Vita【花朧~戦国伝乱奇~】です。
2017年3月にプレイ終了。
※辛口&ネタバレあり。
花朧~戦国伝乱奇~
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あなたと生きる未来が欲しい ──────
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PV
OP
物語
時は一五〇〇年後期。
恋に憧れ、天真爛漫に尾張の城下町を走る一人の姫がいた。彼女の名は「市」。尾張国を治める織田信長の妹姫。
誰にでも分け隔てなく笑顔を向ける市と裏腹に、
尾張織田家には民たちが付けた「忌み名」があった。『魔蒼(まそう)』の織田
尾張織田家の血を引く者は皆等しく、
吸い込まれるような漆黒の髪と、碧い瞳を持つ。
その妖艶で人離れした美しさを、民たちは恐れていた。その魔蒼の一族である市にも、
兄・信長さえも知らない秘密があった。それは幼い頃、母から織田家の家宝として手渡された
『幸魂(さちみたま)』を失くしてしまったこと。そして市が生まれたときから一緒にいる宙に浮かぶ子狐……
人の言葉を話す黒(くろ)と玉(ぎょく)の存在だった。しかし、世は乱世。
天下統一を目指し、日ノ本各地で起こる乱世の波に
市もまた否応なしに呑み込まれていく――。
全体感想
かなり迷って購入(いつも言ってないか)。オトメイトさんのファミ通レビューのシルバー殿堂作品ってFDを除き、過去購入して良かったのなかったので、これが戦国キャラでなかったら購入見送ってただろうなと。
市が主人公、長政が攻略キャラって珍しい気がして気になるし、勝家のキャラが好みだなーって(笑)とか思って積みまくってるくせに結局購入。
この作品、戦国武将が出て来ますし、史実の流れもありはしますが、改変も多く、基本なんちゃってなファンタジー戦国時代。
ツッコミ要素の多いファンタジー感満載なので、この辺、イケメン戦国よりぶっ飛んでる気が…いや、あれもあれだけど(笑)。
そもそも乙女ゲーだし、攻略キャラからして史実通りにいくわけないから、そこを突くと恋愛も成立しないから良しとして。
それでも市が空飛んで移動したのには「え(;・∀・)」てなったけど(笑) 。
絵はとてもお上手で綺麗で素敵で丁寧で好みなんですが、信長様がー…。いや、ちょっと髪型とか服装とかが小学生から信長様スキー(萌えフィルター装備)の自分としては何か色々違ってて。斬新だなとは思いましたが。
でも構図は色々でスチルは主人公との絡みも多くてバストアップが少なめなのが好き。
システムは…オトメイトはオトメイトなまま。いい加減選択肢ジャンプを作ってほしい。共通もそこそこあるので周回が面倒。
全体的に大味な部分があちこちとある作品だな、といった印象。色々シナリオはツッコミ満載、抱腹絶倒(←?)。
それでも各キャラ、ハンコな流れもなく先が楽しみなのものもありました。だけどキャラにより内容に差があるかなと。
一番マイナスだったのは主人公の市がかなり残念系。どのルートでも苛々、おいおいっ、引くわ!アホですかっ!ってな事が有り過ぎる。
空の背景、他のオトメイト作品と同じものの使い回し。城の外観や城内の各背景や町など、ほぼ全部同じの使い回しなんで違う場所に来た感が全くない。使い回しはある程度仕方がないとも思いますが、これは多用し過ぎで閉口しました。
そして一番ガクーッとなったのが、幸村のお父さんの昌幸さんのキャスティング。主題歌歌ってる人?みたいなのですが、もうばっちり過ぎる程棒読み(゚∀゚;)信玄ルートは結構出てくる役なので、聞くに堪えない時が。声も若過ぎるし、何故やらせたのかと。
後、代償があるという最終手段(でもないか)の後代返しだけど、今一つ大技感ない技だなーって。しかもぽんぽんぽんぽん、代償あるってのに使い捨てカイロの如く使い倒す市に馬鹿なのか?(暴言)と。黒い炎で攻撃するやつのが余程役に立つ気がする。
ゲーム性面での作戦始動手合わせですが、無駄に時間かかるしそんなに面白くないしで、ご褒美画像解放条件がなければ省略してたと思う程につまらなかった。
結果的には主人公に大いに難あり、今作の織田信長が全てにおいてどうにも私には違っていたのですが、楽しめたのは楽しめました。
長所と欠点が混ざり合う、惜しい作品。キャラでは信玄様が一番好きでしたv
後、何故にアランは攻略キャラでないのか疑問。
キャラ別感想
市/主人公
変わり者の姫という設定に、甘え過ぎてはいないかい?(誰問いかけ)
優しいではなく甘い。行動力があるのではなく、浅慮で無茶無謀。正義感があるでなく、今目の前の自分の好きな人達だけ助けりゃいいみたいな考えがあったり。
織田家の役に立ちたい、でも恋もしてないのに政略結婚は嫌、女だからって結婚だけしか役に立たないなんてーって、我儘なだけではないのかい。現代のコじゃないんだから。
もう少し芯のある、筋の通った姫としての凛とした風格も見せてほしかった。
残念な主人公でした。昔プレイした源狼の主人公に似てる気がします。
未来を変える為に戦場へ無理矢理ついてきておいて、後代返し使わない選択があるのもどうなのと疑問。あの黒い炎、もう少し有効活用出来そうなのに使わずにはらはら心配だけとかだと、未来変えに来たんじゃないのか、一体何しにきてんねんと思う。
良い所も少し(少しかい)あるのですが、やっぱり言動が苛々と腹立たしく、宜しくない事が多かったです。
浅井 長政 CV:浅沼 晋太郎
いやー、何かっていうと母上母上ってマ…(規制)分かってる、息子ってのはお母さんを大事にする傾向なのは。でもねー、女のコの前で言い過ぎは駄目ですよ(笑)
真っ直ぐな感じなんですが、異性に対しての態度が何かと疎いです。悪気なくぐさっとやっちゃってるタイプ。
信長に嫉妬して押し倒すシーンがあるんですが、驚く程ドキドキ感なし。え、何故だ、萌える所なのに!?スチルもあるのに何の心の変化もない自分に首を傾げる始末。この後もあっさり離してしまうんで拍子抜けだったりと。
長政さん、男を意識させる危機感が何か薄い…(失礼)浅沼さんの演技が爽やか過ぎるのか、男女っていう艶とかそういうのがどうも薄くてさらりとしている感じが。
それから後代返しですが、何かしょうもない事に使ってめっちゃ危機的な時には使わずがベストルートなのは何だかなぁ、と。頼りきりではなく、自分の力でっていうのは好感はもてますが、その前にものすごくどうでもいい事に気軽に使ってなかった?と。
駄目だしばかりになってしまいましたが、後半は盛り上がってきてどうなるのか先が楽しみでした。傷つきながらも力を使う市を、後ろから「もういい!」って抱き締める所は萌えスチルで好きです。こういうのが見たかったんだよ、長政さん!って(笑)
終盤での流れも一気に進めたくなる程面白かったです。長政さん、かっこええ(どないやねん)
武田 信玄 CV:下野 紘
新鮮な信玄…っていうかものすっごくスローリーなテンポで話すので、〇ボタン間違って押しそうになるから早く喋って!とツッコミが。ついでに言えばこのテンポで下野さんボイスで穏やか~に話すので眠くなる。困る(笑)
只、この噛む、間が長い話し方は哀しい理由があるので、それがわかっちゃうと聞くたびに何ともな気持ちになります。
ここぞという時は凄くすらすらっと喋るし上に立つ者の風格あるし、市を連れて行こうとするアランに対しての一喝は惚れる(←)滅茶苦茶恰好良いですよ!! あのシーンだけ何回見直したか。
とにかく、この信玄さんは癒される。下野さんボイスで「やあ、姫」ってそれだけで癒されるのが凄い(←疲れてる)
市との関係は穏やかに流れてると思ったら、途中で過去絡み含め市の正体が憎しみを生んで避けていく日々がくる訳で、その二人の中々上手くいかない展開はもどかしく。
信玄なので病の流れはやはりあるんですが、後代返しの使い方が微妙。つーか、あんまり役にたってない感じが(笑)。
最後も長政ルートみたいな収まり方になるのかと思ってたら、そうはならずで信玄は落ち着いたとはいえやはり病に侵されたまま、いつ死んでしまうかもしれないままっていうのがえー…って。長政ルートみたいに先代が出てきて二人まるっとご都合展開にしてくれても良かったのに、と。だってほら、乙女ゲーだから!(笑)
すっごく幸せそうではあるんですがね。出来れば心配や不安の種ない幸福EDもみたかったかな。
竹中 半兵衛 CV:浪川 大輔
思ってたより若い。ツンからの緩く甘い感じになる所が可愛らしい。
半兵衛のルート、市のしつこいくらいのお節介ぶりに半兵衛のみならず、私も苛々した。う、うざい煩い鬱陶しい!(三段コンボ)
それと勝手に戦についての話し合いの場に紛れ込み、しかも割り込み無茶発言で戦場へ連れて行かせろとか言いだすし。
このルートの市、物凄く苛々しました(毎回じゃないか)。何かと他ルートでもおいおいな所はありましたが、これ酷い。
戦場でも陣中から抜け出し、半兵衛の後を追っかけ、兵達の遺体を見て気分を悪くして休む場所を与えられ、半兵衛が護衛。そして寝こける。何だこれ状態。
…私が半兵衛の未来を変える!とか言って無理矢理ついてきてこれですか。何しにきたんだこのコ。
こんなんで何故半兵衛が市に惹かれていくのかがさっぱり分かりませんでした。それ程までに僕の事を…ってな流れは理解出来なくもないけれど、行動が軽率過ぎて私は引く。
故人なので過去回想でしか出てこないのが残念ですが、道三様素敵でした。半兵衛に対するあの包容力が。
ラストの流れは好きです。後日談も黒と玉も一緒で二人と二匹、仲良くしてるのが微笑ましい(*´▽`*)
織田 信長 CV:谷山 紀章
うーん、好きな方には申し訳ないですが、ビジュアルも声のイメージも違ったなと。大変申し訳ないのですが、正直な気持ちとしては『織田信長』は何か違う感じだった。
何て言うのかな…魔王と呼ばれる程の信長なんで、ぞっとする冷酷さや非道さ狂愛さ、迂闊に触れられない恐怖感が薄かったです。
それから長政ルートでの「死ねぇっ!」「長政――っ!!」とかの叫ぶ声の高音裏返り方が凄過ぎてちょっと。ちょっと何か違う。何故にあんな裏声。
北斗の拳のやられシーンの声のモブキャラを思い出しましたよ。
そして妹の市を狂愛の如く溺愛、していた割には血が繋がってないと知るや豹変。情が無くなる所か道具の様にしか見なくなる、この理由がすっごいしょぼくてガッカリ半端なかったですよ、こちらの信長様。
やたら自身が孤独なのは同族と血の繋がりみたいに拘ってるのですが、そんなしょうもない事で掌返す人、織田信長じゃねぇっ!て思うのが私の正直な気持ち。
妹溺愛の狂愛する兄の設定でいくならば、いっそ突き抜けた溺愛を貫き通す姿を見せて頂きたかったです。そっちの方が萌えたかも。
このルートの市もねぇ…もう本当苛々通り越して呆れるというのか。玉の「いい加減にしろ!覚悟がないなら戦場になんか出てくんな!」はものすごーく拍手したい気分でした。自分だけでなく、家臣の命もかかってる場で綺麗ごと言ってるのは勘弁しろよ、と。
この織田信長、ロックキャラでもあったのにほとんど響かなかったので残念です。シナリオも一番プレイ退屈でした。
何だろうな…豹変して色々あって想い合うまではいくのですが、二人の互い想う在り方に共感も納得も出来ませんでした。すっきりしない靄の様な感覚。
最後の方も何かひっちゃかめっちゃかな感じで、市が「信長」呼びするのにも全く萌えない。何か安っぽさを感じる。兄から一人の愛する男性としての「信長」に変化するのに、全然その重みというか厚みというか熱量というか、そういう重要さがないんですよ。
どうにも求めていたものと違っていて。これだったらBADの信長様の方がまだ好きです。
帰蝶と光秀のエピソードは切ないんですがとても好きでした。 そうくるかーっていう悲恋だったので、此方のお二方の方が気持ちがいった事実(;^ω^)
柴田 勝家 CV:櫻井 孝宏
もう、本当またかよって思うんですけど、市…殴りたい、蹴り飛ばしたい(←)怒りを通り越し呆れ果てた上に、あの綺麗なお顔ぐにぐにとしたくなる(やめなさい)やー、もうこのコの何も考えてない巻き込み迷惑行動はお腹いっぱいです。
勝家は…アダルト担当でした(笑)糖度でいったら彼一番じゃないかな。脱がして肩出し胸半ばまで露わなスチルまであるし。
色々複雑な展開なので勝家のルートは他より長く感じたんだけど、気のせいかな?スチルも一枚多めだし。でもそれによりサブキャラのエピソードも丁寧だったので、そこが良かったです。
長政以外のルートでは信長って良いお兄さん位置が多いんですが、この勝家では一番それが出ていまして。良いお兄さんのまま光秀に討たれてるのが何か切ない。長政ルートでは凶悪ラスボス扱いだわ、本人ルートはオイオイな展開なのにこの差(笑) 。
勝家の正体がアレなのには吃驚しました。個人的にはこの設定はどうなんだろう…不憫過ぎる人が居るので手放しに喜べない気もする。
この勝家に関してはあの不憫な方がいらしゃるので、その事実を知ってしまうとうーーーん(-_-;)と、やや魅力降下しちゃうんですよね。だってあれは酷いよ。
まあ、ベストなEDは一番のびのびと幸せそうではあるんですが、犠牲キャラの扱いがあまりに不憫でスッキリはしない。でもこのルート、市も後半は良かったです。
評価が難しい作品でした。あくまで私の主観なので、特に織田信長に関しては個人的な思いがありますのでご容赦下さい。
それでは。
see you next time!