ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

パラノマサイト FILE23 本所七不思議 感想

Switch『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』感想です。

 

※真相等のネタバレはありませんが、物語に触れた上での感想なのでご了承下さい。

 

 

 

パラノマサイト FILE23 本所七不思議

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《蘇りの秘術》を得たくば、

公式サイト

www.jp.square-enix.com

ローンチトレーラー

youtu.be

プラットフォーム

Switch™/Steam®/iOSAndroid ※いずれもダウンロード販売のみ

あらすじ

ごく普通の会社員・興家彰吾は、友人の福永葉子とともに、
深夜の錦糸堀公園で、地元では有名な怪談、《本所七不思議》について調べていた。
《蘇りの秘術》と関係するという葉子の話を半信半疑で聞き流していた興家だったが、目の前で次々と奇妙なことが起こり始める‥‥。
時を同じくして、《本所七不思議》を追う人々がいた。
連続変死事件を追う刑事、クラスメイトの自殺事件の真相を求める女子高生、そして失った息子の復讐を誓う母親。
本所七不思議を中心にそれぞれの思惑が絡みあい、物語は凄惨な呪い合いへと発展していく。

登場人物

◆興家 彰吾:福永葉子に巻き込まれて、秘術探しに協力する会社員。

◆福永 葉子:愛犬の蘇生の為に秘術を探す、不思議大好き女子。

 

◆櫂 利飛太:東京都大田区に個人事務所「アオサギ探偵堂」を構える私立探偵。

◆志岐間 春恵:事件で亡くした息子の為に、蘇りの秘術を求める主婦。

 

◆逆崎 約子:不審な自殺を遂げた、親友の秘密を追う高校生。

◆黒鈴 ミヲ:優れた霊感を持っている高校生。

 

◆津詰 徹生:ある事件の捜査中に、七不思議の呪いに巻き込まれた警部。

◆襟尾 純:津詰警部と共に不可解な現象に巻き込まれる、警視庁捜査一課の刑事。

 

感想

面白そう!という事で、悩んだ風に見せかけて(誰にだよ)発売日に買う気満々だった作品。の割には今頃プレイかよっ!てツッコミは自分で入れておきます(←)。Switch版でプレイ。で、クリアしました感想を短く言えば…

怖さと謎と面白さをふんだんに詰め込んだ、極上のホラーミステリーアドベンチャーゲームでした!

昭和後期の東京都墨田区を舞台に、江戸時代にその地域一帯(本所=現・東京都墨田区南部)で語り継がれてきた【本所七不思議】の伝承、それにより齎された呪影出現によって《蘇りの秘術》を使う方法とその為の呪いの力を得て呪主(かしりぬし)となった男女9人が、その禁忌の秘術を求めて呪い殺し合う展開に…みたいな、目も当てられないストーリー。
いやあ…そんなにビビらされないだろうと、謎に偉そうに舐めまくってたんですが…

めっちゃ怖いやんっ!!!

でした(小者感)。本気で「ひぃっ」となるわ、肩ビクゥッ!と跳ねるわで慄かされました(所詮チキンハート)。
オカルト演出とバイブレーションの使い方、360°背景の視点移動が思った以上に上手くて。開始そんなたってないくらいで「いやいやいやいや、怖、怖い怖い、こっっっわ!!!」と意味もなく背後振り返った(笑)。←ビビりすぎ。
途中で慣れてきましたが、前半ぐらいはどう出てくるのかさっぱりわからなかったし、皆様のお亡くなりの顔がですね、まためっちゃ怖さを引き立ててくるんですよ!まさに呪い殺されましたなお顔がね!夢に出たら不眠症になるレベルだと思う( ̄▽ ̄|||)
でもミステリー要素とキャラの濃厚さが面白くて、気が付けば怖さもかなり落ち着いてました。慣れればいける( ´∀`)bグッ!


序章から思いもよらない急展開に驚愕しつつ、そこから謎のストーリーテラーが入って本編。メインになるそれぞれのキャラのシナリオを進めていくと、徐々にそれぞれの事件の真実が紐解かれていき、一つの核たる真相へと繋がり収束されて覆る結末が待ち受けている。
その追跡と流れが目を離せないほど面白い!!後半なんかワクワクハラハラドキドキ大冒険状態!(大冒険はしとらん)
しかしながら途中BADは結構凄惨なので、天を仰ぎたくなりました... ( ノε:)ノ

全体、レトロな昭和の雰囲気が堪らない。背景もそうなんですがキャラ絵のタッチや彩度を落としたセピアがかったような色、暗色の不気味さが不穏な雰囲気を包ませて不安感を抱かせられます。上手い。
カメラワーク、アングルも良かったです。色んな角度、アップ、遠近法などなど、ちょっとした動きもつけられて画に退屈を感じさせない。動画とも違うんですけど、手法をこらしていてキャラが生き生きとしているように見える。こういった静止画だけでない躍動感みたいな変化のあるADV増えてきて嬉しい。作品内の昭和時代に沿いながらも、今の技術を活かして新しみのあるものになっているのがプレイしていて楽しさを持てるなと。

そして何といってもこの作品のキャラの魅力がとんでもなく濃い!!クセになるような珍味感!!(褒めてます)
キャラ同士の会話のテンポというか距離感というか、掛け合いボケツッコミ具合が抜群にセンス良くて面白い!!!凄く好みでした!
これがあったればこそ、ただホラーなだけでない味わい深さ、バランスが絶妙に取られて旨味がじゅわじゅわっとしみ出して絶品になっている感じ。
キャラデザも良くて、今作の雰囲気にピタリとハマる。絵の魅力もあって加味されてます。

シナリオが大きくは上記の登場人物イラストのバディで進むんですけど、マダム&探偵、女子高校生、刑事、それぞれ持ち味が違う会話が繰り広げられて、凄惨な呪い合いで陰鬱な雰囲気を放ちつつ、このちょくちょく挟まれるコミカルコント具合に笑いが零れる。特に刑事バディ。津詰警部のツッコミの返しセンスが素晴らしすぎてずっと聞いていたくなる(笑)。
「オレ、今日もずっとボスの敏腕っぷりにシビれっぱなしですから!」
「おうそうか奇遇だな。俺もお前のスレスレの態度に痺れっぱなしだ」
と、こういう応酬がスラスラーと続くので飽きない。何気に「ボス」呼びも昭和生まれにツボる。昔の刑事ドラマ(太陽にほえろ思い出したわ)好きだった人、絶対刺さると思う。
そうキャラでは私、津詰警部最推しです!お茶目さと哀愁ありつつの渋さが魅力(*´ω`*)
マダムと探偵バディも好きだった。マダムの春恵さん、憂い虚ろ顔なまま素で天然な所あったりするんで、静かなる圧もあって怖さもありながらおちゃめ可愛かったりするんですよ。探偵さんのやりとりは見ていて微笑ましかったりもする。静かなる怪物感を醸し出しながら可愛さも感じるってどんなん!?なんだけど、そういう女性なんです。彼女のけだるそうな「まあ…」「ねえ…」とか大好き(笑)。
終始キャラの良さが際立っていて最高でした。バディ好きにもオススメ!(´∀`)/


プレイしていく中でツボを突かれまくったのが昭和時代を思わせるあらゆるアイテムがズラリ。BGMも昭和生まれには懐かしい~っな曲調があるし、コレクションのなめ鳥とか!元ネタ『なめんなよ』のなめ猫ですよね!好きだったー!(≧▽≦)そして鳥好きとしては犬とかではなく鳥にしてくれた事が超嬉しい!っていうかあのなめ鳥欲しいっ。めっちゃ可愛い!あったら絶対集めてる!←いくつだよ自分。

操作性はシンプル。チャート形式で進みます。途中BADは数があるものの、物語は1本と言えるかな。
難点だった所は資料や人物などに関する情報コンテンツの文字数多すぎて、読むの結構大変だった事と、攻略サイト見ないと中々に難しい難易度に感じました。私は元々完全見る派なのですけど、見ないでやってる部分も今作はあり、何回か詰まって攻略サイト見ましたが、これはわかんないよ難しっ!と思った事がありました。ヒントはあるんですけど簡潔なので操作性がやや迷子になったりした事も(単に私が不器用なだけとも言えそう)。なめ鳥コンプは絶対に攻略見ないと無理だと思った。見ても「どこだって?」ってなったのある(笑)。



真相ENDに関しての畳みかけと収め方、見せ方はそういう事!っていう回収の仕方と伏線にギミック、そして始まりから結末へ向かい、スタート地点へ戻り完全着地へが成程ーって。ここまで巻き込まれていたのか感。やや強引さもあったけれど、一周回ってストンとハマる、そんな面白さがありました。

お求めやすい価格でこの満足感は凄い良ゲーム。
『春ゆきてレトロチカ』もとても面白かったですし、スクウェア・エニックスさんへの期待が高くなりました。
キャラがこれで終わるにはもったいないくらい良かったので、また違った物語で戻ってきてほしい気持ち。続編出たら買いますよ!
はー、怖面白かった!ありがとうございます!

 

ホラー小説続けて読んだ後にこれなんで、マイ世界がホラー風味です(嫌すぎ)。
それでは!

see you next time!