げーむしたよ!

ゲーム(主にADV)感想備忘録

A Space for the Unbound 心に咲く花 感想

Switch『A Space for the Unbound 心に咲く花』の感想です。

 

※明確なネタバレはありませんが、物語に触れる中で多少の事は書いていますので、NGの方は以下より閲覧にご注意ください。

 

A Space for the Unbound 心に咲く花

©2023 Mojiken Studio ©2023 Toge Productions ©2023 Chorus Worldwide Games

高校生活の終わりと共に、ぼくらの世界も終わるんだ。

公式サイト

chorusworldwide.com

PV(Switch版)

youtu.be

STORY

90年代後半のインドネシアの田舎町を舞台にした、人生の一幕を切り取ったようなアドベンチャーゲーム
超自然的な力を手にした少年と少女の関係や、不安や絶望を乗り越えていくことの意味が、美しいピクセルアートを背景にみずみずしく描かれます。

高校生活が終わろうとする中、ふたりの優しい高校生アトマとラヤと一緒に、自分を見つける旅へと出かけましょう。突然解き放たれた謎の超能力に存在を脅かされ、ふたりは町を調べてまわり、隠された秘密を解き明かさなくてはなりません。そしてお互いのことを深く知り合い、やがては世界の終わりと対峙することを強いられます。

90年代のインドネシア郊外を思わせる田舎町で、愛おしいストーリーに心を奪われ、色鮮やかなピクセルアートの世界を存分に探検してください。

感想

ぼくはこの幻想からきみを救いたい。

インドネシアのスタジオMojiken Studioと『コーヒートーク』を制作したToge Productionsによる、横スクロール2Dアクションアドベンチャーゲーム
東京ゲームショウ日本ゲーム大賞でフューチャー部門を受賞。ファミ通クロスレビューではゴールド殿堂入り。対応機種はSwitch/PS4/PS5/Xbox/PC。コンシューマー機はコーラス・ワールドワイドが担当。
パッケージ版、DL版の両方あり。私はSwitchのパケ版購入だったんですが、サントラCD特典がありました。こちら数量限定らしいです。
因みに私、評価の良い『コーヒートーク』は未プレイです。そういや少し前にいっせいトライアルであったけどスルーしちゃったごめんなさい。珈琲作るってあってちょっと種類とかラテアートだとかあるっぽいみたいだから面倒くさくて…←常にそればっかりか
今作もちょっと悩んでやめようとなって、やっぱりやろう!って買った作品です。
パッケージ絵とは違い、ゲーム内は全ピクセルアートで描かれてます。


ストーリー

若く繊細で柔らかく、傷つけられ続けた末に歪になった心に、それを優しく広く、真っ直ぐな強さと信じ抜く心で包みゆく物語でした。
プレイ前はSF青春FT?ちょっとヒーローっぽさがあるやつ?と、『超能力』とか『終末』とかのワードがあったので、ライト青春ヒーローもの的要素な作品なのかなぁ~そこに若者の悩みとか絡めて解決されていくみたいな?などと、割と気軽な感じでとらえていたんですけれど、プレイ始めてみたらどっこい!(だから古いんだってばよ)結構内容ヘビーでした。
なんていうのか…決して描写はスーパーハードじゃないんだけど、話を進めていくとほんわか若い学生カップル(カップルって言うんかな今)の淡い恋の日常風景から「ンッ?( ,,`・ω・´;)ンンン?」「どっ…え───っ!?」「はっ…?待って、どゆことっ!?」と、ぐるりんちょと一転する謎と変化が普通に怖い。割と人が壊れます。色んな意味で壊れていく様を見せてくれるので、結構くるなぁと。
それぞれメインキャラも最初の印象と違ってきたりするんですが、特にヒロインと呼ぶべきラヤの謎が深まっていき、真相に至るまでと結末までの心証はコロコロと転じてプレイ止まらん…!な怒涛の中盤以降の展開が先を急ぎたくなる面白さでした。
そこから関わってくるメインキャラもそうなんですが、町の人達の抱える心の闇など一つ一つが丁寧に描かれていて、持つそれらもリアル。
長閑な田舎町に合うBGM、何でもない日常風景が穏やかそうでありながら、どこか不安感を醸し出す小さな種がいくつも蒔かれている、そんなざわりと掠めるような雰囲気が全体を上手く包んでいるせいか、そこから一変する『世界の終末』という超常現象への展開に無理を感じさせない所が巧み。そうして繋がっていく終盤に「おおっ、なるほど」と。
切なくて痛くて、やるせない苦しみと寂しさと憎悪の叫び、時に弾けるように狂い壊れ絶望する心。これがじわじわとひたひたと刺さるので地味なしんどさ。ふぇー…とか意味のわからん呟きしてました(怖いわ/笑)。
救われるのは終始一貫して全くぶれない爽やか高校生、アトマくんがいた事。
本っ当───っに!!!何があってもどんな事を目の当たりにしても、欠片もラヤを大切に想う心が変わらない彼のストレートホットな人柄は、最後の最後まで天使じゃねぇか!!!でありました。終盤に見せる満面の優しい笑顔!!!あの行動!!!胸を打たずにおれようかっ!!!良い男すぎ!!!(感涙)
私だったら結構な途中でラヤの事信じられなくなってると思う。嫌いにまでなりそう。だってその後も後だったし…。狂気スマイルでパーンッとか慄いたわ。
終盤のラヤには『月姫』のアルクェイドかい!と思ったし(笑)。なんか…女のコの超常暴走ってああなるの多くないですか?ちっこい黄色の服着た悪夢のホラゲのコもあんなんなってましたよね?(; ゚Д゚)ジッキョウデミタ

全てが完全解決ではないし喪失もあるけれど、そこはご都合展開でない方がこの作品を綺麗に締めてるなと感じました。幾ばくかしんみりとしたものを残しながらも、色んな事を経てしっかりと笑顔で立つことが出来た結末に納得満足。
後半は本当に時間惜しんでやってました。とても良い物語でした!大変でしたけど面白かった!

因みに猫愛がそこかしこに溢れているので、猫好きな人にも良いゲームだと思います。ナデナデ何度もできます。鳴き声可愛い(*´ω`*)
終盤の猫様ズはちょっと笑ってしまいましたが(笑)すげかったです。是非プレイしてみてください。お空バビュンなバキドカなシーンに口がちょっとあんぐりしました。いやー、あれ大好きですっ。
あ、逆転裁判のパロもあったなぁ(笑)。

真相との照らし合わせはまだ疑問が残る部分もあり。けど私が理解出来てないだけかもしれない(ありえる/笑)。

ENDについて

ENDですが、やる事リストなどがコンプしてないとTRUE ENDが見れません。
といっても通常END(っていうのかな)の後にほんの少しだけ追加のシーンがあるといった形です。
普通にやってるとちょっとコンプ難しいと思うし、各章のこの時でしかゲット&クリア出来ないよ!なので、攻略サイトを参考にするのがいいかなと思います。

 

ミニゲームQTEバトル・クエストなど

正直、面倒くさかった…!←
アトマが不思議な本を通して深層心理に入り込む能力、『スペースダイブ』や町を駆け巡りこなすクエスト、ミニゲーム、アイテム集め、QTEバトルなどがあるんですが、とにかくやりこなす数が予想以上に多かった。ちょっと多すぎてクドイと感じる時も。
こんなにあると知ってたら、買わなかったかもしれない(笑)。←QTEバトル苦手
とにかくこまめな作業が必要な時もあり、行ったり来たりも多かったので「うおーっ、何回行くんじゃ、マジめんどくせえ!!(←)」ってなったり(;^ω^)
QTEバトルは難しくないし、難易度でいうなら超EASYなんではあるけどやたら出てくるんでメンドクサ…(どんだけ言うか)
コマンド入力はいいんだけど、ランダム落下物から避けて進むやつ、あれ下手くそで何回も死んだんで特に最終バトルげんなりしました、はい。

ピクセルアート

ピクセルアートの良さが知れた作品。作品のノスタルジックな雰囲気とも相性が良かったと。
特に風景の細やかな描かれ方は暫し眺めてしまう。終盤で見られるある風景は突き抜けた美麗さ。
キャラの表情もわかりにくいんじゃないかな?と思ってたんですが、ちょっとした表情変化がドットならではの味わいでわかりやすくもあり、涙を流したりの小さな動きも捉えられたので凄いなぁと。
キャラアップも良かったです。女の子は可愛く、アトマはカッコ良かった。

音楽

耳に心地よいBGMと歌声でした。イベントで使われている歌声は男性・女性ボーカル共にあり。
私基本的にそんなに音楽聴かないんですけど、家事しながら聴き流しとか、穏やかなティータイムとかに良さそうな軽やかで優しい曲が多かったです。サントラCDゲットされたい方はまだ間に合う店舗もあるかも?(適当に言うんじゃない)ジャケ絵がゲームにも出てくる猫ちゃんでございます(*'ω'*)ニャー

操作性・演出の気になった点

操作は横スクロールだしやることは至ってシンプルではあるんですが、説明などがほぼないしちょこちょこした部分でやりにくさはありました。
町中を移動するのもダッシュしても然程スピードが出ない。会話も出来ればイベ用など新しい会話が発生してるのか、もう既読なのかとかの判断が出来たらなと。
でもバトルなどで負けても少し前に自動的に戻るのは楽でした。

演出でいうとピクセルアートの魅せる演出が美麗ではあったんですが、ただ進むだけ(方向ボタン押しっぱ)状態がやたら長い時間かけられているシーンがありまして、長い…長っ…長すぎる…うーん、えっと…長ーっ!まだ終わらんの!?と。移り行く風景は本当に滅茶苦茶綺麗だったんですけど、あの長さまでやるんだったらせめてボタン操作しなくても自動で進んでほしかったなー。
丁寧ではあるんですが、さすがに尺長すぎではないかなと思う部分あり。暗闇の中を走るシーンもあったんですが、あれも何か間違ったのかと思った程に長かった。


始めはややフラットで正直退屈さもありはしましたけど、すぐに予想と全く違った展開と内容に次第のめり込んでプレイ。
良いお話をありがとうございました!!

 

それでは。

see you next time!