ゲームは悠悠閑閑

ゲーム(主にADV)感想備忘録

逢魔が刻~かくりよの縁~ 感想

Vita『逢魔が刻~かくりよの縁~』の感想です。

2017年3月にプレイ。

※ネタバレあり。

 

逢魔が刻~かくりよの縁~ 

(C)NIPPON CULTURAL BROADCASTING EXTEND INC.

俺の声は、お前が聴くためにあったんだ

公式サイト

joqrextend.co.jp

PV

youtu.be

OP

youtu.be

物語

榊水緒 (さかき・みお) は、ごく普通の高校生。
…だけれど、祖母に育てられた影響か、やや古風なところもあり、 同世代の女の子たちからは浮いてしまいがち。
相手の気持ちを考えすぎて、しばしば何も言えなくなってしまう。
『勘がいい』と言われることもあったが、今まで、それを深く気にしたことはなかった。
ある日の夕暮れ。少女は逢魔が刻に『神隠し』に遭い、 幽世 (かくりよ) ───隔絶された常夜の国へ迷い込む。
この世ならざる者たちが行き交う異世界で、少女は様々な『命』と出逢う。
幽世の和を乱す妖怪を狩り、世界の秩序を守る『鎮守学舎』に招き入れられた少女は、 やがて現世と幽世、双方の世界を揺るがす事件に巻き込まれていく。

 全体感想

文化放送エクステンドからの初乙女ゲー作品。当時買う気はほぼなかった記憶があるんですが…ちゃっかりゲーム棚に収まってるのは何故?(知るかいな)多分、細谷さんと諏訪部さんで負けたんじゃないかと思います(笑)
共通長くて個別まだかいな、とか思ったくらい長い。共通9章、個別6章。颯と常磐は7章。良く言えば丁寧、悪くいえば無駄にだらだらし過ぎな部分も。
さくさくと読みやすい文章。難しい漢字にルビがあるのは楽。文章の読みやすさで進めやすい。でも、ちょっとうん?と首を捻りたくなる文章や科白があったりもして気になる事もありましたが、プレイに差し障りがある程ではなく。
何だか作りがロゼを思わせる作品でした(個人的にです)。システムの快適加減、でも演出などがやや新しさが薄いなと感じる部分が。今ってスチルでも見せ場には例えば髪が揺らめいたり、光の見せ方が単調ではなく変化に一工夫があったり、背景などにちょっとした動きがあったりしますが、ぱんっとスチル出て光が簡単に走る、とかな程度で終わりが多かったなぁと。
絵は好みは分かれそうですが、綺麗に描かれてます。少女漫画な可愛いタッチ。でも数枚目線や横顔が不安定で微妙、主人公が変な顔になってたりはあり。
後、妖怪が沢山出てくるのに立ち絵がほとんど用意されてないのも残念。妖怪なんて想像しにくいからもっと豊富に作っておくべきじゃないかなぁ、と。
そして移植でもない新作なのに、Vitaなのに、主人公のデフォ名呼びがない!これ、もう標準使用にしてほしかったなぁ。しかもこの作品、名前を呼ばれる事がかなり多いので余計に違和感が。
演出が古い感があったりはしましたが、システムは快適です。選択ジャンプが出来る上に早い。これがあるだけでかなり楽でした。だから2週目でもストレスなく出来ます。
恋愛は個々無理無い感じではあるんですが、所々緊迫した事態に盛り上がってくるんでどうにもいやいや、今じゃないだろ!それよりやる事あるでしょ!的なツッコミが。
そして中ボス存在っぽかった敵さんの死魔、呆気なくやられ過ぎ!(笑)登場時はもの凄く強そうだったのに!もはや何しにきたんという感じ。
サブの皓くんとのイベントもスチル有りで欲しかったです。是非とも水緒ちゃんとの関係性エピソード辺りので。っていうか何故彼は攻略キャラじゃないのか。はっきりいって奏太外して彼であった方が自然な気さえする設定なんですけど(好きな人、ごめんなさい)。水緒ちゃんとの絆がより深まった後の話をもっとみてみたかったです。 サブイベントでもいい、もっと見たかったー!(>_<)
トゥルーENDは皆に好かれまくってるのが微笑ましく。いいよねー、紅一点(笑)
好きなキャラ順でいうと常磐・颯・宵宮・月白・奏太でした。常磐と颯は同じくらい好きですvこれ、皓くんが攻略出来てたら上位に入ってた(笑)
色々粗はあるし気にかかる事はあるんですが、素直に面白かったです(*^▽^*)
シナリオの厚みがキャラによって偏ってる事が惜しい。

キャラ別感想

榊 水緒/主人公

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内向的で大人しい、物を大切に扱い、姿形の違いで接し方を変えたりしない、心優しくちょっと古風なコ?
何だろうな…いいコなんだけど。なんだけど何だかずれを感じるっていうのか。
内向的な性格って最初の方だけなので、この初期性格設定いるかなぁ?大人しめだとは思うけど、結局本来は内向的ではないみたいなので、これがズレを感じる不要な部分だったかもと思います。
恋愛脳がちょっとルートにより微妙。奏太の時が一番ツッコミたくなった。
緊迫した状況で、不謹慎ながらって前置きしながらときめかれたり、ドキドキされたり、赤くなったりされ、軽く引いた(笑)。
いやだって、本当に不謹慎だったよっ!駄目だよっ!乾き笑いが出ちゃったよ!(;・∀・)
っていうか顔が赤くなるだの赤面するだの、頬に熱がだの、とにかく多過ぎです。一々この表現もういいって、飽きるほど出てきてちょっとうんざりしました。
まあ、これに関してはシナリオに問題があるんだろうけど。
それから彼女の能力を使うシーン、スチル一枚用意しても良かったんじゃないかなと。あれだけではちょっと(笑)小さいバナー画像かいなって範囲 。
基本頑張ってるし前向きだししっかりしてるし、好感もてるので嫌いじゃないですが、ちょこちょこと首を捻りたくなる言動があるのが気になりました。

 

礎 奏太 CV:石川 界人

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明るいムードメーカーなのかと思ったら、ちょいチャラ男でちょい面倒な感じでした(何だそれ)柿原さんが演じそうな役だなーっなんて思ったりもしました(笑)。
物凄くあっさり終わって、これからーって感じかと思ったらラスボス戦闘さらーっと勝ってもう終わり?みたいな。
そして何かこう…すっきりしない。
倒して終わり、さあ現世に戻るよ時間ないから後は任せろはい、バイバーイ!仲間の安否がわからないままだけど、月白が大丈夫って言ってるから大丈夫だよね、確信はないけどそう信じられる、でもって現世で再会してハッピーエンド!
こんな感じでした(笑)結局期待に期待させた主人公の力も然程発揮されてないまま終わったのもこの奏太ルート。
恋愛も可もなく不可もなく、うん、こんな感じかなーみたいなので終わったし。全体的に薄い。薄過ぎる。何て言うのか…無理矢理攻略キャラに用意しました感がするんですよね。最後も綺麗に後片付け出来ないままの中途半端なハッピーエンドって感じでした。 立つ鳥跡を濁さずの反対みたいな。
私には彼の魅力があまり分からずで申し訳ない。
そう、やっぱり皓くんの方がさ…(まだ言う) 

 

宵宮 CV:高橋 直純

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高橋さんはお上手ですし全くちっとも悪くないんですが、個人的に声のイメージが違ってて。ちょっと声が若過ぎる気がするんですよ。私だけ?
本心がやんわりオブラートな状態で見えないままな前半、かなり思わせぶりな科白をさらっと言う割にはその後が大人対応なので、地味においおいおいっとツッコミたくなりました。主人公が「その言い方は勘違いされますよ?」って何度も注意したくなる気持ちは分かる。勘違いさせたいのか、一線引きたいのかどうなんだ!と。
素直なんだか大人の余裕なんだか、ぐっと距離をいきなり縮めてきたかと思えば、スッと引いたりで、ぅおいっ!どないやねん!と。
口説くなら口説ききれ!(笑)
彼のルートでは皓くんと水緒ちゃんのエピソードが関わってくるので、もうそっちにもっていかれそうになった(笑)
でも、ベストの宵宮、水緒、皓の三人の位置関係が美味し過ぎて。ああ、あの関係のこそばゆい遣り取り凄い好み。
で、思ったんですけど、宵宮先生は最後まで手を出す気はあるんだよね?(何確認)いや、もうあの人紳士なのかそうじゃないのかよくわかんないですよっ(;^ω^)
でも大人で色気もあって影を持ち、男の面も出してくるのは出してくるので、奏太ルートよりは宵宮ルートは楽しめました。
ED、とっ散らかしたまんまで終わってなかったのも良かったのかも。でもやっぱり颯と常磐と比べればダントツにシナリオの厚みが薄いので、もう少し深く掘り下げてくれたらと残念にも思います。

 

月白 CV:諏訪部 順一

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終始真意の読めない不思議系神様キャラの所為か、声がいつも以上に色艶ありな諏訪部さんボイスでした。
只、この神様すっごく疲れます!勘弁してほしいくらい疲れます!試されてばっかりで面倒臭い上にやり方がえげつない。水緒ちゃん偉いよなーっ、私こんなタイプ絶対に嫌だ。←
ずーっと言葉の駆け引きされてる感じで途中嫌になってきた私には、マジであんな月白についてきている水緒ちゃんを尊敬する(笑)
まあ、神様なので。神様キャラによくある平和維持の為に伴う残酷なまでの処断であるとか、時に心を弄び傷つくと知っていながらのどうしようもないドS快楽思考(反省もちろんしない)、そんな面を絡めて神でもある存在と恋愛をして向かい合っていけるのかってな話だった気がします。
本当にやり方がドン引く感じで、私こういうタイプ駄目なんですよねー…すっごい疲れた!!!エンディング後、溜息出たよ。←
でもベストではこれまでの好感度返上なのか(笑)、かなりの水緒ちゃん溺愛っぷりを見せてくれたので、まだ心のフォローが出来ました。
けど…出来れば他の男にしといたら?と水緒ちゃんを説得したくはなります(笑)。

 

颯 CV:細谷 佳正

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あ~っ、月白の後だとすっごく癒される!(笑)純粋で一途で優しく、嘘偽りない心のままを紡ぐ彼は、本当に曇りのない綺麗な想いで水緒ちゃんを愛情いっぱい大事にしてくれます。
純粋ストレート過ぎて子供っぽい面もあったり、突拍子ない事を言ってくる彼でありますが、この絶対の安心感は一番ではないかと。
でも、好き→恋人→ずっと傍にいたい→結婚する、のスピード感溢れる言動には笑ってしまいました。 挟む隙が無い(笑)。
「婚前の男女が別々の部屋っていうのは全然おかしくない事だと思うの」に、「じゃあ結婚しよう(即答)」には吹き出した(笑) 。
細谷さんの時折不慣れな面でのとつとつとした演技になるのが颯っぽくていいな~っと。
水緒が傷つけられるのは耐えられない、失ったら生きていけない、そんな颯はもう可愛いし男らしいし繊細だし優しいしで、こんな綺麗な心の存在があるって思うと本当癒されました(*´▽`*)
話が進むにつれ、愛する存在を守り抜く、大人っぽい男らしさも決断力も出てくるしで、ここまでくると勝ち目なしな感じで魅力いっぱい!
颯のスチルが一際綺麗なんですよ。この作品のキャラって麗しいヴィジュアル多いんですが、特に颯は綺麗だなーと見惚れるスチルが多かったです。
やはりパケなどセンター位置であったり主題歌も細谷さん担当であるしで、重要キャラかと予想は出来ましたが、上記三人より抜きんでてシナリオが濃く面白かったです。ラストも幸せいっぱいで。やっぱり死魔が呆気なさ過ぎだったけど、この作品って敵云々より他の事に対してがメインであるんだなと、視点を変えてみればあのあっさりな死魔のやられ方も納得がいきました。いっそあの扱い憐れ(笑)

 

常磐 CV:斉藤 壮馬

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冒頭のあるシーン、あれ常磐だろうと直ぐに分かるので、キーキャラだろうなと。
颯も良かったんですが、常盤はもうギャップが可愛らし過ぎて笑いが零れます。実際、ホットケーキのシーンでは何度笑ったか。もう声出して笑ってしまいました。←傍から見るとおかしい人
水緒ちゃんの「その台詞は、血を吐くような声で言うようなことだろうか…?」とか、裏メニューの名前がね!!(爆笑)だってあのネーミングセンス、うちの小学生のおにいレベルです(笑)。もうあのホットケーキイベントで何度笑ったかしれない!しかも「一切れ分けてやってもいいぜ?」って、そんなたっぷりの量にたった一切れだけかい!ってなツッコミしたくなる所も。
真相に近づく常磐ルートは、颯と同じくボリューム有りでシナリオに深みがありました。他ルートで全然正体現わさなかったラスボスが、ここでやっと登場するしね!(つーか、常磐ルートだけって…)っても、ラスボスさんはこの人しかおらんやろ、ってな感じでしたが。
彼はひたすらカッコイイ。迸る炎の様な激しい熱情で水緒ちゃんを守ろうとする所、颯と違った愛し方です。ぶっきらぼうで、けど心根は優しくて、と王道キャラではあるんですが、王道のちょっといい感じな抜け感もあって良い男です。
敵に呑み込まれそうになっても、ボロボロになりながらも強い力で全身全霊をもって名を呼び、引っ張り上げるシーン、あれは惚れるわなって(笑)
ベタなんだろうけど、常盤はそこがいいっ!!( *´艸`)
只、常磐のベストって現世コースなんですよね。紅葉くんも居るし、颯の声の事もあるし、幽世でもよかったんじゃないですかと。
まあ、幸せそうなのでいいんですけど!(いいんかい)
けどな~うん、幽世ENDも用意して欲しかったです。

 

それでは。

see you next time!