ゲームは悠悠閑閑

ゲーム(主にADV)感想備忘録

岩倉アリア 感想

Switch『岩倉アリア』の感想です。

※一部ネタバレ。真相など重要なネタバレはありません。

 

岩倉アリア

©MAGES.

罪を犯したのは、誰?

公式サイト

game.mages.co.jp

PV:第1弾

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PV:第2弾

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STORY

少女は、縛り首の運命(さだめ)を待つ
1966年、夏。

中学卒業後に就職した会社を辞め、路頭に迷っていた16歳の少女・北川壱子は旧華族の紳士・岩倉周と出会い、北区西ヶ原にある彼の屋敷で住み込みの女中として働くこととなる。

そこで世話をすることになった、周の娘・岩倉アリア。
神々しいほどの美貌を持ち、自由で気ままな彼女に翻弄されながらも、その魅力に徐々に惹かれていく壱子だが……

アリアの奇妙な言動に、ふとした瞬間に気付く違和感。
気味の悪い視線に、血まみれの──

「この屋敷は、何かがおかしい」
「お嬢さまは……いったい何者?」

近づくほど遠くなる、わたしの『初恋』。
1999年を生きる、壱子の人生を決定づけた……あの夏を、今、思い出す。

愛憎渦巻く人間模様、
女性同士の強い絆を描くリアルファンタジー・サスペンス アドベンチャー

Character&Cast

北川 壱子 CV:鈴代 紗弓

養護施設育ちの十六歳。
中卒で建設会社に就職したものの、一年余りで退職。
うまくいかない人生にうんざりしていた最中、裕福な紳士・岩倉周と出会い生活が一変する。
過酷な幼少期を経て、大人びた考え方を身につけてはいるものの、感情面では幼さが目立つ。
絵を描くことが好きで、女中としてやってきた岩倉家で絵画の技術を磨く機会を与えられる。

 

岩倉 アリア CV:中村 千絵

北区・西ヶ原の広大な屋敷に住む少女。
神々しいほどの美貌を誇り、他人を寄せ付けない冷たいオーラを放っているが、壱子以外の客人には愛想がいい。
身体が弱く、小食。自宅学習で育ち、屋敷からほとんど出た事がない。

 

岩倉 周 CV:森川 智之

アリアの父。旧華族出身の、裕福で穏やかな紳士。
貿易関係の会社を経営しており、日々を忙しく過ごしている。
知り合ったばかりの壱子の境遇を心配し、女中として岩倉家に迎え入れることを決めた。
娘のアリアを溺愛し、甘やかしている。

 

宮内 スイ CV:本多 真梨子

岩倉家専属の料理人。実家の洋食屋で働きながら、毎日岩倉家に足を運び、アリア達の食事を用意している。
明るくさっぱりした性格で、壱子、アリアと同い年ながら、頼りになるお姉さんのような存在。

 

感想

わたしは、彼女に恋をした

世間から隔離されたような豪華な屋敷の中で起こる、美しく妖しく、歪みと狂気と秘密を孕んだ物語。

オールクリアした感想としては、面白くもありましたが、心に刺さるほどではなかった、色々惜しかったなといった気持ち。
要は主人公の壱子が受け入れられるかどうか。これでかなり変わったようにも思います。
すみませんがぶっちゃけ私、この主人公好きにはなれませんでした!(笑)
もうちょい何とかなりませんでしたか!?って何度も思ったわ。本当、ここが一番残念。

リアルファンタジーサスペンスとあるように、絵画のような美しいグラフィックに魅惑的で謎めいた少女とその娘を深く溺愛する父親の存在や百合要素、世界観に合う音楽、全体幻想的な雰囲気を持ちつつも、カルト部分も含めて人間心理のあらゆる沼めいたドロドロさを丁寧に描写されており、そんな中で徐々に明かされていく隠されていた秘密など、コンパクトなプレイ時間の中で一風変わった小説を読んだような気持ちでした。
少々耽美というか詩的な文章もあり、雰囲気ゲーっぽさもあり。また、真相なども明確に答えを示されているわけではなく、プレイヤー側に考察させる部分もあるのでちょっとここの部分がわかったようなわからんような、合ってるのか違ってるのか?と、首を捻る事も(そりゃ私がアホだからだとも言える)。
振り返れば細々伏線っぽいものも散りばめられているので、真相は振り返れば「あれってそういう意味?」と思い至る事も。合ってたのかは知らんけど(知らんのかい)。後、考えてもさっぱりわからない部分もあり(笑)。
結局プレイ後に考察書いてくれてる方の記事を読んで答え合わせしにいきました。ミステリー作家・道尾秀介先生の「いけない」や「きこえる」の時にもしたなぁ(考察力に自信のない女)。
まあ公式がババーン!と解答を出してるわけじゃないので確実とは言えないかもしれないんですけど、部分部分のアリアの隠されていた大きな秘密はそういう事なんじゃないのかな~みたいな事は知れると思います。
END数は10個。ほとんどBAD。結構嫌悪感と胸糞さのあるEND多かったんで元気のない時にやらない方がいいを推奨。私は何個かドン引きました( ̄▽ ̄||)ヒクー♪

百合があるのは知ってたんですけど、女性同士の恋愛がメインというわけではなかった気がします。それを含めつつ、人間の昏い部分を映し出していき、籠った殻から脱却の心に変えられるかどうか。なような…多分(多分ってなんやねん)。
百合要素は思ったよりしっかりあり。アリアとスイの二人で分岐ENDあり。
アリアとはセクシャルな関係までいった描写も。すぐに暗転なので匂わせまで。
私、これまで百合にはさっぱり興味持てなかったんですが…変わらず気持ち乗れませんでした!(笑)アリアちゃんもスイちゃんも可愛かったんですけどね!
っていうか壱子が無理だとなんもかんもが無理な気がする(どんだけ)。

ハッピーエンドでも多幸感溢れるというものより、紆余曲折を経て今があるみたいなものなので、この辺りもBADの内容含めてのリアルさ部分なのかな。ファンタジーさもあるけど現実感も合わさってる。
何かですね、爽やかスッキリー!幸せになってよかったね!って感じが薄い。こう、人生の疲労を経た後のぼわんとした幸せかな(なんだよそれ)。
あ、でもスイENDはそうでもないか(どっち)。実は一番好きなENDってスイENDです!スイちゃんの告白シーンめっちゃ可愛い!そこだけは案外百合もちょっとはいけるかも!?と思った(偉そうだなオイ)。
あの時の壱子とのツッコミが好きです。まあ、壱子を好きになる事はなかったんだけどね…(また言うとる)

残念な部分としては、グラフィックは文句なく美麗なんですけど、キャラの設定にもう少しグラフィックを盛り込んでほしかったなと思いました。
スイの料理シーンは多々あるのに全くグラフィック無し。美味しそうな描写が出てくるのにさっぱりない!せめてあの例のラズベリーパイぐらいは何とかならんですか?と。
後は肝心の壱子の描く絵。少ないっ!プレイ前のPVとか観てて結構期待してたんですけど、この絵がきっかけで雇われ、アリアと親密になれたという重要な設定にも関わらず、予想以上に少ない。写生帖に簡単な鉛筆画数枚。しかも重要な油絵も2枚だけで、ものすっごく小さ~く出てくるだけ。
せめても終盤の肖像画くらいアップで見せるべきでは!?とツッコミ。
ほとんど人物と背景。といってもそれはそれで美麗なので文句なく目がご褒美なんですが。
庭師の青年と吉野さんも立ち絵欲しかったですね~。出番多くないけど重要な人達だし、公式には庭師さんの全身あったから勿体ない。

途中から暴かれる秘密、そのまた真相と、中盤までフラットでやや退屈な所もあったんですが、明かされていく秘密から変化していく出来事と、終盤にかけてはどうなるのかが楽しみな読みごたえのあるストーリー展開でした。
ただ際立って衝撃さや感動といった、残るものがあまりなかったんですよね。
異質さ、歪さ、醜さ、狂愛、不穏が渦巻く遮断された広大な屋敷。そんな中で美しく純粋さもあるけれど、翳りある濁りも併せ持つアリアの魅力は素敵でもあり、父親の周を含めて取り巻く人物達も引き立っている。
特に周。一見良い人全開そうなのに、絶対胡散臭い(褒めてる)が滲みだしている森川さんの色気含めての諸々なる演技はお流石でした。

ほぼ屋敷の中だけというのもありメイン登場人物は少なく、屋敷の主人たる周と令嬢のアリア、それに仕える女中・壱子含む極僅かな使用人(守衛・庭師・運転手)と外部からのサポートの料理人スイと周の美人秘書・吉野ぐらい。
なので壱子の言動が余計目立つっていうか、いやそんなん理由にならんわ。
壱子がどうしても駄目な理由。
まず彼女、女中なんですよ。使用人なんですよ。プライベートな部屋もなんもかんも掃除なども任されてるわけですよ。
吃驚するほど躊躇なく他人の私物を漁る行為にドン引き。
箱やら色々見つければ、中身が気になったら即パカパカ許可なく開け、気になったら勝手に取り出して見る。
掃除してんのか漁りにきてんのかわからん。
女中に信用問題ってめっちゃ大事だろう!?信頼あっての職種じゃない?女中じゃなくとも勝手に他人の私物を好奇心だけで開けたり取り出したりってのが嫌すぎる。
敬語も何だかグダグダなのも気になった。
16でまだ未熟な若さだからといっても会社勤め一年やってたのなら、それなりに上司への言葉遣い出来ていなきゃいけない気がするんですよ。
私も出来た敬語使えるわけじゃないですが、もうちょっと気をつければ直せる部分ある気がするのになぁと。うっかりとかではなく、このコ自身の仕事に対する気の緩みや引き締める気持ちの薄さが出てる気がして気になりました。
それに加えて口が悪い。特に「クソ」どんだけ言うのかこの主人公。「クソクソクソ!」の連発に「クソ野郎」。
クソカウントしてやろうかと思うほどのクソサービス過剰(いらん)。
いや、クソって毒づきたくなる事もあるだろうしわからんでもないけど(それでも多いけど)、どう言ったらいいかな…全体このコの悪態つく言い方凄く下品っぽさがありまして。悪態に上品も下品もないけど、「ちくしょう」一つで他のキャラが言うのとは何か違うんですよね。一昔前のスケバンっぽいっていうか(スケバンって死語かいな)。
ガラスの爪立てる音、私はどうしても駄目なの!みたいな感覚(説明下手か)。どうにも苦手でした。表情もだけど堕ちBADなんかもう…すっごいよ?←
後、直情的・短絡的で深く物事を考えてないというのか、相手の上辺の奥にある本心なる気持ちを思いやるという事なく、見たそのままで判断しがちで突っ走り妄想で感情爆発。そこ慎重にいかなあかんやろって時も喚く叫ぶで子供っぽさが全開。う、うるさ…っ(←)てなったわ。
頭が恋愛脳お花畑になってる時は「お嬢様…好き好き!」って有頂天なのに、自分が思うアリアと違う姿など知ったりしたら「お嬢様なんて嫌い!気持ち悪い!」などなど、コロコロコロまあ忙しいな!ってくらいの切り替わり。身勝手さたるや苛々を通り越して呆れる。
知りたがって詮索したり探ったりする割にはウジウジ後悔だし文句と不平も多い。自分に甘く誘惑に弱い。大人びた部分があるとはいうけれど、大人ぶってるが正解なんじゃないかな?と。
何故にアリアやスイが壱子を好きなるのかが、私にはさっぱり共感できない。
アリアが壱子を特別に想うその深さは終盤では中々のものなのですが、私は壱子を好きになれないから気持ちが乗らなくて。だからハッピーエンドも今一つ刺さらなかった。

アリアとスイのキャラは好きでした。大人っぽいかと思えば可愛らしい天然な所もあったり、お茶目な面とか。二人共良かっただけに壱子のキャラ作りはどうしてこうなったのかと残念。思ってたんと違う…!(; ・`д・´)でした。
アリアの秘密に関しても面白かったんですけど、もう一つ強烈な一押しがあればパンチ力あったんですけど、そこまでは越えなかった。
真相とサイドストーリー解放でわかる事、恐らくアリアに関する真相、これはあちこち伏線あったので間違いなさそうですが、もしかして壱子はもしやもしや!?と勘繰った事があり、もしもこれが本当であるならばそこをガツンと出してくれたらインパクトあったかなぁと思います。
違ってたら意味ないけど(笑)。「易しい恋の終わり」ってあったしなぁ。勘繰り過ぎかな。
でも真相ラストは「おおっ」となりましたし、世界観もアートなグラフィックも全て丁寧に作り込まれていたので、お値段的にも良いアドベンチャーゲームだと思いました。
やっぱり主人公がさ…(しつこい)

 

 

see you next time!