げーむしたよ!

ゲーム(主にADV)感想備忘録

死神と少女 全体・キャラ別感想

Vita版『死神と少女』の感想です。

難しくていつも以上によくわからない感想になってますが、ご容赦下さい(^▽^;)

 

ネタバレ考慮しておりません。NGの方は以下の閲覧にご注意下さいね。

 

 

死神と少女

©2010 TAKUYO CO.,LTD.

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私は終わりが怖い。

公式サイト

www.takuyo.co.jp

PV

youtu.be

OP:Vita版

youtu.be

STORY

ここではない世界のどこか遠い遠い東の国に、一人の美しい少女がおりました。

少女には作家の兄がおり、いつも新作のお話しを聞かせてもらうことを楽しみにしていました。
「今度の物語は、孤独な死神を主人公にしようと思っているんだ」

兄が語った今はまだ読むことが叶わぬ物語。
それは、死神と少女が蒼色の空の下で出会い、世界で一番美しい言葉を探す旅に出るというものでした。
少女は、いつかその物語が完成することを楽しみに願っていました。

そんなある日のことでした。
蒼色の空の下、時が止まったままの時計塔を見上げている少女に、一人の青年が声をかけてきたのです。

振り向く少女の瞳に映るのは、薄い金の髪、そして空と同じ色をした瞳。
不思議な容貌をした青年は、記憶を失っていました。
青年がただ一つ覚えていること、それは自分が『死神』であるということ───

これは、死神と少女の物語。

全体感想

それが、幻想の上に幻想を重ねた想いでも構わない。

一人の少女の究極の幻想世界。難解で複雑に分岐されていて、まだ疑問に思う事もあるのですが、よくこんなお話を思いつくものだなぁと感心しきるばかりです。
OPの始まりから心にくる曲、見せる演出にグッと惹き込まれます。作品全体の雰囲気は対アリを思い出される。このOPでの死神と旅人の少女の物語、そして始まる死神と告げる蒼と紗夜ちゃんの出会いから続いていく会話で、「世界で一番美しい言葉を探しましょう」など被る科白やシーンが繋がってくるこの進み方がお話の先への興味を抱かせるもので、非常に上手いの一言。
深く複雑に織り込まれた幾つもの繊細な糸を、順を間違えず丁寧に解き紡ぎ直し、全てを繋いで完成させていくこのシナリオ構成の見事さに唸る。
言葉の謎かけ具合もさる事ながら、時として容赦のない切り口を感じさせる言葉など、結構えぐみ強い部分もあるのですが、それら全て輪の中に入れ込んだように全体が美しい水の波紋のようなお話でした。
こちら『遠野十夜』が書いた物語が幾つか出てきて、その都度キーとなる訳ありキャラが登場してくるんですが、紗夜ちゃんが関わる事で救うというものでもなく、既に全ての物語は終わっている事なんですよね。これがまた結構シビアな部分もあり。
【籠の鳥】【ユメミルセカイ】ではこれでもかな現実を突き付けるものでありながら、【I Am a Cat】や千代の存在などはファンタジーとしか説明のつかない事になっていたり、この辺り現実と幻想の入り乱れを感じたりで何がどうなっていてどこまでが真実なのかって頭の整理が大変でした。←お馬鹿故
恋愛ゲームという枠からは、ややはみ出す作品。通してみれば彼らの誰が少女(主人公)を救い出す事が出来るのか、そこから死神とは、読み手とは、物語とは、嘘と幻想とは、これらが入り組み分岐しながらもたった一つの物語であったのかな、と感じた作品。
少女の孤独と依存と嘘と幻想と現実、そして奇跡とファンタジーの物語。
仕掛けられた幾つもの真実は哀しくも切なくもあるのですけれど、私は涙するというよりは色々と頭パンクしそうになりながら考えさせられたりした作品でした。
現実の痛みを突き付けながらも、幻想と優しい痛みと愛情と、奇跡でくるんと包まれる綺麗な世界の作品、どこか霧がかった不思議な感覚です。まさしく幻想なのかな、みたいな。
透ける薄いヴェールに包まれた物語。少女が呪いにかけられた向こうに閉じ込めた、シークレットガーデンの世界。
それぞれGOODENDはきちんと幸福なるENDなのですが(千代ENDは微妙かな)、若干『奇跡』で纏められた気もしないでもないENDも感じたりで、これ私の解釈不足かもしれないです。いやもう、難しかったーっ(^▽^;)

ボリュームあります。共通ルート長い長い!(笑)
後、全員のルートを見ないと見られない『あとがき』であるとか、深層の言の葉を組み合わせて見られる追加エピソードだとか、結構大変でした。
でも追加は本ルートでは見られなかったシーン補足などもあるので、回収は大変ですけど見て損はないです。日生先輩とか特に。
攻略順は公式の推奨、日生・桐島(千代)・十夜・蒼でいくのが一番だと思います。
寧ろこれ、強制にしてこの順になるようにしておいてもよかったんではないのかと。

システムは特に不便な事もなく。うっかり選択ミスしても、バックログから巻き戻し再生出来るのは、やはりありがたいです。最初メニュー画面とかどこだ!?って探しましたけど(説明を見ましょう)。
主人公の名前入力方法、変わっていて素敵ですね(*'ω'*)物語の一部のように溶け込ませる自然な流れが新鮮でした。
スタート画面、十夜のENDを終えたら絵が変わるのがいいですね。あれはちょっとプチテンション上がりました。

絵は作品の雰囲気に合っているし、とても可愛らしいです。紗夜ちゃんのビジュアルが後もう少し大人っぽければと思う時もありましたが、気になる程でもなかったです。
スチルも綺麗ですし、背景も含め、全体柔らかな色彩が心和ませます。この作品の精神面で突いてくる部分を緩和させてくれた気がする。
そして音楽が素晴らしく綺麗でピッタリ!

サブキャラも良かったです。夏帆ちゃん可愛い(*'ω'*)夏目くんといい喧嘩ップルなんじゃないかなーと思います。付き合えばいいのに(余計なお世話)。
気になるのはともゑさんの最後。あれ、偽のお姉さんって事だよね?って思ってたら深層の言の葉で発覚した正体と事実に驚愕とうすら寒さを感じた。だってともゑさんにキスしてたんですけど…歪んでるっていうか怖い。怖すぎる。病んでるというか、狂ってるみたいな。ともゑさんを連れ去ってましたけど、彼女無事なんだろうか。
ヴィルヘルムは純粋に純粋存在でいい奴だし。ただ、ルイスは面倒くさいし屁理屈だけ並べ立てて挙句には開き直る、よく口の回る迷惑な大人だなって感じでしたが。←言いたい放題なり。
個性溢れていて好き嫌いはあるけど、なんだかんだ印象的なキャラばかりでした。

とても面白くて、先の展開がどうなるんだろう!?みたいなハラハラを味わいつつ、どろりとした毒を流し込まれる闇と密度、切なく優しい色と空気、ふうわりと被せられた透ける様な薄いヴェールの向こうの奇跡。そんな最後まで終わりであって終わりでない感覚の物語でした。
本当、幻想ファンタジーだな!!って事で(笑)。考察なんて出来る頭ではないので、こうとしか括れませんでした(;´∀`)

あ、個別の感想は主人公以外、一人プレイ終える都度書いていますので、後々に分かってくる各真相には疑問を書いてたりもします。

 

キャラ別感想

遠野 紗夜/主人公 CV:植田 佳奈

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『終わり』の言葉に呪いをかけられた少女。
一見奥ゆかしく柔和っぽい印象に優等生対応と、深窓の令嬢のような丁寧な口調ながら、激しく暗い感情も持ち合わせており、時に言葉の中に鋭い硝子の破片を降らせてくるので、中々にクセのある主人公。
ともゑさんが婚約者のいる担任教師と恋に落ちた事実を知った時など、「誰かのものを奪うだなんて、汚らわしい」と吐き捨てる物言いをする辺りに表れてます。これ、彼女の母親の事が関係してるんでしょうね。
他の事に関しても結構な我の強さを見せる場面がありますし、自分が受け入れられるか受け入れられないかの見せる反応が是か非かな、変わり目でザックリ切られるような容赦なさ感を覚える。この辺りがやや苛っと(笑)。
そして兄に異様な蜜ベッタリですね。これ、最初は何じゃこの兄妹(゚Д゚;)ってな触れ具合だったので(頻繁にでこちゅうとかする兄妹なんて嫌だ)、引きそうになりつつもこの関係性の異常さが妙だなって事も思わせる。真相で納得。
深い闇に沈むような心を持っているので、表面上の仮面が剥がれればかなりネガティブ。致し方ないけどメンタルダウン時にプレイするとしんどいです。
人間の綺麗な部分と醜い部分を晒してくれるので、中々に刺されるものがあるというか耳が痛いというのか(^▽^;)←出来てない人間その1
理解出来ない事もありましたけれど、そこに至る傷の深みは重く、ネガティブになってしまうのも致し方ないかなと。
作品の内容が特殊でもあるのでこういうものなのかと思いつつも、お相手により恋愛感情への移り変わりがややいきなり過ぎな部分も。傾いてはいたようだけど、そこまで深い恋愛感情?みたいな急な速度だったり、面喰らう事もありました。
孤独、寂しさ、縋るもの、依存の中にある強い願いが形を取る。
全ての始まりの存在で、彼女なくして成り立たない彼女の為の物語。主人公たる主人公でした。

 

日生 光 CV:鈴木 達央

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初回終えてまず、衝撃の事実に加えて非常にややこしかったです。嘘で覆われ嘘を抱き込む、負うべきもののないリアリスト詐欺(言い方)。
正直GOODENDを見ても、どうももやもやーがスッキリしないままでした。これ、私の頭が悪いせいもあるかもしれない(笑)。
最初のイメージは核心ははぐらかすのに、敢えてそれに触れなければ「突っ込まれるのも面倒だけど、あんまり構わないのもどうかと思うな」と言ってくる、飄々とした内心見せない面倒くさそうな人だなぁ、ぐらいだったんです。後、一々嘘くさい(まあ、間違ってはなかった)。
ルートに入って付き合い出してからずっと違和感を感じていたんですが、急にぽかっと空間すっ飛ばされたような、そんな感覚を覚えました。急に二人の密接空間。関係性の深まり具合が急展開すぎないですかね?何か目を閉じて開けたらはい!みたいな、時が随分流れた気すらした許し具合(だってベッドだよ)。
あのお兄さんに付き合っている事を報告したのかもわからないまま進んでいるし、何より全く登場しなくなってるのが不自然な程出てこない十夜兄。これ、蒼もなんですよね。結局全く登場しないままENDだったんですけれど。ENDの一つでは蒼は失踪っぽくなったまま。
彼女が日生先輩と付き合う事となった途端、これまで心の拠り所だった兄と、綺麗な言の葉を探すという事で興味ある存在だった蒼、この二人が日生ルートに入った途端、忘れられたように登場しなくなり、代わりに気味が悪い程に日生先輩にだけ依存していく紗夜ちゃんがいる。一日を終える度に兄の十夜とべったりしていた時が、すっかり日生先輩のみになってるのが「え」って感じの違和感。十夜兄と一緒に暮らしている事すらなかったかのように、部屋にいても姿見せず。話題にも上らず。存在感がきれいさっぱりなくなってるのが凄い。え、これどうなってんの?他のルートで分かるんですかね?(疑問だらけ)
それに千代さんの姿も見えなくなってないですか?彼も姿を見せなくなったと思っていたんですが、紗夜ちゃんが見えなくなったのかな?と。途中、疑問に思ったシーンがあったので。分からないんですけど。これが正解だったとして、蒼、十夜、千代の三人だけが日生ルートで一切の姿を消す意味が何なのか、あるのかないのかすら分からないままでもありました。
日生先輩からの告白を受け、嫌いではないから付き合ってみた彼女が、日生先輩が自分自身すら蔑む自分を、全て肯定してくれた途端のこの急落っぷりが凄まじすぎて、恋愛を見てる感覚がなかったですね。甘いシーンいっぱい出てくるんですけど、偽りとか仮初感みたいなものがずっと取れなかった。
そして好きだと告げ、優しく甘く艶やかに彼女を慈しむ日生先輩ですが、この人もずっと何か仄暗い靄を感じるので、先の展開が怖かったです。
まあ、それを示唆するようなモノローグもポツポツ入ってはいたんですけれど。
そう、思わないよ!本物は別にいて、どこの馬の骨とも知らんそっくりさんがずっと何年も本物演じてたなんて!!
いや、っていうかこれ可能なのかな?色々細々ツッコミたいんですが、そもそも偽物日生は癖や話し方諸々、完璧コピーしたらしいですけど、赤の他人がそんな細かい部分などをどうやって知ったんだとか。無理があるなーって思ってしまう私ですが、ここ気にしちゃうと駄目なんでしょうか(;^ω^)
完璧なコピーらしいですが、ちょっと違うものでもあるようで。本物が理想とする日生だとか言ってましたが、それ以外にもやっぱり本質のズレがあるみたいな。偽物の方が洒落てますよね(酷)。そこがまた紗夜ちゃんも「違う」ってなったんでしょうが、本物も紗夜ちゃんを見て惹かれたとかだったのに、「違う」言われて「光さん!光さん!」って偽物求められたらやるせないわなー。
偽の日生も嘘を貫き通す中に、一滴落とし込むかのように僅か見せる本心。何も持たない偽日生が初めは地位と名誉、金の為に紗夜ちゃんに近づいたと言いながら、「君の全てが欲しかった」とラストで告げてくる本心は、鈴木さんの演技がまた素晴らしいのでグッとくるんですけど、何分嘘が多過ぎて勘ぐってしまう悪い癖(笑)。
それでも、偽物でも自分は偽物の日生と出会い、偽物しか知らないし、好きになったのは偽物のだからと、紗夜ちゃんが選んだのは偽者の日生。
GOODENDは確かに幸せっちゃ幸せなENDなんでしょうけれど、紗夜ちゃんが偽日生に落ちたあの瞬間がどうにも恋愛してる感が私にはなく、依存愛そのまま突き進んでいったのは微妙な心持ち。
で、ENDの一つは偽物とさよならし、本物と滞りなく見合いをして好きですとか言ってるんですが…あれ、何かこれ偽物の方にも見えなくもない?みたいな。
言い方が洒落てる気がするんですよね。本物ってあんまり出番なかったからアレなんですが、薔薇の棘云々のくだりが上手い言い方なもので。それに紗夜ちゃんがあんな切り替えて本物に「好きです」とか言うのも疑問でもあったり。まあ、わかんないんですけどね。依存出来るならって、したたかに心が変わったよENDでもあるかもしれない(それはそれでヒロインどうだよって話だけど)。
横ではありますが、結局あの偽日生に気があるようにしていた女生徒って、終盤でタイミングよく声かけて来たから仲間かと思ってたんですが、そのままサクッとアウトで何だったんだろ(笑)。場所教える役割だけの登場?
うーん、入り組んだ難しい話でした。恋愛どうこうよりも、他の事に気がいってしまった日生先輩でした。ただ、頭の良い人である事は確か。舌を巻く勘の良さも、敵に回したくないタイプですねー。

 

桐島 七葵 CV:千葉 進歩

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外側から内側への介入者、みたいな桐島先輩。
日生先輩の偽物本物事件のより踏み込んだ真相エピソードが追加で見られました。日生ルートは偽物である彼との結末がどうなるかだったので、彼のENDに向かわないバージョンの展開。
でも日生ルートでは分からなかった事を知る事が出来ました。日生ルートでは本物が見分け方が分かったと言ってはいたものの、その見分け方は明確にされないままだったんですけど、こちらでは紗夜ちゃんが見抜いて暴く展開。味覚障害だと。成程な伏線があった事も知れて、記憶フル回転でしたよ。
本当、これめっちゃ頭使うお話です(*_*;)しかもこちらのルート、偽物がいると皆に告げる本物を演じる偽物の日生とか(書いてると何のこっちゃだわ)で、頭の中がはぁぁい!!??(゚▽゚;)ノです。
俺があいつであいつが俺で、俺のもう一人の俺をあいつも奪い、俺のあいつが俺になるあいつとか、頭大丈夫かな阿呆な事を言いたくなる(笑)。
頼みます、色分けして下さい、みたいな懇願状態の種明かし劇場に、私の貧しい脳処理が追いつかない( ̄▽ ̄)
日生ルートで疑問に思った成りすましがそんな簡単にいくんかいな事とかも、人の心理と思い込みを上手く利用したんだなぁ、と思ったり。それでもまあ、凄いけど。情報網どんだけなんだ。とにかく偽物日生が凄過ぎるのか。
それとあのお仲間さんの声って、やっぱりあの女生徒さんなんですかね?張り巡らせて繋がる糸が多過ぎてパンクしそうなのに、まだまだ色々ありそうなんですよね、このお話。
偽の日生が「噓つきはすぐ傍にいる」の言葉を紗夜ちゃんに残しているしで、不穏はまだ消えず燻ぶるままに。
そして5章で漸く桐島先輩ルート入ったんですかね?一体いつになったら桐島先輩との関係は進むんですかと、心配になる進展のなさっ!(笑)
真面目で実直、無愛想な印象ながら心根は包み込むような優しさに溢れている人。
紗夜ちゃんが校門で待っていたら「噂でもされたら迷惑だろうが」「私は…別に迷惑ではありませんが?」「無防備すぎる!」って叱ったりする所で人柄が出てます。こういう多く語らず大事にしてくれる人好きだー。
桐島先輩はこの攻略メンバーの中では唯一まとも。歪でない存在。それがラストのGOODENDにも表れていたように感じられます。
この作品世界内において、見ている側な人が見ていられなくて介入してしまったみたいな印象。見えないものを見る、特殊なものを持ちながら、彼は一貫して冷静に全体を客観的に捉えていた人でした。
それにしても本当に恋愛っけがないし、ちょこーっと進展しそう!?ってなってたらそれどころじゃないみたいな展開だったりと、この作品は恋愛より違う方へと目を向けてしまう(;^ω^)
漠然と幽霊かと思われていた千代さんの正体がここでは明らかになるんですけど、めっちゃファンタジーがきたので他の事がまた気になってくる私。←
ヴィルヘルムの件もあるんですけど、千代さんが秋桜の化身であるなら死神の存在も本当にあるのかな?蒼の「自分は死神だ」って言葉、何かの比喩があってこの人自体は人間だと勝手に思ってたんだけど、ここまでくると全体的に何かの幻想世界のような不明瞭なものを感じてもやもや気持ち悪い。
日生ルートでも思ったんですが、個別に入って紗夜ちゃんが誰かに恋情を持ち始めると、ある部分部分で違和感が如実に出てくる。
紗夜ちゃんが時計塔の針が動かない事に気にならなくなったとの発言など、細かな小出しの気持ちの変化や、蒼は姿を消し、十夜兄はまるで存在がなかったかのように出てこなくなる。あの何かっちゃべったりな関係性だったのに。桐島先輩の場合は部屋のシーンが少な目ではあったものの、日生と続いてとなるとさすがにおかしく思える。
蒼はまだこの時点ではよくわからないんですが、十夜兄は紗夜ちゃんの幻想なのかとも思ったり。でも桐島先輩や臥待さんと普通に会話が成立していたので違うのかな?お父さんも「またあいつか!」と存在は知ってるっぽかったし。何だろなー?って纏まらないままです。兄ルートにいくまで持ち込みだな(^▽^;)謎、難解。
それにしても、ボールが窓を突き破って硝子が砕け散るのを咄嗟に庇えるって凄くないですか、瞬発力どんだけ桐島先輩。あのスチルの庇い方萌えるな!もう包み込みハグ庇いがカッケー!!(≧▽≦)←
トラウマなのか、硝子の破片を見た瞬間に取り乱す紗夜ちゃん。「私が悪い子なの!私が魔女なの!だから私から奪わないで!!」って前にもカップ割れて取り乱してたから、両親絡みかな。まだここまでで詳しく分からず。それにしても闇深そうで怖い。
そんな紗夜ちゃんに「何をしたらいい?」と問いかけ、請われるままに頭撫でる優しいスチル!いいなー、桐島先輩は頭なでなでシーンが多くて、頭撫で好物な私としては見逃せない(知らんがな)。
人に見えないものが見え、千代さんともそれが切っ掛けの長い付き合い。けれどそれが突如見えなくなる事で、千代さんの正体に繋がり別れがくる流れがメインの桐島ルート。
いつかくる終わり。いつか迎える結末。紗夜ちゃんが千代さんの消滅に異常に抗い涙するのは、千代さんとの別れが哀しい、嫌だ、それ以外にも含むものがあるようなんですが、過去のトラウマか何かのリンクかな?
謎な部分はまだ残したままであるものの、切なくも哀しくも綺麗で優しさに溢れた別離の終盤は、桐島先輩と千代さん二人の絆と愛情がとても温かなものでありました。
そして「好きだ、紗夜」ってやっと言ったよ!(サラッと)もうすっかり色々あり過ぎて、私も先輩告白とかしてないの忘れかけてた!(笑)
GOODENDは結婚して子供二人と秋桜に囲まれ幸せに、なラスト。一番順を追い安定している人だな、と思いました。紗夜ちゃんにはこの人が一番いいんじゃないかなー。揺らぎある彼女をしっかりと受け止め、前に進む路へと支えてくれる人だと思います。
「知っているよ」の千代さんの優しい優しい言の葉が響く、とても幸せな気持ちになれるEDでした。

 

千代 CV:野島 健児

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桐島ルートより分岐。正体桐島ルートでも書きましたが丘に咲く『秋桜』。
とてもとても癒される存在でした。千代さんの柔らかに何でも包み込むような「お嬢さん」の呼び方が和む。
清純で綺麗な愛情の形を見せられました。やはり花故なのか。
リンクするお話の春に咲く桜に焦がれる秋桜。決して同じ時に交わらない二つの花。その文面は激しくはないのに求める切ない声が悲痛な程痛く、切々と伝わる物語。
結局千代ルートと言えども消えてしまう事は同じであるんですが、ラストのスチルからのエピソードは何だろな?(頭悪い)
あのお話の続きで、秋桜の声を聞いていた少女に恋する男が、お嫁にいく少女に意を決して声をかける。その男が千代さんとなって、少女が紗夜ちゃんになってるみたいなスチルだったんですけど…う、うーん!?これ、あまりつっこまないでファンタジー的な感覚で見ればいいのかな?言い方悪くて申し訳ないんですが、置き換えみたいに幸せっぽいものですみたいな?(でもあれってハッピーエンド方向か?)
私の理解力が追いつかないせいで本当、ロクな感想でなくてごめんなさい(;・∀・)ちょっと消化不良だったかな。いや、でもスチルの千代さんの笑顔は素敵でした。

 

遠野 十夜 CV:川島 得愛

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究極の幻想、絶対的な深い愛をヒロインに注ぎ尽くす存在。
妹溺愛が突き抜け過ぎで怖いなーシスコン凄過ぎて引いちゃうなー、そんな第一印象の十夜兄さんでした(笑)。
「この世界で、誰よりも、何よりも、美しき夢を歌う詩よりも。愛しくも明暗あらたかな、つかのまの日々よりも、無窮がさらされる夜よりも…何にも代え難いお前を愛しているよ」ですよー、リアルだと凍えそう(おい)。
そしてその兄の言葉にうーっとりとする紗夜ちゃんに、何とも言えない引き潮が私を襲う(笑)。
こういった恋人のような戯れ具合には何この兄妹状態(←)で、真相が分かるまでは単に血が繋がってないのかと、それでも最初は異様なベタベタっぷりに只々引くだけだったんですけど、この方も途中から存在が怪しく感じてきた所で漸く本人ルートの黒の章で正体判明。
回収されていく伏線、かなり真相が解かれてきました。もう吃驚しながらも他の疑問がまた生まれたりで、頭疲れるーって感じでしたが、十夜兄さん、予想を超えた先の正体。
『死神と少女』の死神がここでくるとは全く思わなかった。もう途中からてっきり十夜兄さんは紗夜ちゃんの強い思いから生まれた幻想の産物なのかと。まあ、ただの幻想だったとしたら桐島先輩は別格として、臥待さんが普通に会話してたシーンの不思議が残ってはいたんですけど。
っていうか、『死神』って存在する設定だったのか!って違う驚きも。まあ、ぬいぐるみや秋桜が人型(猫田は着ぐるみ型か)人の姿になるんだったらありか。そもそも『死神』も幻想とか?でもきちんと『個』があるし、単独行動してるよね?っていうかじゃあ、蒼って何なんだ!?と、頭が限界の私(笑)。
紗夜ちゃんの両親と愛人、主に継母と実の母親(愛人)の事もここで詳しく明かされるんですが、予想通りドロドロ昼ドラ状態。
自分の娘として育てた紗夜ちゃんを、愛してはいたけど日毎に自分と比べてまるで違う、美しい愛人にそっくりになっていくのを見ているうちに、劣等感から被害妄想に苛まれて心を病んでしまい、目の前で硝子の破片を突き刺し自殺。
大好きな継母を死に追いやった自分の存在、愛もくれない実の母親の所業と虐待、そんな人を選んだ父親。そらトラウマになるわなです。この父親もなあ…勝手なもので。娘は都合のいいペットじゃないんだからって感じの愛し方で、好きになれなかった。硝子の破片に錯乱してしまうのはここからきてたんですね。自分が魔女、と言うのも。何だかなーって感じで父親ぶっ飛ばしたくなる(←)。
そして実の母親たる愛人が正妻の座につくけれど、元々育てる気もなかった母親だったので折り合いは悪いまま。虐待され孤独のまま体調崩していく紗夜ちゃんに死が迫った時、死神が現れる。これが心も何もない、ただの『死神』だった十夜兄さんだったと。
この登場の死神の黒い衣装が実に好みっ(聞いてない)。自我が薄いのか、話し方が感情の薄い蒼に似ていてより低めの声がまたいいんですよーっ!(何処で萌えてんの)
ここの紗夜ちゃんとの遣り取りはそのままお話の『死神と少女』で、「この世界で一番綺麗な言葉を探すまでは生かそう。それまではお前の時を止めよう」と、紗夜ちゃんが望むものに求めるものになり、共に在る事を契約とする。そしてここから『遠野十夜』が生まれると。
この時点で黒い死神(十夜)は、紗夜ちゃんに何かを感じ持っていたのかな?とも思ったり。だからそこから一緒に居る事で、人らしい感情、『遠野十夜』として変化し愛情を持つ存在になったのかな、と。
偽の日生先輩が残した本、「君は魔法にかかっているお姫様だ。俺はその解除方法を知っている。嘘つきはすぐ傍にいる」なる言葉の意味もここではっきり繋がってくるしで、色々な糸があっちこっちと本当に練られてるなぁ、と感心。見逃してしまいそうな事まで出てきたりで、記憶再生が大変でした。
でもこの死神と少女の本は結局誰が書いたのかまではわからなかったんですよね。十夜でなければ誰なのか。作者名は『遠野十夜』のままだし。紗夜ちゃんが幼い頃からあった本。蒼ルートで判明するのかな?あの臥待さんが過去にも出てきて、継母と仲が良さそうだったし、彼が関わるのかな?うーん?だし。どこからどこまで意味があるのかないのか。この人って十夜と会話してたのも不思議だし。
彼が『死神』で、現実には存在しない兄、『遠野十夜』である事。共に傍にいる事で心を持ち、『死神』から『遠野十夜』という存在へ変わり、紗夜ちゃんを愛しく想っていくからこその深い愛情が、自分は求めず捧げるだけの言葉に繋がっていく事もわかりました。
他ルートで「俺の全てはお前のものだ。けれど、お前は違う。お前は俺という存在に縛られてはいけないんだ」って言ってたのは、自分が『死神』で幻想であればこそ、大切だからこそ死しか先のない自分を選んでくれるなって思いが切ない。紗夜ちゃんが他の誰かを想い、遠野十夜を忘れる事で自分が消えれば生きていける、その逃げ道作ってくれるなんて、こんな優しい死神がいるんかいなくらい優しい。死神の悪いイメージなくなるこの作品(笑)。
紗夜ちゃんを生かす為、その為には自分とは結ばれてはいけない。だから他のルートで恋愛感情を持ち始めたら出てこなくなったのは、そのまま生きて幸せになって欲しいという願いの結末だったのかな。十夜の愛が凄い。
『遠野十夜』は彼女の心を映し出して生まれた存在。実際には存在しない幻想の死神。それが心と愛を生み出す事で死神でもなくなって、けれど人でもなくなり苦しみ、紗夜ちゃんへ投げかける「何もなかった死神の俺にお前は『遠野十夜』として存在を与えてくれたんだ」「俺はもう自分が何なのか分からない」と言った言葉が印象的でした。
それに対する「貴方は遠野十夜。私の世界で一番大切な存在。私が世界で一番愛している人」の紗夜ちゃんの応える言葉とか、『死神と少女』の物語にこの二人がリンクしていくシーン、言葉の繋げ方は凄いの一言です。
ただ、ここまでのシナリオが凄かっただけに、GOODENDはちょっとあっさり奇跡が起こったよ!な感じで一気にまとめられたのが残念でもあり。
いや、幸せなのは良かったんですよ!本当に!!幸せになってほしいですよ、十夜さんはっ。
「俺の全てはお前の物だ。お前の為なら俺は何でもしよう」がこれ程深く、有言実行な人(じゃないけど)はいないと思った十夜さんでした。
横かもしれないですけど、蒼はあの後どうしたんだろ?何かふははははっ、ってな感じで本物の死神になれるぞーっ(早く人間になりたいっ的な感じで登場したけど)って、フェードアウトしたのが気になる(笑)。

 

蒼 CV:神奈 延年

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死神になる事を求め続けた青年。
神奈さんのお名前で思い出すのは、あのアンジェの無駄に元気で爽やかで、一緒にいると疲れそうな(失礼だ)風の守護聖ランディ様だったので、こんな低めの声のイメージが全くなく驚きが凄かったです。いや、これはわかんないわ(笑)。
とにかく、声のトーンが絶妙萌え!!何かずっと聴いていたくなる声の響きなんですよ。淡々とした話し方なのに、聴き入りたくなる。
この素敵ボイスで「おいで」って何度か紗夜ちゃんに言うんですけど、あの「紗夜、おいで」が私的、破壊力凄いっ!!!(力入れ過ぎ)またこの時に僅か柔らかさも含む時があって、何回も聴くって!!←
で、死神と名乗り謎多き記憶喪失から登場の蒼は、何も持たず何も感じず疎外され、死神みたいだと呼ばれる内に自分が唯一惹かれた『死神と少女』の死神になりたいと思うようになり、幼い頃に何故だか会っていた臥待さんから「死神は唯一の存在。君が死神になる為には本物の死神を殺さなければいけない」と条件を教えられる。そうして成り代わるんだと。
いや、臥待さんって本当何者なんですか!この時点では過去絡みが紗夜ちゃん、蒼と接点あるのがどういう繋がりなのか見えなくてちょっと何の目的かが不明瞭で怖い。
10年経っても思いの変わらなかった蒼は本物の死神の十夜を殺し、自分が死神になる為に十夜のいる東の果ての国に来る事になり、そこで十夜と紗夜ちゃんの姿を見て彼の存在意義たる紗夜ちゃんを殺す事で死神になれると考える、って事ですが…この二人の姿を見つけた時の蒼の反応が何だか羨望と嫉妬っぽかった気もしました。
彼がなりたいのは単純に命を奪う死神ではなく、『死神と少女』の『少女』の傍らにいる『死神』だったから、物語そのままの二人の姿にそこにいきたいのは自分なのに、みたいな思いもあったのかな、とか。殺さなければ成り代われないし死神になりたいけれど、欲しいものはあの二人の形であったんじゃないかな?
だからいち早く気づいた十夜兄さんは記憶を消し、後に蒼に懸けてみたくなったのではないかと。
十夜と蒼は『死神』と呼ばれる枠で言うなら似て非なるものだけど、紗夜ちゃんと蒼は似ている者同士で変わる事が出来れば命を、未来を繋げる事が出来るものの二人。
死神になりたい死神と愛する心を持った死神、欠ける者と欠ける者、そしてこの二人の死神はどちらの物語も『死神と少女』に被っていく見せ方、奥が深い物語です。
記憶を失い、出会い、十夜と違うものでありながら同じ『死神と少女』をなぞらえていく進め方が凄いの一言。二人の死神ってこういう事だったんだなぁ、と。
共通ルートから紡がれていくエピソードから全部、分岐しながらも一本のものであった物語。終盤の出会いのシーンに戻る演出はグォッ(どんな表現)とします。こういう演出本当、良いですよねー。好きな繋がり方。
二人の心が共鳴し合っていく姿、その言葉の遣り取り、もう一人の大切な存在たる十夜との想いが絡まり合い、温かくなったり、ヒヤリとしたり、切なくなったりと、考える事もいっぱいで忙しかった蒼ルート。
「蒼、私は終わりが怖い」「紗夜、終わりを畏れるな」から彼女を救う言葉を齎した辺り、やっぱりメインは蒼なんだなと。兄ルートと科白が同じでありながら違うのもグッと掴まされます。
紗夜ちゃんは終わりが怖くなっていた。終わってしまった大切な人達を失い、自分の所為だと思い、喪失を畏れ、寂しさから終わらない物語を求めた。
それを見抜いて蒼は畏れるなと告げ、終わったのはお前のせいではないと言ってくれた。終わりは誰にでも訪れる等しいもの。終わりを畏れない事で、紗夜ちゃんも終わりを受け入れる事が出来て初めて救われる。
記憶を失い死神だと思っていた蒼も、紗夜ちゃんに惹かれていきだした辺りで思う心の変化。「私は何故だかお前の事ばかり深く思い込んでいる。お前がいない間もお前の事が忘れられない」とか、十夜に邪魔されてムッとしてたり、感情が出ている部分が何か可愛らしかったです。
死神は終わり。ものの終わりゆく傍にいて終わりを見届ける存在。
終わりを畏れる彼女が何故、死神の自分を畏れないのか。彼女は自分を助けてくれたから死神を怖がらない。矛盾していると言いながら、自分もまた死神でありながら彼女を助けようとしている。お互い矛盾だらけの関係。
けれども救いたい。終わりを畏れ、全ての終わりを自責へと負う彼女の呪いを解く為に、終わりを受け入れるように。自分の所為ではなく、終わりは等しく訪れるものであるとそう彼女に伝わるように、静かながら冷静な感じながら、紗夜ちゃんを想い救いたい気持ちが面映ゆい所でもあった蒼。
記憶を取り戻しても、殺さなければいけない考えに囚われていても、彼女を殺せなかった蒼。
「死神にもなれず、人間にもなれず、私という存在は何なのだろう?何もない自分は死神ですらない。死神は『終わり』だ。私は『終わり』になりたかった」何だかこのヒシヒシとした音のない慟哭、愛しささえ覚える。何もないからせめて終わらせる事の出来る死神になりたいとか、小さいコの悲鳴みたいで。
蒼によって救われた紗夜ちゃんが、今度は蒼を救う「貴方は貴方です」って返すのもまたね。十夜兄と同じく、存在を確たるものにする流れは好きです。認められる、認め合える、これ素敵ですよ。蒼の「死なないでくれ」も心にくる。
何故蒼が紗夜ちゃんが持っていたはずの『死神と少女』を持っていたのかも、幼い頃に出会っていたエピソードで繋がっていくのも凄い憎い(笑)。色々いっぱい結ばれてるので頭使う使うなんですけど。
それにしてもこのルートの十夜さんがもう、本当っっに!!とんでもなくやっさしい!!!切なすぎて愛があり過ぎて、どうしてこの人も何とかならなかったのかと思ってしまう。なんだかんだで蒼にも優しいんですよね。お人好しだよっ(人じゃないけど)。
「どうして蒼を選んだのか。せめて、お前を大事にしてくれる他の男を選んでくれれば良かったのに」とか言っていながらも、彼女の望むままに幸せであれとする貫きが尊い方でした。
ラスト、このENDも良かったんですけど、やっぱり何だかまるっと奇跡に収められた気もする…結局紗夜ちゃん一度死んだのにあっさり生き返った事がこう、あっさりで。
でもこれって一つの『物語』で、こういう奇跡っぽいのも『物語』なんだとも思えてきた。解釈色々、頭足りない私( ̄▽ ̄)

 

あとがき&深層の言の葉追加エピソード

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全員のEND後、解放なのかな?
ここで臥待さんの事が詳しく明かされてます。彼があの作家『遠野十夜』本人で仕掛け人とも言える人。でも所々謎多き人である事は変わらず。食えない人だなー。
結局『紗夜の兄、遠野十夜』も『死神』の存在も紗夜ちゃんが生み出した幻想と言ってましたが、そんな独り歩きするものなんだろうか?本人居ない所で考えて動いて?この辺りは首をひねる部分もありつつ、もうわけが分からないので自分が納得いく形に収めておきます。
そして桐島先輩、最後の最後で貴方が一番ファンタジー!Σ(゚Д゚)いや、え!?違うか、やっぱり一番現実サイドって事なのかな!?『読み手』の立ち位置である彼が…って事は三国恋戦記みたいなもの?真相は記憶がないので分からないんですけど、いやいや吃驚したなー。
どれに分岐し、誰を選び、どういう結末を迎えたのか、どれもが存在しているのかもしれない、全てが読まれている物語の一つかもしれない、なんてこの作品全体の事を語っている様で、本当結末のない結末を書く『遠野十夜』たる作者らしい存在の臥待さんでした。
何処までが現実で、どこまでが幻想なのか。この世界は何なのか。本当は全てが幻なのか。何か古書店街の橋姫のフレーズみたいになりましたが、明確にしないのが臥待=遠野十夜の考えならば、後は各々の考えでという事なんでしょう。うん、そういう事で(笑)。

深層の言の葉の各追加は補完的なもので、よりその時のあるシーンの裏側って感じです。日生ルートのあの女生徒、やっぱりお仲間さんだったんですねとか、疑問がスッキリするものがありました。
夏帆ちゃんのENDは本当可愛らしかったです(*^-^*)いつもはこういうタイプの女の子キャラってあまり…な事が多いんですけど、夏帆ちゃんはもう滅茶苦茶可愛くて良い子でした!愛でたいわ(*'ω'*)

 

たらたら長くてすみません(;^ω^)
感想書くのは難しかったんですが、作品としてはとても面白かったです。

 

それでは。

see you next time!