ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

もう一人、いる 感想

フリーゲーム【もう一人、いる】の感想です。

 

※ネタバレ感想部分は後半に分け、前以って注意文を載せますので、以下閲覧にはくれぐれも注意してお読み下さいませ。

 

 

もう一人、いる

使用画像の著作権は、全て(c)皐月の夢様に帰属致します。

…違う、オレじゃない!オレは殺していない──!

公式サイト

sites.google.com

DLはこちらから

www.freem.ne.jp

STORY

主人公マヤマは、キャンプサークルに所属する男子学生。
ある日を境に、彼の周りで奇妙な出来事が起き始める。
大学の友人に話しかけられる内容が、身に覚えのないものばかりなのだ。
ついには会ったことのない人間まで、彼に親しげに話しかけてくる。
まるでもう1人、自分がいるかのように。

全ては友人の悪戯だろうと思っていた彼であったが、ついに決定的な事件が起きてしまう。

「…違う、オレじゃない!オレは殺していない──!」

ドッペルゲンガーを題材にした、ホラーアドベンチャーゲーム

 

感想

この方のフリーゲームは過去3作(現の夢幻・親愛なる○○へ・セブンテットクロス)プレイし、最近ではレトルトさんの実況のみで視聴出来る【R-アール-】が記憶に新しく。あ、【紅に染まれ】もつい実況で視聴してしまった(;´∀`)
絵も魅力的でお上手なんですが、ストーリーも面白いという…そんな皐月の夢さんの新作が公開されているのを知り、今作は短編だと言う事でDL。前々作の【ミライカガミ】もプレイしようと思ってるんですが、こちらはまだ未プレイ。

短編なのでサクサクと進み、終盤の選択肢2つで枝分かれする2ENDなのですが…
タイトルの意味に繋がる結末がゾワッとする面白さ!
どちらも違った意味になる所が「おおっ、成程ー…!」と感心してしまう。この「もう一人、いる」の本当の意味がくるりと形を変えてしまう。タイトルだけではなく、登場するキャラの印象もまたガラリと変わってしまった。ええもう、全然!

 

 

※以下、画像の後に完全ネタバレ感想あり!

NGの方はこれより閲覧をお控え下さい。

 

 



私が最初に見たENDはEND2の方でしたが、真相ENDになるのはEND1かと。内容的にも全ての不明瞭な事が繋がってきます。ああ、ここってこういう事だったのか、とか。やや言動に引っかかりがあった所とか、真相を知るとスッキリ見えてくる。
END2はキャンプサークルメンバーの友人達が次々と何者か(ドッペルゲンガー主人公疑惑)に殺されていくんですが、主人公のマヤマは恐怖で逃走後、警察に通報するも死体は何故か忽然と消えている。しかも死んだはずなのに何もなかったかのように再び現れる友人達に、じゃあこいつらもドッペルゲンガーか!?な「もう一人、いる」という締めくくり。こちらはドッペルゲンガーの存在が確たるものとなってくるホラーな結末だったのですが、END1を見た後だと、もしかすると友人達のまだ終わってないマヤマへの復讐の続きか?とも取れるかもしれないなと思いました。
そのEND1の真相が、主人公のマヤマが超クズ下衆だった事が判明!いや、これにはもう「はあ!?(# ゚Д゚)」ってなりましたね。
一年前、キャンプメンバーの一人で好意を寄せていたキノシタさんの弱みを握り、脅して身体の関係を強要させていたっつー吐き気がする最低な事をやらかしていたマヤマ。しかも脅されていた彼女は悩んで苦しんで、マヤマと自分もろとも殺そうと火を放って死を選ぶんだけど、諸悪の根源マヤマは助かってしまう。…やりきれんわっ!!!
でもこの事が切欠でマヤマの脅迫行為が他のキャンプメンバー(カトウ・ミズノ・クサバ)の知る事になり、警察に通報だけでは弱いし許せないとドッペルゲンガーを装い復讐劇を始める。END1の結末はマヤマは友人達の仕掛けた芝居の末、恐慌状態で事故死のような形に。その時マヤマに向けて放たれた台詞が「死ぬべきなのは…もう一人、いる」。そっかー!そういう意味かとなる結末。
この真相を見てから、マヤマの印象が底辺。もう無理無理。キノシタさんが浮かばれなさ過ぎる。好きな女を自分が不幸と絶望に突き落としてどうすんじゃ!!!テメェの欲望優先する人間が、好きだとか抜かしてんじゃねえ!!!(落ち着け私)
結果的にマヤマを殺してしまう3人も、ギリギリまでは改心してくれる事を願って緩めな計画だったのも知り、成程ねと。カトウやクサバ、ミズノが殺されたって時の行動とか、えっ、ちょっとマヤマお前何か…な感じだったんだ。仲の良い友人達の死に対してあまりにホイサッサだったから。
エンドロールにイラストがあるんですが、これがキノシタさんの幸せそうな3人との思い出イラストで…悲しすぎる…何とかならなかったかなと思いつつも、彼女の死がこのタイトルに繋がっていくのでやりきれない。
救われない話ではあるんですが、最初のドッペルゲンガー設定にしっかりミスリードされ、真相にそういう事…!という驚きのまとめ方が上手く、面白くプレイ出来ました。
気になったのは芝居を頼んだ第三者の二人に、マヤマの死について不審がられはしないかと。明らかに謎依頼だもんなぁ。親としての立場で思うのは、まだ若い3人に復讐の選択はしてほしくなかったなと思ってしまう。本当にこういうのはやりきれない。
無理だと思いつつも、ミズノくんとのハッピーエンドがあればな、なんて願ってしまいました。だってキノシタさんが可哀そうすぎるんだよーっ!!!(泣)

 

 

それではまた!

see you next time!