ゆるりと壺中日月長

ゲーム(主にADV)感想備忘録

幻奏喫茶アンシャンテ 全体・キャラ別感想

Switch【幻奏喫茶アンシャンテ】の感想です。

 

※前以って記しておきます。
ミシェルルートEDに関して最高!好き!な方は、以下の感想、否定的な事も書いていますので、自衛して下さい。

 

※ネタバレ考慮しておりませんので、NGの方は以下の閲覧にご注意下さい。

 

 

幻奏喫茶アンシャンテ

©2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

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異世界、人外、喫茶店
    ちょっと不思議で賑やかで。
        誰も見たことのない物語。

公式サイト

www.otomate.jp

PV:第一弾

youtu.be

PV:第二弾

youtu.be

OP

youtu.be

STORY

祖父が営んでいた、一軒の喫茶店

そんな彼の突然の訃報、そして遺言により
主人公はその喫茶店へ関わることに。

どこか不思議な雰囲気のその場所で、
彼女は不思議な男たちとの出会いを果たす。

「どちらさまも何も――異世界からのお客さまだけど?」

朗らかに笑う彼は、自称【魔王】。

その出会いは偶然か、必然か。

人ならざるものたちとの出会いの先に待つ、物語とは――。

 

全体感想

いらっしゃいませ!喫茶アンシャンテへようこそ!

イメージを丸ごと覆す、衝撃展開連続なる作品でした。
だってあの発売前のPVだけを見ていると、人外が訪れる喫茶店を舞台に繰り広げられる、ほのぼのコミカルちょっぴりシリアス入りつつ?な感じの恋愛ストーリーかと思うじゃないですか。
全然違った…!!!根幹が激重な重厚さ。とてもとても良い意味で裏切られるお話です。
いや、コミカルもあるし、ほのぼのもあるんだけども、それを上回る圧倒的なシリアス量に「ぇ、えぇええぇー…(゚Д゚;)」ってコントローラー持ちながら(Switchはジョイコン未使用)、凄い重い展開に驚きが止まらない状態でした。
これシリアスな部分もPVでもっと匂わせてたら、前反応かなり違ってたんじゃないのかなぁ~って個人的に思ったり。失礼ながら私、発売前はPVとかOPムービーだけ見ていてもっと気安い雰囲気の作品かと思ってたんです。謝罪したいくらい重厚なお話でした(平伏)。

共通ルートがかなり長いと聞いておりまして覚悟しておりましたが、お話がとても丁寧で飽きない為にだれません。
共通が長いといっても4章から8章は各1章分をまるっと使って攻略キャラ一人ずつをメインストーリーに充てている為、半個別・半共通のように思えました。完全な個別ルートに入る前の導入準備シナリオな感じ。キャラをより深く掘り下げ、伏線を振りながら個別へ持っていき纏めていく流れがとても上手。
この細やかな配慮が心地良く、お話に自然に集中出来ます。ともかくこの丁寧さが本当素敵で大好き。
現実社会のリアルさと異世界人外のファンタジーさのマッチングが、ぼかしたり濁さずにいながら綺麗に嵌っており、溶け込み具合が絶妙だなと思います。腕の良い職人技を見た気分。

システム面はやっぱりジャンプ機能がない辛さ。共通の長さがかなりあるのに対し、この機能が搭載されてないのは非常に効率が悪かったです。既読スキップが早くても長さが半端ないので時間勿体ない。
コンテンツは喫茶店らしい世界観を隅々まで感じられる作りと、一人一人の一問一答があり、楽しめる部分が多かったです。全体お洒落で華やかで癒し効果のある色彩。

絵はユウヤさん。ライラとまた塗りが違ってて素敵(≧▽≦)とにかく男性は勿論ですが女性キャラもマスコットキャラも全部が魅力満載。身体の描き方っていうか筋肉っていうか筋っていうか、そこが素晴らし過ぎて見入る。
腕とかの筋っていうのかな?骨ばった手とか指とかそういうのがすっごく好き!!(マニアック)
アンシャンテは背景とか料理とかも綺麗ですよね!コンテンツの料理が本当美味しそう。

キャラはイケメンなのは標準装備として(カヌスさん顔ないけど)、男の人も女の人もプロポーションもいい感じ。
やっぱり好みなのは凛堂さんですけど!(笑)
サブキャラでは草庵さんとか狩谷くんとかアスモデウスとか…いっぱい好きな人多くて困りました!草庵さんなんか故人なのに、あの大塚さんボイスがいけないんだ!攻略したいわ!←祖父だっての
狩谷くんは琴音ちゃんとのエピソードもう少しあってもいいんじゃないかってくらい大好き。いい子ですよねー。将来良い男になりますよ!
そしてコロロとテンちゃんの激可愛さにキュンキュンしまくりでしたっ!!
ホント、可愛い!!グッズとか出たら欲しい!(でも出てもお値段高いんだろうな←)

タイトルは喫茶店ですが、アンシャンテという喫茶店を軸にそれぞれの故郷と彼らの抱える問題が展開されていくものといった、アンシャンテは皆が心休まる宿り木みたいな感じ。
ラストのミシェルで色々なものが全て一つになっていくと、思ったより壮大。ノアの箱舟が出てくるとは思わず。
通してみると、全ての元凶を辿れば人間が何かしら関わってるんだよな…と思ってたらミシェルルートでそういう事か!って繋げ方凄い。

恋愛は糖度は全体低めです。萌えドキドキ♡というのではなく、彼らの問題から自然に恋愛も絡んで…みたいな落ち着いたものだったかなと。
一番恋愛萌えがあったのは凛堂さんでした!はい、やっぱり凛堂さん一番!
シナリオではイルが断トツ好き。カヌスとイグニスは御伽噺な流れが好き。ミシェルは全ての真相と大団円含んでいたので、ちょっと特殊かな。私的にEDが彼だけうーん(;^ω^)でした。

横なんですが私、関西人なもので『人外』の発音が違う事に違和感が最後までありました。なんだか別物に聞こえて仕方がなく。
シティーハンターの『冴羽さん』発音もかなり違和感だったなーと。
『暴君』とかもなんですが、乙女ゲームではあっても同じ言葉がここまで出てくる事がなかったせいで、いつもは適度に脳内変換してたんですが、今回はきつかったなー(^▽^;)←完全余談

とても丁寧に大切に、魂削って…のお言葉が染み入る作品。
私の個人的な好みにより、一点だけどうしても拭えない残念なEDがありましたけれど、素敵に作られた作品でした。

 

キャラ別感想

淡木 琴音/主人公

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迎え入れる者

祖父の亡き後を継いだ、アンシャンテの若き新マスター。
かっっわいい!!スタイルいいっ!!胸の大きさ好み!!(お前はどこのオッサンか)
この作品、現代ファンタジーな雰囲気だったので、まさかのガチガチリアル社畜(ブラック)企業が出てくるとは思わず、わー…( ̄▽ ̄)ってなりました(笑)。何と…色々驚かせてくれるぜ、アンシャンテ!(誰やねん)
開業までしっかり何の資格やら許可やらが必要だとか、それについて勉強したり、珈琲の淹れ方を練習とか、普通ざっくり流してきそうな所を丁寧に見せてくる所もリアル。ほぼ常連人外だけが客だっていうのに、この辺のシビアさが痺れる憧れるぅっ!(Byジョジョ1部)←おい
攻略キャラ視点が度々あり、そこで彼らが琴音ちゃんを思い浮かべたりする事もよく見かけられるんですが、そのおかげで通常画面に出てくる所が気に入ってます。ヒロインの画面出が多いのって中々ないので、個人的にもっとこういう感じがあったらなぁと思います。
とにかく災難さがとんでもないヒロイン。怪我や命に関わる事が多い。イグニスルートなどは限界超えてるんじゃないかと思う痛めつけられ方。
悩む事も、迷う事も、時に挫けそうでありながら、心根が素敵なヒロインでした。最初のまごまごしてる姿から、最後には草庵さんに負けない彼女なりのアンシャンテにしていく所が頼もしかった。


カヌス・エスパーダ CV:梅原 裕一郎

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業を負いし者

うちの長男に「わー…恰好良い…(*'ω'*)」としみじみ呟かせた、カヌスさんです(笑)。深い嘆きと哀しみに染まりながらも、失わない優しさと誠実さが騎士らしい騎士。
あの人外メンバー中、誰よりも常識人だと思うのに、琴音ちゃんの最初の第一印象発言が「…不審者」の一言で片づけられた、可哀相な騎士(笑)。
いやー、驚きの攻略対象で顔がない!!何かの条件で現れるとか、そういう予想も蹴り飛ばされる勢いで覆されました(笑)。あるにはあるらしいんですが、見えないとか。結局全編顔は分からないままEDという、乙女ゲー攻略キャラなんて初めてです。
でも顔が分からないのにイケメンです。梅原さんボイスと演技力も活かされてますが、カヌスの言動とかが顔ないのに男前っぷりが窺えるんですよ。カヌスマジック☆←茶化さない
首から溢れ出るオーラのカラーで感情が分かるんですけれど、個人的にグリーンカラーが可愛らしくて好きです。何かあれだけクローバーみたいなの描かれてますよね。和む(*´ω`*)
彼の住まうのが妖精界。そして彼も妖精でデュラハン。あのイメージ的には怖い妖精ですよね。妖精で首無しって所からデュラハンって想像はつきそうなんですけど、何か昔何かの本で見た時にはイメージは妖精っていうより妖魔っぽいなーと思った記憶があります。だって首無し馬に乗って片手に自分の首持ってるとか何とかで、怪談の域だよ!って。
因みに私は妖精の本を見た時に、ほとんど皆、無邪気な悪魔だと思いました(笑)。この作品に出てくる妖精もそんなイメージ近かったですね。琴音ちゃんを「飛びましょう♪」って突き落とすシーンは特に。悪気ないし理解出来ない、厄介でふわゆるな所が妖精イメージまんまでしたので、妖精の本とか読んだ時の事を色々思い出しました。
そんな私の思い出話はさておき(ホントに)、最初の琴音ちゃんとの触れ合いやらそれを皆に弄られるほのぼのさもなんのその、直ぐにシリアス突入の重さに何だこりゃなる驚き状態。
長寿過ぎる妖精の増えすぎで、妖精世界のバランスを崩さない為の同族殺しを負う死の妖精とか。けれどそれも本当はメディオを形成させているたった一本の巨大な世界樹の、巨大すぎるが故に足らない養分を補う為の犠牲で、メイン養分が世界樹の花嫁と虚飾されている妖精女王だとかの、引く事この上ないえぐい世界でした。
これだけ建前綺麗に飾り立ててるのも凄い世界だなーと( ̄▽ ̄;)妖精っていうふわふわでキラキラな見た目の裏側の、剥き出しなえぐみが何ともなお話。女王の身が世界樹に接続されていて、少しづつ命を吸われているのも何とも嫌な気分にさせられる。虚飾が過ぎるよこのメディオ…。
実情を知るのはそれに深く関わる者達だけっていうのも、何か現代に通じる部分にも見えてどんよりした気持ちになりました。
過去世界樹に立ち向かったティターニアとヴェンニーアの姉であるバンシィの存在、そして敗北し、より多くの犠牲が出た歴史を繰り返すことを恐れ、世界樹をどうにかする事も諦めたカヌスは、自ら業を背負って同族を贄に捧げてメディオを守る任を続けていると…いやこれ、ホント重くて、それぞれティターニアとかヴェンニーアとかの立場や思いも絡み合っていて、ずっとあのクソ(おい)世界樹どうにかならんのですかー!!ってなりました。
自分がしている事を考えれば、哀しみ、苦しむのは間違っている。だから首無し騎士で良かった。顔を見られずに済むからって、そう吐露している彼のスチルが何より哀しい。顔が無い事が余計に嘆きを表しているようなあのスチルが強く印象的。
そんな中で『アンシャンテ』が唯一の息をつける場所。琴音ちゃんが亡き草庵さんの代わりにマスターになった事で、二人のお客に対する接し、触れ、与え方の違いからお話が動き出す、この流れがとても好き。
草庵さんは広くドンと構え受け入れながら、深くは何も聞かず、決してボーダーラインに踏み込まず、けれど察せられる闇部分に一滴のアドバイスを落とす、そんな感じなんですね。
けれど琴音ちゃんは素直にまっさらに笑顔で受け止めながらも、もっと知りたいと飛び込んでくる勇気、向かい合おうとする無謀な程の若さと強さで真っすぐにぶつかってくる、タイプの違うマスター。
草庵さんの踏み込み過ぎない『アンシャンテ』はカヌスにとって居心地が良いものだけど、ヴェンニーアも言っていた【現状維持】、なんですよね。
自分の罪深さを隠せたままでいられるカヌスには、草庵の『アンシャンテ』の形はそれこそ【そのまま】であってほしかった。でも変化を起こす琴音ちゃんの『アンシャンテ』は彼女自身を好ましく思いながらも、本来の自分を知られる事で今の心地よい居場所がなくなる事を恐れ、彼女を巻き込む事もしたくない優しさと葛藤の織り交ぜがもどかしいぐらいに切ない。
琴音ちゃんをきちんと見る事が出来るシーン、あの時の琴音ちゃんが恰好良いですよね!「私を、見なさい。カヌス・エスパーダ」「今あなたの前にいるのが誰か。…その瞳で、ちゃんと見て」って、人外とかそういうの取っ払って私はここにいる、会いたいから勝手にきた、知りたいからあなたを見ている、だからこっち向け!って感じのあの両手宛がうスチルが素敵な女性だなーって。「淡木草庵じゃない。今のアンシャンテの店主を――淡木琴音をちゃんと見て」ってウンウン、惚れるぞイイ女っ!←誰
あんだけ拒絶されたら私は挫けるわ(だからへなちょこ)。
それでやっとカヌスも自分が一番草庵さんの『アンシャンテ』に拘っていたと気づく。貴女の『アンシャンテ』はこんなに違うし貴女は草庵殿と違って愛らしいとか瞳が綺麗だとか、心根が強いとか…カヌス、いきなり覚醒して惚気大会かっ!!(笑)いや、もっとやれって思いましたが♪←
しまいにはここの所が好きの連発で、とどめに「もちろん。貴女自身のことも、好きだ」って、どんだけこの騎士様ナチュラル甘いんだっ!!

それにしてもカヌスルートではヴェンニーアが良かった!彼が琴音ちゃんに何らかの事を仕掛けそうではあったんだけども、恨まれてでも憎まれてでも、その先でカヌスに殺されようとも、生贄になっている女王の姉を救う為の覚悟が凄い。
現状に憂い、嘆くだけのカヌスとティターニアに、ヴェンニーアの苦しみと哀しみ、その怒りが爆発するシーンは感情揺さぶられました。この方の演技がまた凄いんだな。
「貴方達は、被害者だ!世界樹にいいように利用されて、搾取されるだけの存在…!!何故そんな理不尽を許容する!?何故悲劇から脱しようとしない!!何故…現状維持に逃げようとする!?」「あなたたちの犠牲を考えれば、多少の犠牲など捨て置けばいい!!」とか、一つ一つの言葉が突き刺さる悲鳴のようなもので、バンシィの時の後悔と何もしない後悔はしない、非情でもいいとする強い行動力は一時的に敵となったとはいえ、中々に出来ないものだなと。
本来は優しい人であるので、琴音ちゃんの裏切った自分を命を削ってでも助ける行動とかに揺さぶられたり、代われるものなら自分が代わったっていいと悲痛な胸の内を吐露させる部分がまた魅力であるのだと思います。
攻略対象であってもいいくらい素敵な人でした(人じゃないけど)。
ラストのティターニアと仲良くお茶したり街に出かけたりとかがほのぼのってて本当に良かったー(*´ω`*)

クライマックスはティターニアの代わりに世界樹の贄にされた琴音ちゃんを救出する為、アンシャンテ常連ズが協力してパパっと世界樹やっつけちゃうわけなんですが(ざっくりだな)。
若干、意外に呆気なかったと思ったのは私だけだろうか(笑)。いや、何て言うのかもっと早くにミシェル達頼っておけば解決早かったんじゃあ…(言うな)まあ、これも琴音ちゃんという存在があってこそだしね、うんっ!
美味しい所はカヌスにって事で、琴音ちゃん救出はカヌス登場!これまた恰好良ーいっ!!(≧▽≦)ノ

「聞くがいい、世界樹よ!彼女は貴様の花嫁などではない…!!」
「他の誰であろうとも!琴音を奪わせはしない…!!」
「彼女を守るものとして。彼女に寄り添うものとして――このカヌス・エスパーダが貰い受ける!!
ですよ!!颯爽と片腕で琴音ちゃんを抱き上げ剣を振るうスチル、まさにおとぎ話の騎士と姫じゃないですか。こういう見せ場が上手い。これは乙女心擽られますよね~。
またずっと【奪う】だった彼の剣が「我が剣…!【救う】ために振るうことをここに誓おうぞ!」と、【救う】に変わる事が嬉しい台詞でもあります。

終盤、琴音ちゃんだけにカヌスの顔が見えたっぽい、驚きと嬉しさいっぱいのあの表情が滅茶苦茶素敵でしたっ。敢えてプレイヤーに見せないのが一貫してブレてない。
ちょっと見たかった気もしますが(笑)。カヌスの場合は琴音ちゃんだけに見えた、が一番良い形だったかな。あの台詞もなく、スチルだけで見せる演出も良かったー(*´ω`*)
EDも騎士らしくプロポーズ。シチュエーションも万全な所が抜かりない、何気にスペック高いカヌス、首無しでもとても良い男でした♡

 

イグニス・カリブンクルス CV:小野 友樹

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運命に抗う者

見た目通りの…と言ったら失礼か(笑)、直情的で荒っぽそうでぶっきらぼうながら、本当は男らしい不器用な優しさを持つイグニス。
アレですねー、一匹狼の強い不良が捨て猫見捨てられないとか、子供に面倒くせぇとか言いつつ一緒に遊んでやったりして懐かれてるとかいった感じの、そんなタイプ。あるあるさがベタでナイス(要はそういうの好き)。

取り敢えず、取り敢えず!!(何だ)イグニスルートで何が萌えたかというと!!
コロロ可愛い…!!!(そっち)めっちゃ可愛い!!もう可愛いしかない!!いや、可愛すぎ!!欲しい!!(無茶言うな)
そんな感じで心射貫かれまくってました。はい、登場してくる度に可愛くて可愛くて可愛くて…!!(いや、方向性違う)イグニスルートは大活躍で、あのたどたどしい喋り方がまた堪らないです。ラストの「ずーっと、いっしょ」なんて、ああくそホント超可愛いなっ!!!(握り拳)ギューッとしたい、すりすりしたい、なでなでしたいっ、匂い吸引したいっ(変態)とまあ、イグニスそっちのけになりかけた程(酷い)愛らしかったです(*´ω`*)

はい、イグニスルートだよん(だよんじゃない)。取り敢えず、『漢字=(カタカナ)』の読みが多くて覚えるのに苦労しました(笑)。何だっけ?って何度思ったか(記憶力低下)。
個別前半は仲良くわいわいほのぼのっぽさが出ているんですけれど、そんな中で獣界ベスティアでのイグニスの立ち位置、弱者排除の奪い合い殺し合いが続くベスティアでの基なるルール。それを何とか変えようと一番の強さを称しながら不殺を貫く彼の考え、そこから琴音ちゃんとの距離が近くなっていく流れがやっぱり自然にしっくりな所、カヌスの時と同様良いですね~(*'ω'*)
照れ屋さんなので、惹かれてるんだろうなぁ、でも直では中々…なるもだもだ感が可愛い。イグニスの方が先に意識しだしていたのに対し、琴音ちゃんが結構天然にスル―してる辺りが面白かったです(笑)。
イグニスの話って故郷ベスティアの強いもんが勝ち生き残る!的な構造を変える為に反発ありつつの奮闘なのかと思ってたんですけど、そんな生温いもんではなかったと、めっちゃ思い知らされる羽目になりました。
予想上回り過ぎる凄惨な展開のオンパレードでした。一言で言うと痛い。もう痛覚的にも心理的にも視覚的にも痛い。痛いだらけのイグニスルートに終盤まで目が離せませんでした。
彼の気持ちのいい食べっぷりは共通から続いていたんですけど、イグニスのその『食』たるその部分、それがここまで重みのあるキーワードであったとは思わず。
彼だけがベスティアの全魔獣が持ちえない消化器官を持ち『食べる』事が出来る事、それが昔の惨劇を招いた全てを捕食する界喰狼(ヴァナル)の血を継ぐ者…なんて繋がっていく辺りは見事でありつつも激しく重い。
彼が掲げていた不殺の信念、変えたいと願い、こんな世界になった元凶がいるのなら一生恨む、そこまで言っていた彼自身が元凶の血を継ぐ子孫という衝撃だけでも打ちのめされるのに、ドローミに裏切られるわ、その扇動の所為で正気を失って界喰狼に目覚めてしまい、イルを重篤にまで追い込み喰い殺しかけるわ(本気で死んじゃうんじゃないかと思った)、琴音ちゃんまで腕を食んで肉片の一部食べてしまうわ…どんだけの苦渋を負わせるのかなシーンの連続で、私の心の「えぇえぇえー…( ̄Д ̄|||)」がノンストップ状態。
後半、これ本当にハッピーエンドになるのかいと、攻略見ながらしてるにも関わらず、不安になりました(;・∀・)

それにしてもあのドローミッス!!!(イル呼び)共通ルートはただの弄られキャラかと思えば、コヤツとんでもない気狂いだったっ。
何か個別に入ってから含みのある言葉とか態度とか、おかしいなー、裏切りそうなフラグ立ってるけど裏で黒幕キャラとかに仕えてるのかな?とか思ってはいたけれど、お前が単独黒幕かいっ!!な正体。
忘れものしたとか言って別のホールから行きますーでその場去り、その後で何者かに極寒のベスティアに引きずり込まれる琴音ちゃんとか、これ絶対ドローミだろ…と、行動言動に話が進むごとに怪しんでたんですけど、やる事なす事狂い酷過ぎてドン引きでした( ̄▽ ̄;)しかも糠に釘タイプ。手に負えない。
それにコロロが最初から彼にだけ敵意を向ける、これがかなり不信感倍増。それにしても共通からのこういった伏線が凄いですアンシャンテ。
ドローミのニタニタしたおちょくった感じも更に腹立つーっ!"(-""-)"声優さん上手いな!(笑)
彼の本当の思惑って、元を辿ればベスティアの弱者排除ルールによる悲劇から生まれたものなんですけれど、それだからといっても彼の最後まで捻じ曲がったままの殺戮思想に同情は出来ませんでした。私、女のコに暴力振るう男は無理です。しかも喰えないけどいっそ俺が喰っちゃうとかまで言い出すし。

しかし琴音ちゃんの今回の扱われ方というか、怪我率というか、普通の女のコなのにこれよく無事だったなと。
頭や身体は容赦なくドローミにボコボコに殴られるわ蹴られるわ、正気を失ったイグニスに腕噛み千切られ喰われかけるわなのに、結構丈夫だなと思ったのは私だけだろうか?(←)
あの描写からするに、身体的心理的ショックとか脳への衝撃とか相当なものに思えたんだけど…割とその後動けてる、彼女のタフさは侮れないと思った。だってドローミにあれだけ殴られてたら、腫れだけでも相当ありそうな気がするし、真っ当に動けないと思う。思うけどバリバリ動いてたし、その後のスチルでもお顔綺麗でした。凄い(言うな、乙女ゲー)。

望んでもいない界喰狼の血により惚れた女すら喰い殺してしまう、絶えない捕食本能に狂わされていくイグニスの悲痛な慟哭と、惹かれながら救いたいと願いながら彼に容赦なく喰われかけた恐怖から踏み出せない琴音ちゃんの哀しみが痛く刺さる(TAT)
根っこのイグニスは共通から見せる姿そのままの彼だから、望むのは当たり前のアンシャンテでの琴音ちゃんとの小さな日常。「あのアンシャンテで!お前が作ってくれる飯を、ずっと喰っていたかった…!!」な悲痛の叫びが心にきました。苦しいなぁ…っ。
多くを望んだわけじゃないのに、それすら自分の意志でままならない、制御出来ない、惚れた女を食欲の対象としか感じられない自分に絶望する姿、泣きそうでした。

終盤、琴音ちゃんがドローミに喰われそうになる危機に再び正気を飛ばし、界喰狼の姿にすっかり変わり果てて暴走するシーン、あれはもう展開がハラハラしっぱなし。
ミシェルやカヌスの力でさえパーンと跳ね返す感じで突き進むのには、これどうすんの?って感じの凶暴さ。
しかし魔王様、自分でも言ってましたが雑魚キャラみたいに力通じません(笑)。アレですかね、やっぱりミシェルってこう、細かい戦い方の力の使用方は苦手なんですかね。本気でやると全部消滅クラスになるって言ってたし。単発の攻撃力は凄まじいけど、あっちこっち駆使しながら…とかは弱いのかなとか思ったり。魔王様だからもっと器用なのかと思ってた。←
でも今までイグニスが守ってきた弱い魔獣達が、一丸となってイグニスを元に戻そうと戦う姿は良かったー!攻撃が一番効いたのが彼らの目潰しってシンプルさも素敵。
最後に界喰狼になったイグニスの大きな頭を、小さな琴音ちゃんが慈しんで抱き込むようにしている姿、そんな受け入れてくれる彼女の笑みに涙して元の姿に戻っていくイグニスのスチルは感動的。
なんだか美女と野獣を思い出します。ある意味呪いみたいなものですもんね。一件落着って感じで心から笑い合う二人の幸せそうな姿が印象的。
ED、ラブラブじゃないかと思ってたらディープキスまでかましてくれるイグニスに驚きΣ(゚Д゚)シャイなNYANシャツ着てる(それ関係ない)あん畜生はどこに!?(笑)最後の最後で甘さたっぷりで幸せでした(*´▽`*)

 

凛堂 香 CV:諏訪部 順一

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嘆き悔いる者

19歳と42歳ですよ…!!!やだもう凛堂さん素敵な犯罪っぷり(違う)。この年齢差を出してきてくれて感謝したい…っ。←滅茶苦茶好み
めっちゃ恋愛モード萌えた…っ!!(相変わらず好みがブレない自分)そう、アンシャンテ攻略キャラ最萌ですよ!!!
一人称が『僕』だし、全体的に丁寧な口調、そして着ている服がスーツも私服も全身お洒落!顎鬚!ジロラモさん辺りが出ていた雑誌のちょい悪親父みたいにコーデがバッチリ。また似合う。
あの仕事着スーツ、荒仕事も多いのにあんな高そうなお洒落なの着ていて無事なんだろうか…と余計な心配した庶民な私(笑)。まあ、高給だろうと用意に想像出来るので、そこはきっと全然痛くないんだろうなぁ。独身貴族だし。
きっとよくあるあるな設定で、同じスーツがズラララララーッと、替え用にあるんだろうと思っている。「大丈夫、替えならほらここにあるからね?」みたいな感じ(勝手に想像しすぎ)。
さすがは42歳と言いますか、モテる男の大人年上なる、スマートなエスコートが随所に出ていた凛堂さん。それでいながら時々お茶目な部分も顔を覗かせており、恰好良いやら可愛いやらな絶妙さにバッチリ好き過ぎて唸る私(唸ってどうする)。
こんなに素敵なオジサマキャラなのに、何故だか周囲からの中年弄りが凄い(笑)。いや、まだ見た目通りの若いイグニスはともかく、他の人外ズの皆さんの方がどんだけ生きてんのかって長生きなのに、何かっちゃ中年ネタが飛び交うのには不憫で笑えて(笑うんかい)仕方がなかったです。
あのガーンッて顔が好きだわー。弄られても苦笑して溜息ついてる姿に苦労性さが見える。性格が基本穏やかなのか、なんだかんだで育ちも良いのかな?物腰が上品ですよね。人柄の良さが滲み出ているのも好き。
琴音ちゃんが私服姿の凛堂さんに、「誰ですか!?」って、頭でわかっているけど認められないって感じの発言に、ショック受ける凛堂さんとか面白過ぎる。
いや、それにしても凛堂さんの私服アクセ多っ!それでもってサングラスだし!あの黒のアウターに白のパンツ!42歳でこのバッチリダンディ感が半端ない!!恰好良いなー!!(≧▽≦)
凛堂さん、料理もやれば滅茶苦茶上手だしで、ハイスペックナイスミドル♡

凛堂ルートは共通ルートで含ませていた、『人間』と『人外』の異なる存在への関り合い。前プレイ二人のルートの流れからするに、きっとキーキャラになるのが御門さんなのかな?とは思ってはいたんですが、もう今回もぶっちぎりしんどかったです…!本当、これ以上のしんどさはあるのかっ、てな展開が誰のルート入っても凄くて重い。
まあ、最初はほのぼの&凛堂さんと琴音ちゃんの親密度が上がっていくエピソードな流れであったんですけれど。いつも最初は本当にわいわい賑やかほんわかなんですよね。でもそこはそこでしっかり楽しませてくれるのがいいなぁと。
個別始まってすぐくらいに御門に彼女がいるって聞いた時の琴音ちゃんの、「きっと聞き間違いだ」が何気に失礼で笑えるしww
しかも「彼女って【She】って意味ですか?ほら、代名詞的な使い方で…」って「いや、英語で言うならば【Lover】だが」「Lover…Pretend?(~のふり)」と、あくまで信じようとしない琴音ちゃんがしつこく訂正かけてくるのが面白すぎる(笑)。
でもまさかこんなコメディタッチなシーンが、もの凄い真実隠されてたなんて思わないっ。
恋人がいつも抱えてるくーちゃんなるぬいぐるみで実はGPM職員で元人間の人外、しかも凛堂さんの妹で、人外化してしまった時に暴走して沢山のGPM職員を殺傷してしまい、凛堂さんは御門さんの懇願に妹を殺さなければいけなかったのに出来なかったって過去。こんな次々と重く苦しいのがあるのかと思うしんどさ。
恋人って聞いてもくーちゃんだろうと予想はしていたものの、この人単にぬいぐるみ愛でてるだけの面白おかしい変態キャラなだけかと、軽ーく考えていた私の予想、そんな生易しいワケあるかぁっ!なる喝でもって砕かれた気分でした。だってー…こんなんないわ(TAT)。
このほのぼのに見せかけて突き落とすかの展開、アンシャンテ素敵にえげつない(褒めてます)。

琴音ちゃんと凛堂さんは23歳の年の差があるんですが、割と年の差恋愛においてよくある、年上男性がやたら「親子ほども年の差があるというのに…」的な関連の台詞が出てきやすく、何かと障害ポイントで引き出す事が多いイメージなんですけど、凛堂さんはそこの所がほとんどなかったのが好印象でした。
寧ろ年齢の差は然程気にされてなかった気がします。妹さんの事件以降は恋愛は今まで前向きでなかったみたいな事は言ってましたが、琴音ちゃんに対して恋愛対象の女性としてきちんと見ているのが当たり前、みたいな所がすっごく良い!!!11の年の差如きでうだうだ言い訳して悩んでた、紫の薔薇の人に言いたいぜ、速水さん!(そこでガラスの仮面だすなよ)
心の距離が近くなって、とてもいい雰囲気になっていくスチルなんか今までになく萌えた!いいっ、年上オジサマいいっ!!!(落ち着け)
琴音ちゃんの存在が自分の心の中で近しいものに変わっていく自覚する所の「まいったな」とか好きだーっ。後々の展開で知る事が出来るんですけど、琴音ちゃんとより真剣に深い関係になる上で、今度はおうちデートじゃなくて外で…とか、琴音ちゃんのご両親に会って…何て言おうかな?とか、そういう風にあれこれ今後の事を巡らせていたっていう所、このシーン時それどころではなくなってしまってはいたんですが可愛らしい人だなぁと。

そう、おうちデートと言えばそのシーンで再登場のクーレイ族のテンちゃん!くっそ可愛い!!!←
琴音殿ーっ!て、あんな可愛いハニワ(ハニワじゃないけど)いたら欲しいっ!(そればっかり)
アンシャンテのマスコットキャラってコロロといい、テンちゃんといい、やたら可愛いっ(*ノωノ)
あの凛堂さんのエプロンからひょこって出てくるのも愛らしい。お酒嗜むのには吃驚したけど(笑)しかもホットワインってww
因みに料理作る凛堂さんの腕まくりから剥き出しになる、素敵にガチッとした鍛えてる腕が拝めて幸せ♡筋、あの筋良いですよねっ!!←
このおうちデートで琴音ちゃんも自分と凛堂さんがどう見えるのか、って意識しだす鏡のシーンは彼女の心の動きが見えて印象的でした。

そして良い感じに仲が深まってきたなーって所で悲劇がくるんですよね。
人外化した凛堂さんの妹、雫さんの隠された酷い事実を知る事となった御門の怒り、そして彼女を人間に戻す為に復讐も合わせてGPM職員達の命を貪らせていき、居合わせた凛堂さんが呪詛にかかり余命二日。
そこに御門から凛堂さんを助ける方法は人外にするしかないと、人を人外にする薬を琴音ちゃんに渡し決断を委ねる…って、何の苦行なのこれっ!みたいな究極の選択。
一番人と人外の違いに憂えていた人だからこそ、命が助かるとしても人間でなくなる事の彼の心を考えると、こんな一人の人生を自分の一存で丸ごと塗りつぶして新しくなんて決断、19歳の女のコにさせるなよっ!って御門ぶんなぐってやりたかった。←
エゴだと分かっていても、彼を生かす為に人外にする事を選び取る琴音ちゃん。独白に胸が痛い。
『強引にでも生きていて欲しいと願う事。
その願いに手を伸ばすなら、私は同じだけの代償を払う覚悟を持つ。
あなたが、【人間】でなくなった責任は、全て私が背負うから。あなたが、【人間】でなくなっても、私は拒絶しないから。
だから、あなたが苦しむ必要はない。私を、憎めばいい。だから――。どうか…生きてください。』
なんかもう、苦しいわ哀しいわしんどいわ重いわ深いわ尊いわで、見ていて辛かったです。ギュッ、って力入れて変わる手のスチルの見せ方がまた突き刺さる。
この後のね、人外になっても平気そうに見せている裏側で、カヌスにだけ堪えるなと促されて吐露する「人外になんて、なりたくなかった!」と、吐き出すような叫び、そしてそれを聞いてしまった琴音ちゃんの涙が強烈に哀しかったです。
でも最悪の苦しさの中でこそ強くなるヒロイン琴音ちゃん、遊園地デートに誘い告白して、人外の自分となんて…って尻込みする凛堂さんに「もう何も言うな」的な奪うキス!お、男前…!!
悩みながら、嘆きながら、涙しながらも、いつも逆境に前を向く素敵なヒロインです。常に大人対応な凛堂さんが終始押されてたのも良かった。琴音ちゃんに堕ちてしまえー(笑)。

ラストは兄妹対決。御門と雫。琴音ちゃんと凛堂さん。人外にされた二人の戦い。互いに守りたい存在の為になのに、同じのようでいて違う形になってしまった対比が物哀しい。
御門が人の方が余程外れているって慟哭が悲痛。結局二人共亡くなってしまうし、御門のあの29歳なのに子供のような外見年齢の事も何故か知れるんですが、本当に心から彼女の為だけになってしまった、悲劇しかならなかった結末が只々やるせない。

エンディング、凛堂さん人外のまま。これはこれでそうご都合にはいかないって事と、人外も人も変わらないっていう二人の決意と共にそうなっても一緒に生きるって、希望のあるものではあるんですけれど、けれどけれど!一言言わせて下さいっ!!
せっかくの、せっかくの42歳年の差恋愛設定が勿体な――――いっ!!!(そこかよ)一人くらいは人間同士の恋人がいても良かったかなーとも思ったり。
あ、でも人外化の姿の凛堂さんも素敵です(*ノωノ)(何のこっちゃ)琴音ちゃんとのスチルが素敵なのばかりでしたー♡とにもかくにも幸せになって頂きたい!


イル・ファド・デ・リエ CV:石川 界人

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偽りを抱く者

な、泣いた…っ(TAT)好みからは一番遠いイルなんですけれども(おい)、シナリオが滅茶苦茶良かった…!
えっと、イグニスも若干噛みそうになる名前だったんですけど(カリ…カリンブ?みたいな)、イルのフルネームは全然頭に入らなかった(笑)。ファ、デ…いやデリファ…エ?って感じで。もういっそデリバリーで(馬鹿か)。
堕天使で乙女ゲーム大好きって凄い設定だなぁ、と。しかもコラボカフェでのコースターやらランチョンマット?(行ったことないので今一つよくわからない自分)フルコンプとか、店舗特典複数買いとか…お財布緩々過ぎて大丈夫かなツワモノ系(笑)。
最初はですね、周囲に何でもしてもらう的な、自分でやれよな事まで動かないタイプが私苦手で(^▽^;)あのバリバリの汐音さんとか忍恋の宇喜多くんとか。
でもイルは他キャラルートでもそうでしたがそういう何でもやってもらう所とか、人の細かな感情の動きに理解出来ないであるとか、ほんわかなしゃべり方がたまに無機質になる所とか、どこか中身データー化してるっぽい存在だなと思ってたんですが、まさか天界がAIが支配するオール機械な世界で、天使も生産されては破棄的な作られたものだとは思わなかった。
何か銀河鉄道999思い出しました(古い)。999の頃を思うと機械も随分進化です。ネジからコンピューターAIって時代だなーって思ったり。

そんなイルが前半は琴音ちゃんの役に立ちたい、喜んでもらいたい、頼ってもらいたいという思いが生まれ、何でもやってもらう側から自発的に頑張ろうって動きだす所が微笑ましかったです。
思いは前向きなんだけど、イグニスが言うとおりに生活適応能力が低過ぎて、何一つ上手くいかずに失敗ばかりで落ち込んでしまう所の「この堕天使になんのご用でしょうか…」って自虐発言がいっそ可愛い(笑)。
あれはもう、そりゃ放っておけないでしょうね、琴音ちゃん。出来るだけイルが失敗しないように手伝いを頼みながらフォローしたり、その持ち上げ方にわーいっヾ(*´∀`*)ノってついていくイルの姿がカルガモ親子♡(おい)
だってもう琴音ちゃんに懐いて行く所向かう所「私をおいていかないでー!」なんですもん。恋愛とかそういう前に最初はインプリンティング親子みたいで滅茶苦茶可愛らしかったです。
そして自分の事は自分で…ってなったイルの最初の変貌に目を剥く保護者な魔王様と騎士様(&琴音ちゃん)。

「馬鹿な!?イルが自ら片付けを…!?い、いったい何が起きたというのだ!?」
「今やってる乙女ゲームにすごい鬱エンドがあって、その精神的ショックでどうにかしちゃったとか…!?」
「御門さんに…!ううん、助手さんに急いで連絡して診断してもらったほうがいいかな…!?」

酷い(笑)。酷いけど面白かった。こういうコミカルな掛け合いが本当面白くて上手いです。
イグニスには「過保護鉄仮面とブラコン魔王」言われてるし。そんな人外ズの姿を見て、【教育方針を巡る親同士の会話】って評する琴音ちゃんも適格で面白い(笑)。ツッコミセンスいいなー(#^.^#)

イルが現状の自分から変わりたいって願いを、出来ないから、失敗するからとかではなく、受け止めて引き出していく琴音ちゃんは凄いなぁって思います。良いお母さんになりそう(*'ω'*)
「あなたは私を、【そういうものだから】――と割り切る事はしなかった。私が変わる事を諦めないでいてくれた」って、そりゃイル嬉しいよね!って。あそこのスチルは可愛らしく、いじらしい。
余談ですがコロロの「きゅいきゅきゅいきゅ」が可愛すぎて悶えた(*ノωノ)(そこ)

そしてほんわかエピソードの後は確実にしんどい展開のアンシャンテです( ;∀;)
イルの正体発覚!あの緑川さんボイスでイルと絶対同じ種族でしょ!とばかりの怪しい全身装束の助手さん、ここで素顔!
予想上回る超イケメンなんですが!!Σ(゚Д゚)え、恰好良い!!顔の好みだけで言うならイルより好きだよ私!!←おいおい
イルが【断罪の使徒】、そして助手さんはソリトゥスという、彼の対ともなる片翼の【神託の使徒】。普通は心を持った天使は堕天使になり殺されてしまうけれど、【断罪の天使】は唯一無二で貴重だから心を持ってしまったイルの堕天を戻し、天界へ迎えにきたとかとか。
本来のイルは感情を一切削いだ【兵器】だけの人形だとか言うし、名もなければイルというのもあのキーワードになっていたリメイクされた乙女ゲームに出てくるキャラをそっくり模倣し、形成させたものとか。
まさかあのイルの趣味たる乙女ゲームに、ここまで深刻な伏線があるなんて思わないって!(こればっかり)
琴音ちゃんがその作品をプレイする事で類似点と違和感を感じていき、そしてこの発覚でイルとキャラのイルがそのまま重なっていく所、ゾクッとしました。自分が認識していた筈の、疑うべくもなかった筈だった存在が不確かなものになる怖さの見せ方、お見事過ぎて琴音ちゃんに同調。
衝撃の事実に混乱してイルを拒むような態度を取ってしまう琴音ちゃんに、イルはこんな苦しい感情を生むのなら要らない!と【神】に感情の削除を願い、空っぽにしてしまう。『削除』とか『初期化』とか、天使に似つかわしくないコンピューター用語がバンバン出てくるので、天使とか天界とのイメージギャップが激しく、天使の存在が本当ロボット的に感じるのが空恐ろしいなってなります。

このルート、ミシェルがガチ怒りな姿を見せるのが印象的。「殺す…!」とか後半で「楽しく死んでいけよ」とか、展開的に不謹慎なんですけど立ち絵も台詞も恰好良いんですよ!
魔王なのにのほほんと優しいイメージが多かったから、とてもいいギャップでっ。
ミシェルのイルに対する想いも良かったなーって。乙女ゲーム進めたのがミシェルだったのは驚きましたけど、その理由が成程って。イルが拘る『愛』、ここから色々繋がっていくんですね。
【追憶の使徒】の二人なんかもうマジ泣きだらけでした。とんでもなく大きく包む優しさが、愛情が、イルを突き動かすシーンは泣かずにおれない。イルルートは良い人多くて随所に泣きポイント多くて困る( ;∀;)
遡って過去から関わる人、天使、現在の仲間、色々な人たちの色々な想いが交差するルートでした。

サブキャラのエピロギさんも良い男ですよね。天使(堕天使だけど)キャラの中では一番外見好みです(笑)。でもかなりおちょくられ担当っぽかったけど(エリンギ言うから頭から離れなかった)。
ソリトゥスも終盤、イルを本当は大切にしていたのが痛い程わかるし、天使キャラは美味しい人が多い。緑川さんの演技がまたいいんだなー。「当個体」から「私」に変化する所は嬉しくなりました。

一旦は心を取り戻すイルが、【神】を斃すには心を魂ごと再度消失、再生も不可能な選択肢しか残されていない事を隠し、それでも琴音ちゃんとアンシャンテを守るために決断する所は胸ずっと苦しかった…。毎回尊いけどしんどいよ。
「私の心を奏でてくれた、大切な音色よ」って琴音ちゃんに告げる言葉とか、【神】の消失と共に最期に消えていく感情に涙しながらも笑っていく所とか、思い出しただけでまだ涙出ます。
ソリトゥスとの対決の時、ミシェル達のアドバイス一つ一つ思い出していく所も仲間、家族って感じが温か。イルって愛されてるなー、愛されるキャラなんだなーって。

何の感情もなかったからこそ、そこから心をもたらした琴音ちゃんへの愛情が深く染み渡り、起きる奇跡がご都合でなく必然に思わせてくれた流れ、「ことね」から「琴音」に変わるイルの涙と笑顔が素敵でした!!
いろんなものひっくるめて育んでいく素敵さを見せてくれたイルルートだったと思います。お幸せにーっ!


ミシェル・アレックス CV:赤羽根 健治

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永遠の孤独を

ラストのロックキャラ、優しく飄々、チートが大好き魔王様。EDに関してかなり複雑な思いに駆られました。
大団円含むもので、全ての世界が一つに繋がっていく伏線回収と真相の構成には凄いな!の一言でした。
ミシェルルートではあるのですが、本ルートでなくともカヌス、イグニス、凛堂さん、イル、それぞれ個別に抱えていた問題が全て良い方向に向かっていくのも良かった。他ルートの時、気になってしまってたので。
総力総まとめなミシェルルート、お話全体はかなり練られた壮大な物語でした。

ちょこっとネタとしては、読書会話シーンでミシェルがホームズの話をした時のシルエット、ホームズとかワトソンとかモリアーティー…キャラがコドリアのあの方々シルエットだーって(笑)。
他作品がこういう形で出てくるのって何気にプチ楽しく。
ミシェルと琴音ちゃんが仲良く会話してる姿に、イルが「追憶の…」って零しちゃう所はじんわりしてしまう。イルルートは余韻が半端なかったので、イルの零すそれだけでグッときてしまう( ;-;)
ミシェルと交流が一番深かったせいか、イルもこのルートでは今までになく自我高めだった印象。後半の神への怒りの叫びとか良かったなぁ。

ミシェルが絶対に一時的には魔界へ帰らなければいけない事とか、俺には誰も救えない的な発言とか、魔王にしては向こうでのバックグラウンドが見えにくいなとか、謎はかなりありそうな気がしてはいましたが、偽物魔王様とは全く思ってなかった!(鈍い)。
っていうか最初の魔界の人達の城での会話、魔王が人間界侵略発言っておかしいなとか思ってはいたけど、あの口調がミシェルにそっくりだったからどうなってんの?って疑問だらけで。アスモデウスも言いそうな口調だったんだな(笑)。
そしたらアスモデウスが人間界に登場!お供がスライム(また可愛いぷるぷる点目)だし、中二病っぽいから(失礼)てっきり魔王騙ってる面白ギャグキャラ枠かと。本物って発覚した時、「マジか(笑)」って笑っちゃった(ことごとく失礼)。
でもアスモデウス、めっちゃ好きです!最初琴音ちゃんを嫁にとか、無理矢理だし強引なんだけど、本来の姿になってしまったミシェルの脅威に瞬時に危険を察知しいて琴音ちゃんを庇った所、意外に(だから)良い人!(人ではない)
悪ノリしちゃったら反省するし、いざ危機って時には筋の通った話をするしで、何か面白いし良い人だし強いしで魅力凄かった。私こういうキャラ大好きっ(笑)。

ミシェルは魔王でも魔族でもなく、どことも違う世界の者。しかもそこは生きる者を全て灰にしてしまう何もない死しかない『終わりの世界』。元は人間で、一人だけ奇跡的に助かったものの、環境適応で異形の姿に成り果てた怪物だったと。触れるもの近寄るものを無作為に灰化させてしまうって、魔王より凶悪。ラスボスより更に上なる存在。
毎回毎回、過酷ってもんじゃない凄い設定なんで痛いったらない。何万年の激痛と苦しみと孤独と絶望の長い時を生きてきたミシェルの壮絶さが凄い。私の夜中プレイ中の唸りが止まらない(ホラーだからやめろ)。
そんな孤独と絶望の中で、幼い琴音ちゃんに救われる珈琲エピソード。ミシェルが珈琲にどうしてあんなにも大切な思いがあったのか、琴音ちゃんに対する出会いからの大切さたっぷりの言葉とか、ああ、ここに全てがあったんだなって。プロローグから共通から他ルートから、端々にあったちょっとした台詞すらも集約されているものでした。
また必ずお礼を言いたい、会いたいの心が絶望に染まった彼を突き動かし、今の周囲に害を成さない姿を形成させる事でアンシャンテに通えるようになる。それも保てる時間制限があったから、いつも元の世界に戻る必要があったとか、すっごく分からなかった事が回収されてスッキリでした。
時間制限によってすれ違いによる琴音ちゃんとミシェルの恋心の切なさもあって、恋愛は壮大設定が凄すぎて大人しめではあるんですけれども、じんわり進んでいく感じでした。
アンシャンテのマスター、皆のお姫様、琴音ちゃんはタフガールなので、正体を知っても変わらず受け入れる所は素敵ヒロイン(*'ω'*)

ミシェルでの謎と言えば、もう一人のミシェルに似ている青年の存在。プロローグやミシェルルート冒頭なんかでも、かなりミシェルに不公平だとか何でミシェルだけが!みたいに恨んでる感情溢れ出ていて、琴音ちゃんにも執着していて、何があったと思っていたら…結論的に言うとザ・八つ当たり!!!
ミシェルより先にあの『終わりの世界』に無理矢理実験にされて送り込まれ、彼も変異してしまうんだけど彼の場合は世界と同化してしまった元人間の人外。『終わりの世界』そのもののノアなるもの。でもミシェルには声も届かず、存在を知ってもらう事も出来ずで、今までミシェルもその存在を知らないままずっと今までの事を見られていたと。シリアスな場面なんですけど、丸ごと知らずに見られてるって嫌過ぎる…と思った私(そんな場合か)。
ノアは存在を気づいてもらえなくても、同じ絶望と孤独な存在がいるって慰めにはなってた筈なのに、ミシェルはアンシャンテで琴音ちゃんと他の常連達との関りで温もりを得ている。自分には気づかず、同じ筈なのに彼だけどうして…っ!な心の歪みが深まっていく。
…って言われても!知らんがな!!(←)と言いたくなるのは私だけだろうか。だってミシェル、ノアの存在知らないんですよーって。
しかも彼が救われるなら自分だって救われるべきだ。だからミシェルを救った琴音ちゃんをくれって事で、あの時々ノイズ交じりに琴音ちゃんどこかにを引き込もうとする声の主の正体が繋がってくる。いや、もう全てが厄介。
しまいにはミシェルの姿になって自分の世界に連れ去り、救い出そうとしたミシェルの力を奪って人間に戻し、琴音ちゃんを自分と全てを共有させる為、無理矢理身を崩させ世界に同化…つまり自分と同じ人外に融合させる手段に出る。
彼の寂しさ、ミシェルへの嫉妬や羨望から歪んでしまうのは見ていて苦しいし、決して悪意ではないんですけど、琴音ちゃんにした事はちょっとなーって。もっと間違っている事に早く気づいてほしかった。でも最期の珈琲を酌み交わす表情は可愛かったしホッとした。
後、皆がミシェルにもっと頼れ!とか、ここぞって危機に俺達がいるの忘れるなよ!みたいに登場する所、こういうのいつも良いですよね。世界も種族も違っても、家族みたいな仲間。心がほっこりします。

で、ED。ラストを飾ったミシェルのハッピーエンド、正直に言えば私は残念でした。
琴音ちゃんは結局『終わりの世界』と同化したままに人外になり、本体は世界、人間界では精神を形にした姿とか?存在が幽霊のようなあやふやっぽいもので消えてしまう事もあるとか…。
えぇぇぇぇ――――……な呟き暫く収まらず(; ゚Д゚)
ご都合主義を抜きにしなくても、あの展開はこういう形にしなくても出来たと思うんですよ。敢えて琴音ちゃんを人外にしてしまうって事は、ミシェルが人間になった事で、人外と人間の恋愛関係に何かしらこだわりでもあるのかな?とか、製作サイドの方に考えがいってもみたり。凛堂さんも人外ENDだったから余計に。
勿論、このEDが凄く好きな方もいらっしゃるだろうなのも分かっています。それぞれ感じ方は違うと思いますが、私が求めていた形ではなかった。
前4人のEDから盛り上がり、ワクワクしながらのミシェルルートプレイでしたが、最後の最後でこの結末で締めとされると…地味にテンションダウン。今でもモヤモヤです。
私個人の思いで好き勝手言いますが、淡木琴音の存在はアンシャンテのマスターであり、人外ズの中で『人間』であったればこそだと思っていたので、アンシャンテは素敵なお話ながら、このEDに関しては只々もう残念しかありませんでした。ごめんなさいっ!

 

それでは!

see you next time!