展していたとか、天供島と天女島のみしかなく、その向こうに行く事は適わないとか。
マレビトが日本の史実人物達であるのが解るのですが、共通で流れ着いた小瓶の手紙が『2020年東京』とあるので今はリアル現代日本の時で繋がっているのかと思えば、天草四郎時貞などはかなり前時代人物であるのに、流れ着いて数年など、謎も多く溢れ出てくるストーリー。
そういった謎部分も面白いんですが、それらがどういう事なのか、そのほとんどの事が一気に判明していくのがラスト攻略になる朱砂ルートになるので、他攻略キャラクターのルートでは未解決のままENDで、心にもやっとしないでもなかったかなと。
個人的にはそういった面でも、各攻略キャラのシナリオの盛り上がりには差を感じました。要は朱砂ルート美味しいけどちょっと狡いなぁ!みたいな(笑)。コドリアのルパンルートでも思った、ガツッと持っていかれた感。センターはやはり強いのか。いや、朱砂はそれがなくとも恰好良かったですけど!←

共通ルートがかなり長く、個別に入るまでひたすら選択肢もないまま読み続ける形式。いずれもボリュームもあって見せ場も山場もしっかりとあり、同じ流れのハンコシナリオがなくて大変面白かったです。
オリジナリティに溢れ絡めまくった設定である為、理解していくだけで大変な所を置いてきぼりを感じず、ゆっくりと馴染ませ知れる良い流れだと思いました。
そこに生きる者たちそれぞれの立場、役目、思想、現状の島の背景などを、屋敷に閉じこもったまま世間を知らずに生きてきた最後の【白】の舞姫たる少女が、伴侶を得て子を成さなければいけない事から外の世界に飛び出す。
そこから旧いしきたりが根付く島の現状を知り、己の意思を持って考えるようになって『変えたい』と行動を起こす時点で個別スタート。この入りは好ましかったです。
前述しましたが小出しの謎と秘密が多く散りばめられているのだけど、ロックのあるヒムカ、朱砂ルートまではわからないままの部分が結構ありますので、途中でこれ何の事だったっけ?となったり(記憶力低下中の身にはつらい)。
ふんだんに盛り込まれた設定は魅力的で、それらが絡み合うメイン、サブキャラ全員が引き立つものであるのですが、広がりは良いけれど畳み方は攻略キャラルートによりやや消化不良を残すものも。
複雑な設定ながら上手く融合させているんですけれど、特にBADENDなど一部唐突で面食らう。いきなりどうしてそうなる、みたいなお口あんぐり展開や、首捻りたくなるものとか。衝撃シーンではありますけどあまり深みがなくて浅い印象。
カットされてる感があるというのか…結末だけこうなったよ、でさっくり見せて終わられたBADがちょこちょこあって、その暗転の間に何をどう思ってこうしたのか知りたいんですけど!というものとか、後はこのキャラで今までの言動からこうするか?とかそういう納得いきかねる結末があります。
特にBADEND側によく登場するキャラ達(叉梗、柑南、海浬など)のそのBADENDの時の心情であるとかはもう少し詳しく描写してほしかったかなと。ただえげつないだけ、不快感残すだけになってたりと、作りこまれてるキャラであるのにいきなりそれだけ?ってENDが何だか残念でした。
でも良いBAD(良いってのもおかしいけど)もありました。個人的にはBADなりに心に残るものが多そうな作品ではと思っていたので、実際の多くは突飛さと内容の薄さが浮き立って今一つだったなぁと。そういえばニルアドのBADも同じ感想だったわ(;^ω^)

気になったのはストーリー進行や描写が丁寧ではあるのですが、回想セリフが事あるごとに再生されるので、多過ぎて丁寧を超えてくどさを感じます。ちょっとした時間ロス。一々全て再生しなくてもって思う程多い。道摩の呻きとかどんだけだって程の大量再生。私が道摩ならもうやめてくれってなる(笑)。
それから白夜の驚き照れ表現の「きゃあっ!」ですが、これもちょっとどんだけ~♪なイッコーさんツッコミが止まらなかった(途中でツッコミも飽きた程に)。
ちょっとしんどいなと思ったのは階級制度がかなりのものなので、特に上の階級の人間の下卑た台詞が不快感凄かったです。交配に関わる事とかも結構下品な口になってる人もいるから、眉潜めてしまったり。
後、これは完全個人的なものですが、色の呼び方。全体この作品って基本音読みが多くてたまにめんどくさっ!とかなったの私だけでしょうか(お前だけだ)。
だってー、【赤】なら【あか】でええがな。【青】なら【あお】でええがな。【黄】なら【き】で…ってゴレンジャー思考になるんですよ昭和人間は(笑)。
【黄緑】も【おうりょく】ってオシャレ(?)過ぎて。きみどりで変換出来るぞ?(そこが問題ではない)【青紫】なんて【せいし】って読めん。【あおむらさき】の響き好きなのにーとか(知らんがな)。
私、プレイ前の最初「あかのあかざ」って読んでましたよ。あははははー。←

夫、交配ワードなどから恋愛というか性を強く出してくるものなのかと思ってましたが、ただ単に恋愛色を表すものではなく、ヒロインたる少女が無垢から恋や愛を知るだけでなく、この世界や社会そのものを知り、考え、思いを同じくする者達と変革を起こしたい、役目を見出し動き出す物語だったかなと。
攻略キャラ達もそれぞれ出生に秘密があるものが多く、時に悩み、迷いながらも自身がどうしたいのか、己のすべき『役目』とは何かを見出すもので、そこで『魂の半身』を愛し愛され得る事で歩み出す、と。
一見恋愛ワードが夢みがちな甘いふわふわ感のあるものなんですが(失礼/笑)、蓋を開けてみるとシビアな面があって先が楽しみな展開が多くて飽きませんでした。
魂の半身というのも、結ばれると【白】たるヒロインの純白の髪が相手の『色』に染まる設定は、正に『貴方色に染まります』みたいで、いやこれ、あっまいな~って乙女ゲームとしてはニマニマ要素(笑)。ここまでやってくれると『魂の半身』ワードもドリーマー過ぎだろってならない。
でも恋愛面はヒロインの白夜が相手を好きなるのがどれも割と急。個別入ってちょっとしたらもう意識する感じで「え、早いな!」ってなる事ありました。
だって特に朱砂とか玄葉とか璃空とか、初対面印象は冷血、チャラい、堅物みたいな事思ってて、夫?ないないない!!とかだったのにワンアクションでドキッみたいな事が多かったからこれがどうもな~とはなりました。
でもシチュエーションは萌え満載!見せるスチルも良いし、しっかり甘さとドキドキなポイントを抑えてくれていて良かったです。
懸念していた設定から避けられない情事のシーン、ニルアドで言われていた無理にでも入れないと!みたいな捻じ込みノルマエロ感はなく、ストーリーの流れに沿った無理のないものであったと思います。
どれもシーンは糖度高く、描写も艶っぽく。それぞれのキャラにより甘さもバリエーションも多く満足ー( *´艸`)←

キャラクターはメインからサブまで非常に魅力的。攻略キャラはタイプも様々なので、好みに合うキャラが誰か一人はいるんじゃないのかなと思えます。
また、絵師さんがさといさんなので恰好良いし美人だし、服のデザインなんかも個性的なのにセンスが素晴らしくて素敵です。声優さんもこれまた豪華。サブキャラのキャストでは個人的に速水さんと沢城さんがご出演なのが嬉しかったです。
日本神話でお馴染みのイザナギイザナミ、アマテラス、スサノオヒルコ…等々も面白く絡めてきており、史実人物の天草四郎、慈眼(天海)、道摩(道満)などが神話の神達と同じ世界にいるというのが興味深く面白かったです。
扶桑さんや枡花など、立ち絵がないキャラも多くいるんですが、出来れば欲しかったなと思う程皆さん良いキャラクター。後、カメリアと明日羽が可愛い過ぎる♡
全員バックグラウンドがしっかりしているので愛着がわきやすかった。まあ、薙草なんかはコイツどうしようもねぇなっで終わりましたが(笑)。
マスコットキャラクターの白鼠さん達も賢く可愛い。だいふく以外はあまり活躍の場がなかったのが勿体ない。
攻略キャラは6人で、プレイ前の好みで言うなら玄葉>朱砂>縁>璃空>ヒムカ>時貞でしたが、プレイ後は玄葉と朱砂が同じくらい好き!!で二人推し。
いや、朱砂はセンターヒーローなので優遇されてるルートでもありましたが、キャラとしても思った以上に良かったです。玄葉はもう声と共に私の好み(笑)。
特別枠では道摩さんでしょう!!もうこの方は隠し玉かっ!!ってくらい萌えツボでした。高速で転がりました(邪魔)。ホント、かっこええ…。

スチル、グラフィックは文句のない美麗さ。多くの色を使っておられるのですが、目に優しく疲れません。
白夜のテキストアイコンの豊富さも良かったです。服装髪型の変更もきちんと描かれているの嬉しい。ヒロインってあまりバリエーションない事が多いので。髪の色が変わっている時もちゃんと見せてくれる細やかさが嬉しい。
曲、BGMも合っていてシーン使用も邪魔にならず良い盛り上げに。

システムはSAVE画面が分かりやすく、ロード時に苦労がない。END回収時も楽々見やすかったです。
後、もう何度も言ってますが、次の選択肢まで既読ジャンプは全搭載してほしいなー。スキップは早い方でしたので快適ではありましたが。
ニルアドでもありましたが、手記のサービスはサブキャラもありで豊富。本編になかった補完的心の裡が明かされているものがあるので、特にサブキャラの手記は良かったです。ですけど本編でももうちょいその部分見せてほしかったかなとも。攻略キャラの後日談はかなり甘くて幸せに浸れます。

余談ですけどよく出てきて都度笑えるんですが、お婿さん候補の噂で【黄緑】の薙草様って出ると、どのルートでも白夜が大概(それは…誰?)が多くて笑えた。←

惜しい部分、もう少しこうして欲しかったという部分もあった作品でしたが、魅力も甘さも十分詰まったものでした。
繋がっていく真相も明かされた真実もどれも展開に目が離せなかった。
FDがあれば是非!というかこれから解決していくのだろうという課題もあるので、完全補完も含めて次の展開が欲しい、それぐらい楽しめた作品です。萌えも多くて充実プレイ出来ました!

 

 

キャラ別感想

オランピア:白夜/主人公

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【白】 【白】の少女が舞うと夜が遠離る。

本名が白夜って最初言い難いなって思ったんですが、攻略キャラの皆様方が大切そうに呼ぶので直に気にならなく(単純脳)。
女島での悲劇により、幼い頃に道摩に引き取られて以降、18の誕生日を迎えるまで外の世界を知らずに屋敷内で育ってきた少女。美人可愛い容姿とかなりのナイスバディ。特に胸が…何カップだろう(野暮)。着痩せするタイプですかね(余計なお世話)。あの柔らかそうで豊満な胸さわりたい揉んでみたい。←攻略キャラ達に殺される
訳ありの箱入り娘さんなのですが、思っていたよりは好印象。奥ゆかしい系かと思ってたんですが、割とはねっかえりの意地っ張りで元気がいいギャップが良かった。
世間知らずのヒロインと言えば状況を考えず無茶無鉄砲、感情的で我を通す的な言動が目立つタイプが見られたりもするので、ややそこが心配でもありました。
感じ方は人それぞれだと思いますが、彼女はそれらの懸念を左程感じる事はなかったです。確かに時にイヤイヤする子供みたいな発言など、全く無いわけではないんですけれども、苛々する程の事はなかったですねー。
オランピアという立場的な制限があったせいもあるのか、それなりに屋敷で教育を受けてきた賜物か、待て待て待て、馬鹿なのか!?っていう考えなしなものは見られませんでした。
ある程度突っ走ってしまう事もありますが、世間を知らなかったが前提もあり、『島を変えたい』という目的行動はある程度必要だと思うし、じっと大人しくしてたらこの話進まないと思いますので、その範囲を超える悪目立ちは感じなかったです。
自分の世間知らずを恥じたりするシーンもあるので、ちゃんと知ろうとする物事を考えられる娘さんではないでしょうか。私は好きです(*'ω'*)
黄泉での枡花ちゃんとの会話など、うるっとしましたよ。「貴女の髪は、雨の日の海の色ね。私はとても好き」なんて言われたら嬉しいわ。ええこやん…っ。
玄葉ルートで扶桑さんの事にしても「終わりを、死を、待ち望んで欲しくはなかったのよ。生きて…欲しいの」とか、するりと出る言葉に結構グッときたり。
若さ故の未熟さもありながら、くるくると元気よく動き可愛らしく、そして見せる優しさと前を見つめる強さが魅力なヒロインでした。そういえばスチルの方が大人っぽいですよね~脱いだら凄いしで本当、触りた…(黙れオヤジ思考)。

 

璃空 CV:島﨑 信長

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【青】 故に彼女の花婿には──なれない。

ヒロイン以上にヒロインで賞。←
口を開けば「屋敷へお戻り下さい」「お立場を弁えて下さい」な堅物さんなので、あー、はいはいって感じで受け流す白夜が可笑しかった(笑)。
プレイ前はクールで冷静な印象だったんですが、とんでもなく真面目で誠実、ピュアで恋に不器用な優しい青年。
白夜が璃空の舞を見て、彼と知らず憧れを持つ所から始まってくるんですが、舞のべた褒め賛辞に自分とは言えず照れまくる姿とか、ハンバーガー大好きでこっそり隠れて食べてるとか、プレイ前印象と違うギャップにお?ってなる可愛らしさが。
そういえば璃空がだいふくにハンバーガーあげて話かけてる姿を、こっそり見ている白夜が彼の言葉に一々心の中でツッコミ返事してるのも可愛く微笑ましかった。

拔の力が強い為、次期【青】の長になることが幼い頃から決まっている璃空は、優秀な【青】の血を残すために30歳まで身を潔白に心身の成長を…って事らしく(しかし30って長いな)、そうなると【白】しか産まれない白夜とは婿候補から外れちゃうし、保護者の珠藍大姉がバックで艶然と絶対零度で微笑みながら睨みきかせてるしで(言い方)、中々超えなきゃいけないものが多い雁字搦めルート。
最初、璃空は真面目故の勘違いから、白夜があちこちの男を相手に品定めでもしている浮ついた軽い女だと思っていて、友人である朱砂までも…ってなってカッとなり、節操のない女だとか酷い言葉を投げつけてしまうんですけど、それも後で知れるんですがこの時には既に心惹かれ始めていたっぽいんですよね。でもそういうの、このシーン時に描写しておいてほしい。思わず蹴っ飛ばしたくなったがな!(やめなさい)
しかもここでの朱砂の一喝が格好良過ぎでして、「彼女を侮辱するな!!」の怒れる声に痺れてしまい、思わず朱砂に意識が持っていかれた(笑)。
でもその後は誠実に謝罪してくるんだな。そういう曲がってない真っすぐな所が許せてしまう人柄。
そこから白夜の舞を見たり、直接その人となりを知っていく上で距離も縮まっていき、お互い惹かれるのはもう明白なんだけれど、役目や決まりなどままならない事ばかりで擦れ違い、素直に好きだとも言えず拗れていく二人にやきもき展開。
璃空との恋愛は【青】の色濃い血を残すが故の剥発症が多い問題と、色層違いで結ばれる事による罪のハズシの問題が絡んでくるんですが、ここに出てくる恋人達、刈稲と沙波や【赤】の皐月と【乙】である与儀のエピソードは見ていて本当悲しく辛い。
璃空は本音はハズシの制度は間違っていると思いはすれど、軍人の立場から現状従うより他ないし、【青】として恩義ある珠藍大姉や叉梗の期待に応えなければいけないしで、友である朱砂や玄葉達と共に志を同じくして立ち向かっていけないもどかしさとか、色んなものに挟まれて生きてる感じが苦しそうでした。
でも白夜の向き合う姿勢を見て自分がどうしたいのかを見出した時、強く男らしさが増していく所はおおっ、と。
審問の場での堂々とした告白であるとか、本人には言わずに先にそっち!?(笑)って思いはしたものの、成すべき事、成し得たい事の為に【青】を降りて黄泉に下る決意すら宣言する彼のこのシーン、恰好良いではないかーってなりますとも。
しかし審問の場で道摩さんが拔の力があるから、「璃空と婚姻を結べば、より良い力のある子が望めるかもしれぬ」とかのフォローとも取れるくだりの言葉で、ここで白夜が訝しんで何故?やはり私を憎んでいるのね~云々となるのはちょっと察しが悪いなって思う。道摩さん、言い方冷たいけどあれはどう聞いてもフォローでしょ。たまに頭良いのか悪いのかわからんわ、白夜(;^ω^)

そんなこんなで黄泉に下って清々しい璃空さん(笑)。白夜とも、もうここまできたらほとんど想い合っているって感じなのでくっつくかと思ったら「今の俺では無理だ」「お前に相応しい男になりたい」とか言い出したよこの真面目青年っ。←えーってなるわ
いや、本当清く正しく美しくな宝塚かって人なんですが、いい加減まどろっこしいっ!(笑)
でもまあ「長くは待たせない。少なくとも、10年なんて待たせない」「俺がそんなに待てない」とその後は甘い想いを吐露してくれたので良しとしよう(上からだなオイ)。
そして島に二人の事が知れ渡り、周囲の目がある中でも堂々と誠実な愛情を向けてくる璃空、吹っ切れると強いタイプなんだなー。ギャップ良い。
白夜が璃空のあまりの変わりっぷりに(貴方…どうしてしまったの?)に笑ってしまったけど。

璃空が実はハズシの子だって真実につながってる告白は吃驚。
「この世界の誰よりも【青】でありたかった。この世界の誰よりも【青】であらねばならなかった」が、これまでの葛藤が伺えて、今までの言動の一つ一つ、どれも苦く思い、律し、悩んで苦しんできたんだろうなと。
でももう洗いざらい全部告白して触れたい、抱きしめたい、口づけたい、とかなっても「汚したくないから俺の前から消えてくれ」って言い出すのには まだぁ!?ってなった(笑)
奥ゆかしすぎる!!白夜の方が男らしいんですけど(;^ω^)
しかしながら何だかんだでキスまで漕ぎつけ(言い方)、もう一度口付けたいけどこれ以上はもう抑えきれないから早く中へ戻ろうとか言いながら、やはり戻る前にもう一度だけ…って即撤回には可愛いがな!笑えるけど!(おい)
「では!おやすみ!」が大好きですよ(笑)。ホントかっわいいなー!どうにも笑いが止まらない(失礼)。
中々進展しないわ、縁やカメリアのお膳立てすら逃げを打つ璃空に、遂にヒロインの立ち位置逆転で「私はもう待てない」とか璃空を押し倒す白夜には、どっちがヒロインなんだ状態。
「私にこうして触れられるのは…嫌?」「い、嫌なわけ…ないだろう…っ」ってもう台詞が逆なんですけど!(爆笑)白夜も男知らないとは思えない積極性で、情事せっつくのはどうなのよとは思った。思ったけどこれは仕方ないか。だってなぁ…こうでもして煽らないと、本気でいつになるやらわからないよね、彼の場合(笑)←笑うしかない
一応、この後はしっかり持ち直して攻めてくれましたけどね、璃空。ああ、何かホッとした…あのまま受け身の攻めだったらどうしようかと。

この璃空ルートのラスボスたる叉梗さん、終わらせ方としては割とあっさり。
でも璃空の彼に対する想いと優しさが表れていた結末でもあり、彼らしいなとも。

で、結局の所、あの波が意思を持って叉梗を呑み込もうとして、白夜が人が変わったように波に命じて収まったのはどういうこっちゃ?なままでしたがどうなんですかあれ(誰に聞いてる)。

 

BAD:美しい徒花/最初で最後の手紙

美しい~は愛する者を喪い、遺された女性二人が終焉を待つEND。珠藍大姉が叉梗を彼が自分の半身だった、に吃驚でしたがこの展開もちょっと予想外。でもって何か足りなくて呆気ない。
最初で~は綺麗って言ったら変ですけどBADが映える切ないBADだったなと。璃空の語りも心にきます。

 

天草四郎時貞 CV:上村 祐翔

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【緑】 貴方様の尊い御声はいつ私に──届くのでしょうか。

こちらもヒロイン以上にヒロインで賞(また)。
子供っぽいようで大人っぽい、その内包を持つのは天草四郎だからなのかな危うさと繊細さの持ち主。
共通から悩み抱える翳りを見せる彼は、本当に傷つきやすくてギリギリの揺らぎの中にいたんだなってシナリオでした。結構重かった。自殺までしようとするシーン、処刑された首の痕を見せて嘆き叫ぶ慟哭などは、心が痛く突き刺さる。
同じマレビトの慈眼、道摩も既に史実通り亡くなっているんだけど、一度死んで島に流れ着き、再び生を受けて何らかの『奇跡』を起こしており、時貞にも…って島民達の期待がかかってしまう。
でもその力を起こす事が出来ず、生前の繰り返しに悩み、此処に居る事の意味を見出せない、いつまでも余所者でしかないと、白夜を好きになっていてもいざ、ってなると怯えるように引いてしまう。
最初は明るく親しみあるもので、気軽に白夜に好意を前面に出してくるんだけど、【緑】の長に言われたからって婿候補に申し込んでくるのにはちょっとそれどうなん?と思った。まあ、それだけじゃなくてちゃんと自分の気持ちもあるんだとか言ってましたけど。そこんとこもう少しきちんと出して欲しい。長に言われたからって婿候補申し出直後に正直に言うのは、個人的に今一つだったんですけど。
長に勧められたからだけでなく、ちゃんと自分の気持ちとして白夜を好きだっていうのはその後伝わってきましたが、両想いになったらなったで自分は『奇跡』も起こせないはぐれ者なのに、彼女の半身なんて…みたいに一気に気持ちが後退してしまう時貞。
何とも煮え切らないんですけど、柑南と薙草にあれだけ心理的に追い詰められてたならそうなるわなぁ…って。泣きたくもなるよね。生前も苦しんで処刑されて、また生を受けて同じ苦しみの境遇。これ柑南って本当どのルートも苛々させられる立ち回りですが、時貞のルートは特にクズい。質の悪さ極まれりで嫌になる。ヒールとかであの澄ました顔ぐりぐり踏んづけたい。←

無事くっついた後は…のベッドインなんですけど、しかしながらこちらもこちらで璃空に続き白夜が積極的という( ̄▽ ̄)
いや、とても箱入りで人と話した事すらも碌にない純潔の乙女とは思えない。めっちゃ余裕な対応で嘘やんってなった(笑)。あのスチルって普通逆じゃない?(二回目)恥じらい男子が連続。どうした男達!(笑)
そして大変申し訳ないんですが、時貞のキスの吐息漏れがどうにもこうにもBLの受っぽく聴こえて複雑な心持ちに…(;´∀`)
元々好みからは外れるのですが、全体的に時貞は繊細さが突出していて萌えはなかったです。でもシナリオは良かった。

 

BAD:狭間の恋人達/世界が終わるまでの夢

狭間~は心中みたいなもので、結構予想のつくBADだったんですが…世界~が!!全く予想外で、私口あんぐり開きましたよ!!(閉じなさい)
いや、エグイ。というか柑南って白夜好きだったんかいって事にも吃驚でしたが。いきなりのこの展開は唐突だなぁ。
普通に寝取るだけでなく、両者に薬を盛ってお互いの想い人へと映させて身体を奪わせ、その情事最中に傍らで好きだと囁く柑南の衝撃スチルに目が死んだ魚になりそうでした…( ̄▽ ̄)
これ、薬切れたらどうなんの。白夜なんか精神破壊されそうだけど。そしてEND後のえぐえぐ泣いちゃってる時貞の語りに、違うねんって!泣いてる場合じゃない!と一々返してる主婦一人。だって!考えてよ!いきなり居なくなるのおかしいでしょ!?

 

縁 CV:内田 雄馬

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【紫】 悪いのは──【白】である君だ。

 名前…「えにし」って読んでしまうわ、るろうに剣心思い出すわで、プレイ中に何度も「えに…(るろ剣思い出す)じゃない、えっと…よすが?」と若干脳内たまにプチパニック(笑)。しかも都度あちらの縁さんの顔が出るカオス。
プレイ前はもっとSっぽい意地の悪い色男かと思っていたんですが(酷い)、風流で雅な一枚の絵になりそうなミステリアスな佇まいに、黄泉の湯屋の主という地獄大夫の異名も持ち、恐れられる怖さも備えつつやんわりとした広い視野と目配りや気配りのきいた、恋愛面もドーンとこいな(言い方)大人の良い男でした。
艶のある仕草はどの立ち絵ですら指先まで優雅であろうと思わせる色男。内田さんの演技と声がまたマッチして魅力溢れる男性。
言葉選びも上手だし、共通や他ルートでも時に世間に疎い白夜を揶揄いながらも柔らかな甘やかしが心地良い、『お悩み相談出来る、歳上のお兄さん』みたいな感じ。助言や面倒見の良さが端々まで行き届いてる。サービス業向いてる人だなぁと(どんな感想)。
【紫】でありながら黄泉に住まい、黄泉を守る姿に何やら秘密がいっぱいを匂わせていたんですが、剥で全滅した【紫】の唯一の生き残りで長の息子だと。しかも発症原因は縁のお姉さんで、一族内で感染を食い止めようとして報告しなかった結果、逆に感染拡大を引き起こしてしまい、【紫】は縁を残して土地ごと燃やし封じ込める無残な結末に。
隠蔽した事で悲劇をもたらし、他の一族まで危険にさらしかけた一族の贖いとして、縁は黄泉に落ち、そして一生交配を禁じられ【紫】を残すことを許されない身だとか。
うーん、これって縁はこの時離れていたので何一つ知らずの惨劇だったのに、幼い彼一人に全部負わせ、一族根絶を言い渡す処罰っておかしくないか?って思ったんですけど、これも結局ドロドロの上下階級差別と愛憎と悲劇が裏側にあった事が後々発覚してくるので、かなり重苦しい展開でした。
最初は叉梗と珠藍大姉がお姉さんの仇かと思っていたら、実は前【青】の長の非道な仕打ちと分かり、二人が前長を剥発症に見せかけて殺した…って簡単に言ってしまうと顛末はこうなんですが、それまでのそれぞれの絡み合う複雑な感情と過去が超しんどい。
縁のルートはお姉さんが受けた色層身分による男からの蹂躙があるように、天供島に普通に蔓延る女性への性行為強要問題なので、眉を顰めたくなる不快MAXなシーンが結構多い。うっえーって何度なったか。結構この作品、言葉も容赦ない。
身内があんな理不尽な目に遭えばそりゃもう復讐したくなるって思う。「この世界の醜いことを引き受けるために、僕はあの黄泉にいるのだから」って昏い憎悪を揺蕩わせる姿は痛ましいんですけれど、そういう面も縁の魅力の一つであると思います。

恋愛はこんな秘密を抱えている彼だし、交配は禁止されているしで前途多難なわけなんですけれど、するすると大人の逃げ方で白夜の好意からかわすのかと思っていたら、意外にやんわり押してきた印象。
思わせぶりだったり甘く距離を寄せてきたり、かと思えば引いてもみたり、でもって【白】は【紫】の男の憎む相手だとか言い出すわで、心惹かれてる縁に翻弄されまくってる白夜がちょっと不憫。
途中で結局どうしたいねん、縁ちゃん…(ちゃんて)と唸りたくなる進んで戻ってやっぱり進んで?みたいな二人の恋愛は、璃空とまた違ったもだ焦れで早くくっつけ!見てるこっちがしんどいから!(←)なる心の叫びが出たり(笑)。
いや甘めな彼は色っぽくて、シチュエーションも絵になるし良いんですけどね。「そんな真っ白い君の全てを奪うのは、一体どんな男だろう」の台詞の時なんか、艶溢れんばかりで吐息絡める内山さんの演技がすげーわ、ってなってましたものです。耳ご褒美ですよあれ。

縁が白夜に惹かれていくシーンシーンは結構好きです。前を向く強さを見せられると弱いっぽいのかな。
何も出来ない、何も知らない自分を恥じながらも奮い立ち、受け身ではなく自分が望み伴侶を得て子を持ち、【白】の長となって取り戻す!って生き生きと役目を見出す彼女にハッと息を呑んでる縁が印象的でした。
この時の白夜は確かに未来を見つめていて良かった。落ち込むだけでなく、学び吸収していく姿が彼女の良い所だなと。
後、滅多にないけど照れると可愛いですよね縁って。滅多にないから可愛いのか。白夜の告白に動揺して密かに照れまくる時なんかすっごいニマニマしてしまった(笑)。
幼い頃に貝殻交流した事を、思い出してもらいたくてカマかけてはガックリしてたり拗ねたりしてる姿とか、普段の余裕さがなくてギャップもあり。ずっと大事にしてきたんだって、いじらしさが縁のイメージと違っててまた素敵ですよね~。

肌を重ねるシーンはさすがっていうか、漸くっていうか…(笑)。いや、前プレイ二人が白夜攻めっぽい始まりだったから、縁はピシッとエロく(←)決めて欲しかった気持ちがありまして。
期待裏切らないエロ甘攻めで安心しました!←どんだけ心配してんの
でも縁のスチルは顔が髪に隠れている事が多くてちょっと勿体なかったなー。

サブキャラのエピソードも泣けました。心がないはずのカメリアの涙とか、「人間みたいで…───うれしいな」って台詞は泣かされたっ…( ;∀;)
勝山さんも意地悪ばあさん(おい)かと思ってたら良い人だったし。
叉梗は気持ちは分かるが縁にした事はどうなのよ、と思いはしましたがね。この人もう投げやり感覚で開き直ってるからなー(;^ω^)もうちょい土下座でゴッツン、二人に額擦り擦りする程謝り倒せっ!て思ったりはした(もうちょいの領域かそれ)。

まあでも最後の嬉しそうな縁の破顔スマイル見ると、幸せそうでいっか!って思いました。
憎しみを糧に燃ゆる彼も恰好良いとは思いましたが、やっぱり浸れるぐらい幸せになって欲しいですね!(*´ω`*)


BAD:女王蜂/月夜の咎人
女王蜂は叉梗の策略で縁を人質に取られ、自由にしてほしいなら―と研究の為に日ごと違う男と交配する日々。性格がガラッと変わってしまっていて、まんま女王様です。スチルが妖艶で不謹慎ながら恰好良い。
これは予想出来たBADではあるものの、心が壊れてしまうとかの展開ではなくて、いつか縁を救ってみせるという決意を胸に秘め、今は耐えてみせようって強いものでした。縁もEND後の語りで諦めていないし(叉梗への殺意と憎悪半端なかったけど)、BADではあるんですが絶望しきったものではないので好きです。
月夜の咎人は憎しみの衝動のままに叉梗を殺してしまい、処刑の未来しかない。ならば愛する白夜の手で殺されたいと、最期に身体を重ね──、そして白夜は身籠り縁の晶と共に天女島へ帰るというEND。
これ…肝心の命潰えるシーンはカットなんですが、彼女の剥の力で縁の命を終わらせたって事で理解でいいのかな?いや、そう望んでたんだけども…あれって発狂したくなる程の激痛ではなかったっけ?あの道摩でさえ手だけであんだけ叫んでたのに、実際のとこ縁がどうだったのかと思うと壮絶なシーンしか浮かばなくて、切なさもなんも吹っ飛びそう(考えるな)。

 

それでは! 

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see you next time!