PSP『マーメイド・ゴシック』の感想です。
2015年1月プレイ。
※ネタバレあり。
マーメイド・ゴシック
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今、助けた王子を殺しに行く
OP
STORY
人魚達が暮らす海底の国、ミレティス。
元々は美しい青色だった海域だが、今は闇のように黒い。主人公は人魚姫。
幼いとき、人間を助けてしまったがために罪を負い、塔に幽閉された。十年もの年月を経た後、人魚の王である父より、自由の条件として命令が下される。
「人間の国、アルメリヤの王子、バジル=エイデルワースを殺せ」。
罪を償うかわりに、業を負って解放されるか。
手を汚さず、一生檻の中だけでの生活に甘んじるか。かつて助けた命を奪いに、人魚は陸に上がった。
全体感想
泡となって消える、その前に ──────
アンデルセン童話の人魚姫が題材なので、そりゃBADやDEADのENDが用意されているのは予想してました。
が、予想を超える多さに苦手な私は物凄く疲れました。お腹いっぱいを超える重たさ。
1キャラに多くて5つも用意されてます。そんなにいらんっ(T_T)
突如アルメリヤ国の一帯だけ海が黒くなった原因。黒くなった海が青い海に見えると、必ず近い内に死んでしまう幻蒼病。 王子が執着する人魚捕獲の理由。人魚の血が人間に与える不老不死の本当の効果とその解除。 これらがお話の重要ポイントとなっていきます。
恋愛においては人間の足を貰う代償で、相手を愛したと自覚してしまうと愛の言葉を伝える事が一切出来ない。文字で伝える事も出来なくなる。
バジル王子とキスをすると問答無用で泡になってしまう。
これ、転んだ事故でキスといったお約束のシチュが出来ません(せんでいい) 。
なので好きだと告白されても返す事が出来ないので、想い合っていても誤解やすれ違いが多かったです。理由も言えないのでもどかしい。
私の攻略順は ガリレオ・バジル・ガウェイン・弥彦・牡丹・エリアス・ロキ。サブキャラのダン・ラウラENDもありますがこれは恋愛ではないです。
バジルは2週目からでないと攻略出来ません。ロキは3週目以降だけどHAPPYENDを見るには全員のBESTENDを見ないといけないので一番最後に回しました。
大きく分けると城メンバー、海賊メンバー、人魚サイドメンバー。話の流れ的には城メンバーからプレイを個人的推奨。
ENDはBEST・GOOD MerryBAD・BAD・DEAD、ロキのみHAPPYENDがあります。
絵や背景はとても綺麗です。特に街の背景、魚や貝などをモチーフにしたものが随所にあり、ファンタジーなテーマパークみたいです。
スチルはこの作品にとても合っていて、綺麗で可愛く恰好良く、色気もあって見ていて飽きませんでした。立ち絵との差はほぼないのですが、スチルの方がやはり好み。
主人公のテキストウインドウの顔とスチルの差がちょっと気になりました。スチルの方が大人っぽくて可愛いんですが、 フェイスアイコンの方は幼く見えるし性格悪そうな表情が多い(笑)
キャラにより好みと苦手がばっちりと分かれてしまったのですが、お話全体としては面白くて萌えもありました。
特に城メンバーは全員好き。ガウェインが最萌でした。好きと言うか海賊と人魚サイドのメンバーは苦手だらけでしたけれども(;^ω^)←半数じゃないかい。
まあ、ツッコミ要素はロゼらしいと言いますか、かなりありましたが。
クセの多いロゼ作品ではありますが、こちらはまだとっつきやすいのではないかな?と。
大陸シリーズやアリスシリーズなどは未だとんでもない高値の様ですが、此方はまだ手に入れられやすいお値段の中古ショップもあるようですから、ご興味あれば巡ってゲットも良いかもしれません。
キャラ別感想
リディア・グリーン/主人公
人魚の国ミレティスの元、姫。
少女の頃に難破し重傷を負った人間の男の子の命を救う為、自分の血を与えてしまう人魚の大罪を犯し、プリンセスの称号を剥奪され罪人扱いで10年間幽閉。
罪を許され自由を取り戻す代わりに父王より人魚捕獲に執着するバジル王子を暗殺しろとの命を受ける。
性格は自由奔放でお転婆なポジティブ思考の世間知らず。姫なのにむかつく事されると殴ったり踏んだり抓ったりとすぐ手が出る所は好きですが。
あまりの世間知らずと浅慮過ぎる暗殺行為や計画性に呆れてしまう事多々。いや、もうちょっと考えましょう?捕まえてほしいんですか?とツッコミたくなる。
唄がとても綺麗というシーンがちょこちょこ見られるので、そこの演出をもう少し丁寧にしてあげたら良かったんじゃないかと思う、勿体ない設定。
バジル・エイデルワース CV:杉山 紀彰
エイデルワース…歌いたくなる名前(笑) 。
センターキャラ、アルメリヤの王子。国を愛し、民を思う、冷静さの中に優しさを持つ寛容で行動派。 最初からバレバレですが、リディアが10年前に救った男の子。
ビジュアルからもう少し声が低いイメージだったので、杉山さんは個人的に意外なキャスティングでした。
でもいつもより声を低めに抑えて演じられてましたので、優しくお人好しな面も持つから馴染みは早くて気にはならず。
自分ルートでも他ルートでもかなりのお人好し。刺されてもあっさり許したりするのは王の資質を持つ寛大さなのか馬鹿なのか。←無礼千万
童話の通りの王道ルートではありましたので、綺麗にまとめられていた印象。裏も無く性格が全く捻くれてないので安心安全王子様(笑)。お幸せにvなラストスチルは正に童話のハッピーエンドらしいハッピーエンドでした(*´▽`*)
あるだろうと予想出来たDEADで泡になるENDは、想いが通じ合った喜びの直後なので可哀想過ぎました。
リディアはひたすら彼の幸せを願い、自分が泡になっても貴方はこの先好きな人を見つけて、と納得して泡になる選択をしますが。
何も知らされていないまま、両想いになった幸せの絶頂でキスしたら、恋人泡になって消えちゃったバジルの衝撃いかほどか。あれはないだろう。あの後立ち直れるんだろうか。
ガウェイン・ライツ CV:野島 健児
王子の側近。野島さんキャラぴったりイメージです。
怪し過ぎるリディアに、不信感丸出しの危険人物扱い。でも、これが当たり前だと思う。だってリディアあからさまに王子の事探り過ぎ。
只、こういうツンケンした人のデレっぷりは素晴らしくときめく。しかも余命僅かの病持ちって…とんでもないギャップに凄くときめいた(笑) 。
リディアに好意を寄せ始めた辺りから病も進行してしまって、その野島さんの演じ方が素晴らし過ぎて萌える。
好きになった辺りから話し方が柔らかく優しくなってくるけど、病のせいで声に張りがなくなって弱々しくもなる。絶妙な演技力。
自分の血を飲めば不死になるからと、死なせたくない一心で血を飲んでと希うリディアに、これが自分の運命なのだと頑なに拒むガウェイン。
何だか王子よりドラマティック展開。センターキャラはバジルでなかったかい?と思った程此方のルートは素敵でした。
リディアの歌を聴いて以降、貴女の歌が好きなんです、歌って下さい的なシーンがあって其処が切ないけれど幸せそうで素敵なんですよーっ。
優しく柔らかく、甘く切なく儚く(ベルばら?)、そんなガウェインルートの恋愛展開。
BESTの幸せっぷりはたまらなく甘いんですが、不死の解除まで見せて欲しかったなぁ。まあ、この先共に居ればあれ、解除出来たとかありそうだけど。
人魚の涙って便利だな(笑)。
ガリレオ・メランコリー CV:羽多野 渉
女性が苦手な鍛練好きマッチョ宮廷医師。
医師だけに、幻蒼病の事がテーマでした。医師としてのガリレオは本当に格好良い。あの最初のびくびくオドオドどこいった、みたいな。
基本的に優しいので、リディアと距離が近付けばどんどん魅力的になる人でした。私は好きだな~。多分世間一般では人気低そうだけど。(笑)。
でもリディアが人間に襲われそうになった時や、海賊に攫われたりした時に助けに入る所などは滅茶格好良いですよ!
羽多野さんのあのいい声で「リディア!」って必死に叫びながら登場するシーンなんて堪りません。美味しすぎます。
好きになると誰よりも力強く守ってくれそうなキャラ。宮廷医師だけど腕っぷし強いからね! 無駄に筋肉質な胸元の露出多いですからね!(笑)
いい夫婦になりそうなので、BEST、GOOD共いいENDでした。
人魚の王に「お父さん、娘さんを僕に下さい!絶対幸せにしてみせますから!」(実際の科白ではありません)的なシーンのスチルが妙に嵌ってて面白かったです(そこ) 。
只、この人のDEADENDがね…もう救われなさ感満載。リディアが殺されてしまうわけなんですが…彼女の死が受け入れられずに頭が桃源郷にいっちゃったガリレオは、遺体を腐らない処理を施して、ガラスケースのリディアに生きている様に語りかけて暮らす…んだけども。
その腐らない処理を施す為に犠牲にしたものが放置されたままでもあるという表現あり。わー…(遠い目)。あんなに命の尊さを重んじてた人が。
「飛び交う羽虫」「漂う腐臭」、其処に綺麗な姿のままの物言わぬリディアに微笑み語りかけるガリレオ…掛ける言葉が見つからないわよ状態。
ガウェインのガリレオに正気に戻ってほしいと心中で願いながらの、冷静な呼びかけが切ない。衝撃BAD展開でした。
弥彦 CV:大川 透
キン肉Ma…違った、海賊の頭。いや、マッチョ凄い。露出度半端ない。胸元のアクセ、毎回大変そう(そっちかい)。
見たままイメージでした。この人のルートっていつ本気で好きになったの?とか本気なのか戯れなのかの判断に困った。
BEST以外は全部BADルート。キツイ。バジルへの誤解の仕方が短慮過ぎない?とかきちんと話してればすぐわかるだろうな感じで、
どうにも苦手なタイプでした。一つ間違えば病み的怖さのある人なのが、私の中で危険キャラになってるんだろうなぁ。
ワイルドではあるんですけれども、今一つ魅力へと繋がるものが見出せずに終わってしまいました。
牡丹 CV:柿原 徹也
弥彦の右腕。無口で冷静沈着とありますが、無口どころか結構つらつらつらーと饒舌にしゃべってますよ、彼(笑) 。
このキャラも一つ間違えるとおっそろしいENDになるので、どうにも怖い感情が拭い去れませんでした。
BESTを見ても、心の闇部分が見え隠れするシーンがあるのでうすら寒さみたいなものが取れない。 晴れやかに感じない。
リディアが自分を裏切らなければというか、牡丹が裏切ったと感じなければ幸せのまま。でもどこかで掛け違えてしまえば最悪展開キャラ。
私には非常に面倒くさい。 BESTになっても病んでるじゃん!怖いよ嫌だよ!って。
でも世間一般では人気ある気がいたします。こういう滅多に笑わないキャラが幸せそうに笑う破壊力が、世の乙女ゲーマーを虜にするのでしょうか。
私、心の闇の濃い人駄目なんです~っ!(ノД`)
エリアス・ミスト CV:近藤 隆
幼馴染の人魚。絶大に苦手な性格(笑)。←
やっぱり私、幼馴染キャラって相性悪いみたいな。
エリアスとロキのルートは宿屋で働きながらの生活なので、庶民ライフルート。
最初からリディア好き好きキャラで、バジル暗殺の件も早い段階で終結するので盛り上がりが少ないです。
だらだら~っと恋愛で悩んでる事多し。両者代償のせいで愛の言葉が言えないので面倒くさい(おい)。
リディア以外は本当にどうでもよく、お世話になったり親身になってくれたりする人でも躊躇なく殺せる人。 BADの一つは酷過ぎて地雷。
それは自分自身すらも入っているようで、リディアの幸せに邪魔だとなれば、自分をも惑う事なくその命を終わらせるといった、どうしようもない男。
他のキャラルートで泡になって消えていく事が多いですが、自分のルートでもBADは泡ENDまみれです(まみれって)。
どちらが人魚姫なのかヒロインなのか!?と思う程に、他キャラルートで悲恋泡々のシーンを何度も見せられる、可哀相な片思い人魚の立ち位置。
恋は盲目と言うけれど、もっと視野を広げましょうな残念な人。
ロキ・ジルフォード CV:豊永 利行
魔法使い。童話では魔女で老婆ですが、乙女ゲー攻略対象なのでこの通りイケメン(笑)。
この作品の真相キャラ。豊永さんも演技がお上手な人なので、聞き入るなぁ。
でもこのキャラちょい苦手傾向です。私はね。歪み過ぎてて捻くれ過ぎてて疲れます。
リディアが好きなんだけど、誰も信じられないからリディアすら信じきれない。
でも好きだから他の男とくっついてほしくない。
囲って自由を奪って自分だけの人形にしてもいい。
歪み過ぎててウザーイ!超面倒臭いー!!←
何だこれどうしたら修正出来るのこの歪みっぷりっヤダヤダもういっそ海にガツンと放り投げたい!!!← 止まれ
まあ、最後の方は角が取れてきた感じでいいとは思うけれど。HAPPYENDが本当の最高ENDではなかろうか。
BESTってBESTなのにロキ死ぬんですよ!!えーっ!?、って感じ。もうそれでなくともBAD多い作品なのにBESTで死亡させるの勘弁して( ノД`)。
何だかんだ言いながら楽しんだ作品でした。ガウェインルートはもう一度見たい気持ちになる。売っちゃったけど(笑)。
それでは!
see you next time!