ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

白昼夢の青写真 感想

Switch『白昼夢の青写真』の感想です。

 

※伏せている部分もありますが、ネタバレ含みます。NGの方は以下より閲覧にご注意下さい。

 

 

白昼夢の青写真

©Laplacian

こんなにわたしを愛してくれて、ありがとう───

 

公式サイト

laplacian.jp

ティザームービー

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ABOUT

世界と呼ばれた少女の物語───

この物語は、世界に全てを捧げた少女と一人の青年の純愛物語です。

ランダムに開始される三つのストーリーは、最後に一つの物語に収束されます。

最後の一文を読み終わったときに、簡単には言語化できない感情が
プレイヤーの中に残るよう、ビジュアルノベルという表現媒体の特性を駆使して、
狂おしい程の純愛物語を追体験できるように作りました。

全体感想

PC(18禁)ゲームからの移植作品。ショップサイトで偶然自動オススメ一覧で目に止まり、絵が綺麗だなーと興味を持ってクリックし、あらすじストーリーに惹かれて予約購入しプレイ。
もうこれ…シナリオ凄い。とにかく凄い。構成力とか全部凄い。どうやったらこんな話をここまでまとめ上げられるのかと、ひたすら感心。
抉られるように切なく、理不尽さと究極の苦しみと辛さに打ちのめされます。
オープニングの男性の不思議な語りかけから始まり、CASE1~3のランダムに始まるそれぞれ全く別々のストーリーが始まるんですけど、時代、設定、キャラが全て違っており、それらがCASE0に収束されて真実が明かされる───といった形なんですが、このCASE1・2・3が単独でも十分面白い。面白いのにこれらがCASE0へ繋がりゆく夢の中の話とされているのが何とも贅沢。そしてこの3つの物語が一体CASE0へどう繋がっていくのか、どういう意味があるのか、違う人物でありながら白髪と赤い瞳が共通するヒロインが出てくるのは何故なのか、全く先が読めない中、それらが明かされるCASE0の展開がまた衝撃と重さのオンパレード。ここまでの展開は予想出来なくて、ひたすらしんどさMAX。それでなくとも特にCASE1・2は辛いお話なんですよ。3はまだ明るさの残るものではあるんですけど、基本的にこの先に光が見えないんですけど!みたいな流れが多い。
それぞれが魅力あるお話の中、それらがCASE0へ向かい見せられ、行き着く結末は感情どこに持っていけばいいのかといった余韻の大洪水。
キャラクターも魅力に溢れており、全てのヒロインは個性的で性格も全く違う存在でありながらキュンキュンきます。私全員大好き。すももちゃんはお友達に欲しい(*´ω`*)

CASE0は科学的な難しい話も出てくるので、ちょっとこの部分長いと理系苦手も苦手な自分には(・A゜)?だったんで、中弛みしましたけど(笑)。シュタゲプレイした時の事思い出した。でもまあ苦手部分はふんわり読んで理解出来ました。結構大事な事でもあるんだけど、専門用語話してくると眠くなる…(駄目人間あるある)。
これら踏まえても真相とかかなり色んな事を調べられて作られた気がする…調べてもこんだけの話考えつくの凄すぎ。どういう頭の構造されてるんだと思う。
驚くべき真相とその深い構成に息が漏れました。

立ち絵も豊富でスチル差分も動きに合わせて細かく変わり、何より絵が美麗!背景も綺麗!色の使い方がいいな~と。とにかくヒロインの可愛さは全員堪らないです!

CASE別ヒロインは全員浅川悠さんが演じられてらっしゃるんですが、見事に演じ分けられておられるので、やっぱ声優さんって凄いな!と思います。代わる代わる切り替わって話すシーンがあるんですが、ちゃんと違ってて凄ーっ!となりましたもん。
浅川さんに断られたらこの作品ボツにするつもりだったのには驚きましたけど。
ボツにならなくて良かった…。

お話は1本道で、結末は1つ。選択肢は前半にあるにはあるんですが、質問を順に選ぶだけの為のものなので、分岐ENDがあるわけでもないから読み進めるノベルゲームです。
CASE0を終えれば各エピローグ、おまけシナリオ解放です。
もうエピローグ最高でした!!CASE0は細かな事で疑問がなくもなかったんですが、まあそれでもこの締めは最高に良いものであったと思います。
後、おまけシナリオはかなりコミカルちっくで笑えます。私こういうの好きなんで、欲を言えばもうちょっとあっても良かった。キャラ変わってるの大いに良い!(笑)
メインは超重シリアスなんですけど、極々たま──────にボケツッコミ会話もあるのが何気に良いな~と思ってたので、このおまけで発揮しまくってるのがオススメ。

音楽も最高に素敵で、それぞれOP、ED変えてるんですよ。BGMも良いし、曲全部良いしでなんだこのゲーム!サービス良すぎじゃない!?ってなります。

正直ここまでしんどいと思わなかったんですけど、心に色んな感情が押し寄せる最高に素敵な物語でした!
コレクターズBOX買ったので、特典も楽しもうと思います(*´▽`*)

 

※以下より各CASEストーリー感想です。一部ネタバレもありなのでご注意。

 

CASE-1 波多野 凛

あらすじ

有島芳は45才の非常勤講師。
かつては小説家を目指していた有島だったが、大学時代に出会った波多野秋房という先輩との筆力・人間力の差をまざまざと見せつけられ、その夢を捨てた。
今は編集者である妻の侮蔑の眼差しをうけながら、代わり映えのない毎日を送っている。
ある日、有島の大学時代のゼミの教授が他界。
有島は告別式で、自分の勤め先の学園の生徒の姿を見つける。
その女学生・波多野凛は、大学時代の有島から筆を奪った波多野秋房の娘だった。
告別式で会ったことを機に、有島と凛は図書館で言葉を交わすようになる。
「あなたの書く文章を、私は読みたい」
凛が有島に投げかけた言葉は、かつては妻が言っていた言葉だった。
生徒への背徳的な恋心と、冷め切った夫婦関係への諦め。
その狭間で有島はもう一度筆をとり、書き始める。

CHARACTER&CAST

波多野 凛 CV:浅川 悠

柊英学園付属に通う文学少女。亡き天才作家の娘。儚げで妖艶。

 

有島 祥子 CV:三宅 麻理恵

有島芳の妻。編集者。夫婦仲は冷え切っている。

 

有島 芳

柊英学園付属の非常勤講師。小説家の夢を捨て、無味乾燥の日々を過ごす。

CASE-1 OP

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CASE-1感想

一番生々しさがあるストーリーでした。
将来なりたいものを目指し、才能の無さに挫折し諦め、只々流れるように淡々と波の無い生活を送る。年齢を重ね、身体にもガタがくる自分を枯れたように見つめる毎日の主人公、有島。
な、なんか色々グサグサ刺さるんですけど…!!!( ;∀;)イテーッ
若い頃って夢見る職業とかあり、それになりたいって向かってみる頃あった。そう、才能ないわって諦めた。中途半端で宙ぶらりんの自分を嘆いた事あった。
歳からくる腰痛とかさ、何かこの乾いた中年のリアル描写は何だろうか。いったいわー(笑)。
まあ夫婦仲はおかげさまで良いんですけど自分(誰もそんなもん聞いとらんわ)。
でもですね、ずーっと思ってたんですけど有島先生とその奥さん。
なんでもっと早い内にとっとと離婚しないんだ???
同じ家に住んではいるけど、一緒に食事や会話どころか顔を合わせるのもあまりないっていう、別居とほぼ変わらない状態がずーっと長い。
子供はいないし、お互い仕事はしてるから収入あるし、背景的に離婚すると不味い何かをしょってるわけでもない。
ほんでもって奥さんは若い作家と不倫でしょ?不倫するなら別れりゃいいやん。しかもいくら夫婦仲が冷めきってるとはいえ、夫が不在時間帯に家でイチャコラって…お前はどっかの誰かか!←オイ
で、夫に言葉の暴力凄いし。そこまで小説家になるの諦めた事、クソミソに言うほどの事かな?と疑問だらけ。有島先生が小説を久しぶりに書いたの知ったらコケにしまくるし。この奥さんの事がさっぱり理解出来なかったです。
まあ、有島先生もそこまで負い目に感じる事かいなと思ったし、凛に惹かれ始めた気持ちを誤魔化すように奥さん無理矢理抱いちゃった事、確かにそれはアカンがな先生…それやらんかったら慰謝料有利に取れたのに(そっちかーい)でしたけど。
いや、この夫婦すっごい違和感あってよくわかんなかった。
それもCASE0で成程ねーではありましたが。

教え子の凛との恋愛は実際問題、凛みたいな若くて綺麗なコが、中年の人生にくたびれたおじさんを好きになるっていうのはまあ奇跡レベルの話なんだけど(言うな)、小説という繋がりからくる出会いと、世間から弾かれてる疎外感が同じな所から惹かれ合うのは割と納得出来るものでもありました。
凛は大人びて小悪魔的な面もありつつ、年齢相応な幼さもあったりで、そのバランスが魅力でした。先生の事で奥さんになんか負けたくないっていうのとか、可愛いなーって思いますもん。そりゃ先生もあんだけ懐かれれば傾くわな~。年齢差凄いけど。うーん、あんだけ年下に恋愛感情…親子程…いや、えー…?(想像すんなや)。
ですがね、そんな気持ちを否定したいばかりに凛を傷つけるシーンはちょい引く。
普通に最低だぞ?
45歳が真っすぐな十代の恋心を感情的に怒鳴って殻にこもるってお前ー…先生だろ一応!ってしばきたくなったわ。

そこから途中で自殺した波多野秋房の日記を読む事でシンクロしてしまい、破滅願望に向かっていく様はちょっとこちらまで病みそうでした。ノルウェイの森読んだ時の事思い出した。
結果的に凛の存在で自分を取り戻し、くっついて良かったねーではあったんですけど、そこでまたまた一波乱…。
なんとなくそうじゃないかと思ってたんですけども、言っていいかな?
一回くらいでそうならないだろうの見込みはマジ甘いよ凜ちゃん!
そして先生、せがまれたかもしれんけどせめてアレ無かったら中じゃなくて外だって!←
と、プレイ中説教したくなりましたオバサンです。

ハラハラしましたがエピローグで安心しました。渡辺さんグッジョブ過ぎる。
つーか、渡辺さんが一番めっちゃ良い男だった(笑)。
全体、文学的な言葉の表現が多かったのも印象的でした。有島先生が凜に諭す、「自分の感情、小さな悲鳴に鈍感にならないほうがいい」っていうくだりが好き。

 

CASE-2 オリヴィア・ベリー

あらすじ

ウィリアム・シェイクスピアは、盲目の父と二人で酒場を営んでいる。
ウィルには“完全記憶”という特技があった。
店に立ち、各地から集る客の話を全て覚え、それを題材に作話し、ロンドンの劇団に密かに販売していた。
その売上げを足しにしてもなお、父を介抱をしながらの生活はギリギリ。
大した食事もさせられず、日に日に父が弱っていく中、父は久し振りにある食べ物を口にした。それは当時のイギリスでは最高級食材の鹿肉だった。
ウィルは父に食事をさせるため、ある貴族の庭に忍び込むが、呆気なく捕まる。
とらわれたウィルの前に現れたのは二人の貴族、オリヴィア・ベリーとハロルド・スペンサーだった。
家主であるスペンサーは即座にウィルを処刑しようとするが、オリヴィアはウィルを奴隷として身請けすることを申し出る。
オリヴィアは座長を務めている自分の一座でウィルの脚本を買ったことがあり、その才能に気付いている舞台役者だった。
時はエリザベス朝演劇全盛期。女性が舞台に立つことは硬く禁じられていた。
だがオリヴィアは男装して密かに舞台に立っていた。女性が座長の一座。そんな一座に優秀な役者が居着くはずもなく、オリヴィアの一座にははみ出し物の役者ばかりが揃っていた。
オリヴィアはウィルに、自分の一座に脚本を書き、劇団を存続させれば命は助けると提案。
ウィルは酒場の切り盛りをしながらオリヴィア一座の座付き作家を始める。

CHARACTER&CAST

オリヴィア・ベリー CV:浅川 悠

演劇を深く愛するテンブリッジの貴族。勝ち気で男勝り。

 

ハロルド・スペンサー CV:喜多田 悠

テンブリッジの貴族。オリヴィアの婚約者。快楽主義者。

 

ウィリアム・シェイクスピア

盲目の父と二人で酒場を営んでいる青年。完全記憶の持ち主。

CASE-2 OP

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CASE-2 感想

まさかまさかのシェイクスピア!?と驚きの主人公だった。国どころか時代まで違うんですが、これまた面白かったです。
何といってもオリヴィアの「あなたのルールはわたし、わたしそのものがあなたのルール」といった俺様ジャイアン発言女王様っぽさ、サバサバながらも女らしい所もあり、強さの中に弱さも見せるとか、何だこのツンツンデレデレな可愛い人!ってなります。
この作品、全体的にメインの登場人物が少ないんですけどCASE2は一番登場人物が多い上に全員面白い人達が多い。そしてウィルが普通にボケてオリヴィアがツッコミという会話も読んでいて面白かった。
時代的に奴隷制度や女は役者になってはいけない、カトリック狩りがあったりと、厳しいものではあるんですが、なにくそと這い上がって結束していく過程が非常に気持ち良かったです。
最初はやる気なかったオリヴィアの一座の二人も、交流を経て最終的には心の変化を起こして和気藹々な所は良かったなぁ。微笑ましい。
嫌なキャラもいるし、仲間の死もあるし、時代が許さない歯がゆさなどありながら、立ち向かっていく強さも見せる。特にオリヴィアの毅然とした姿は最初から最後まで綺麗でした。
姉御的ではあるんだけど、ウィルがいい感じで折れたり強気に出たりするのも二人の良いバランス。オリヴィアって甘える時はどちゃくそ可愛いんでギャップ好き過ぎる。
ツッコミ加減も好き。浅川さんのツッコミ演技上手いわー。

そういやスペンサーのキャラが濃ゆっ濃ゆで笑っちゃったんだけど、あれは何故にあんな言葉遣いにしたんだ(笑)。拍手送りたい!
ルー大柴とジャニーさん足したみたいな感じ。
美しければOKな変態性癖なんだけど、本編はともかくこれがエピローグすっごく活躍してくれるんで、必見だと思う。
めっちゃ持っていかれた。悔しい(笑)。
おまけシナリオはエリザベス女王とキキの話が面白かった。もっと見たいな~。

エピローグは一番好きかも。あのスチルがまた素晴らしい。

 

 

CASE-3 桃ノ内 すもも

あらすじ

飴井カンナはガレージにひきこもっている不登校児。動かなくなったキャンピングカーを自分の部屋にしている。その車には、亡き母との思い出が詰まっていた。
母を亡くし、カンナは学校に行く意味を見いだせなくなった。
母がいた頃、父が変わってしまう前、三人で過ごした時間───
カンナにとって、動かなくなったその車は、楽しかった過去そのものだった。
そんなある日、教育実習生の桃ノ内すももがガレージを訪れる。
「学校、おいでよっ」
その呼びかけを無視しても、すももは怯まない。ペースを乱さないすももにカンナは苛立ちを覚え、すももを追い返す。
その夜、キャンピングカーの中で眠ったカンナは懐かしい揺れと温もりを感じて目を覚ました。「母さん……?」気がつくと、カンナはすももに抱きしめられていた。
車は動いている。状況が全く飲み込めないうちに車は停まり、運転席から誰かが降りた。
車を盗まれたことに気付いたカンナは、 窃盗犯・松風梓姫の目を盗んでアクセルを踏み込む。無免許のカンナが運転する車はさんざん暴走した挙げ句、停車。炎上したアジトから出てきた梓姫はカンナからハンドルを奪う。
「わたしはオマエの無免許運転にひかれかけた。もっと言えば愛車をスクラップにされた上に住まいも燃やされた。面倒ごとが嫌なら、わたしをしばらくかくまえ」
自称スクラップハンターの梓姫は、カンナに条件を突き付ける。機を見るに敏なすももは、たまたま居合わせたこの好機を逃さなかった。
「じゃ、あたしも!カンナくんが学校に来てくれないなら、今日見たこと全部誰かに話しちゃうかも! あたし口軽いから!」
にんまりと笑うすもも。不敵に微笑む梓姫。カンナの静寂な日常はあっけなく崩壊した。
退路を断たれ、年上の女性二人に手綱を捕まれたカンナの新しい生活が始まる。

CHARACTER&CAST

桃ノ内 すもも CV:浅川 悠

鳴山公空学園付属の教育実習生。明朗快活でさっぱりとした性格。

 

松風 梓姫 CV:三宅 麻理恵

自称スクラップ・ハンター・梓姫。レトロカーを愛する収集家。

 

飴井 カンナ

鳴山公空学園付属の二年生。カメラマンを志す不登校児。

CASE-3 OP

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CASE-3 感想

最初もっと無茶する奔放な自由人ってイメージだったんですが、結構しっかりしていて考え方もおおらかでありながら大人な面も持ち合わせている、素敵な女性でした。服も可愛い。名前もすもも。可愛いの塊。
っていうかこんな教育実習生可愛すぎないかい?いや、教育実習生の時は地味に変装してたけども。

しかしこの作品のヒロインすっごい巨乳多い(笑)。凜はグラマーだけど程良い大きさ、オリヴィアとすももはでっか!と思った。胸の部分だけサイズ違ってきそうで服選び大変そう。

スチルが背景と共に一番綺麗だなーって思ったのが多かったです。とにかく本当にスチル見惚れる美麗さ。
カメラマンを志す主人公なだけにすももの綺麗な瞬間を切り取るシーンが素敵だった。

CASE中一番優しさ成分のあるお話でした。苦しくて辛い展開がほとんどの作品ですが、こちらは主人公の成長が描かれていて、爽やかなアオハル恋愛っぽさがあり、ちょっとほっこり。一時の別れはあれど、再会は約束されたようなものでありましたしね。
といっても他のCASE1と2もエピローグでしっかり決着されてるんで、どれも完成度高い。本当に贅沢さを感じる。

こちらも掛け合い漫才みたいなボケツッコミ会話が多くて面白かった。キャラが一番明るかったから余計楽しく過ぎていくお話でした。梓姫さんが良いキャラです。

おまけシナリオがこちらも面白かったんですよ!っていうかおまけシナリオは全部面白いけども(笑)。すももちゃんのツッコミが冴えわたる感じ。こっちもルー語ネタくるのが最高(爆笑したわ)。
いいな~こういうの用意されてるの大好き。

CASE-0 世凪

あらすじ

主人公・海斗は記憶を失った状態で目覚める。
憶えているのは、目覚める直前まで見ていた鮮明な夢のことだけだった。
真っ白な部屋には海斗の他に、自我を失った白髪の少女・世凪がいた。
軟禁状態下で海斗は、自身の夢を記録されていることと、その夢の記録が世凪の救いになること、さらに、記憶を失う前の自分が、自らの意思でこの環境を望んだことを知らされる。
物語のように進む3つの夢を記録されながら海斗は、夢の進行に応じて世凪がゆっくりと自我を取り戻していることに気付き、自身も積極的に記録に協力するようになる。
3つの夢を見終わったとき、軟禁されていた施設から世凪が姿を消す。
海斗は実験の成功を知らされ、最後の夢の世界───“失われた自身の記憶”を追体験することで、世凪と自分の物語を思い出していく。

CHARACTER&CAST

世凪 CV:浅川 悠

自我を失った白髪の少女。成熟した身体ではあるが、言動は小さな幼子のよう。

 

出雲 CV:三宅 麻理恵

羊型のロボット・リープくんといるアンドロイド。牛乳粥(ポリッジ)が得意。

 

遊馬 CV:杉崎 亮

地下都市に住む人類の移住先として、仮想空間を研究している人物。海斗の指導者。

 

海斗

記憶を失っている男性。軟禁状態で見る夢を世凪と共有している。

CASE-0 OP

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CASE-0 感想

CASE1~3を終え、次々に紐解かれていく真実がどうしようもない苦しみと切なさと哀しさを伴い、更にこれでもかとばかりに海斗と世凪に圧し掛かる、信じられない過酷な運命に翻弄される物語でした。
酷いわ、泣くわ…!
マジで何も悪い事してない二人なんですよ。懸命に生きて、前を向いてひたむきに愛を育んで、一緒にいたいと願ってるだけなんですよ。
それがどうしてこんな理不尽なめに遭わなくてはいかんのかと、憤りも超えてその重さに呆然としたくなります。
人権すらないんかという状況は、この先読むの辛過ぎるぐらい辛い展開の連続。
彼らの置かれている時代、環境、降りかかる運命。その全てが弄ばれてるかのように負の方向へ向かってしまっていて、何の呪いだよと。
必死に世凪を救うために取った海斗の選択、それすら報われなかったの?といった形だし、それでも優しくある海斗と世凪の深い愛情が綺麗すぎてしんどい。
真相の中に更に隠された真相。それが絶望過ぎて取るべき道を決めるシーンは何だこれ…!勘弁してほしい!ってなりました。もう本当頭抱えたくなるどうしようもなさ。
「世界と呼ばれた少女」ってこういう事なのかと思うと抉られる。一個人が世界なんて呼ばれるのはロクでもない展開っぽいなと思っていたけど、これが…!?って。
世凪を救えたかと思えばまた違う悲運が待ち受け、突きつけられる真実は誰を恨めばいいのかってくらい。
「あなたの求めたわたしになれなくて、ごめんね。わがままばかり言って、ごめんなさい」なんてもう笑顔で言われちゃ何も言えんわ…!って。寄り添い、静かに流す海斗の涙するシーンが辛かった。

結末、迎えるエピローグは世凪の事に関してはやや疑問が残る部分もあったんですけど(単に私の理解が悪いせいかもしれない)、とにかくホッと息が吐きだされた感じ。
エピローグ前に最後だからと現れるそれぞれのヒロイン達の告白、そして最後にやっと海斗が救いたかった世凪に束の間会えるシーンが泣くしかない。頼むよ!綺麗すぎるのよ!って。
演出も、各CASEでの重なり具合の見せ方も良くて、だからこそ心にくる物語でした。
とてもとても切ないけれど素敵で綺麗な純愛の形が見られました。ありがとうございます!

余談ですが、出雲とリープくんはセットで可愛い。欲しい(欲しがるな)。
おまけシナリオは海斗のキャラ壊れてて笑ってしまった。あれじゃ悪人だよ(笑)。しかし入間さんってマジ良い人だな~。

 

 

それでは。

see you next time!