PC【東京24区 2020Tokyo shibuya terrorist case.】の感想です。
私の軽い頭では、この凄い作品を上手く伝える事は出来なさそうなので簡単に。全方位、色々な思いが生まれるシナリオだと思います。
※BL＆成人指定作品です。ネタバレありなのでご注意下さい。
東京24区 2020Tokyo shibuya terrorist case.
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──この国の、理想と現実。
その世界は誰と誰のためのものか──
公式サイト
PV：第一弾
PV：第二弾
OP
STORY
主人公：其扇 晟尋は京都区選出中道民自党二期目衆議院議員である。
そのルックスと若さで人気を集め、与党が参議院の過半数を取るのに貢献した。
そんな中、ゴールデンウイークに差し掛かる4月後半、渋谷スクランブル交差点で大規模な自動車爆発事故が起こる。
爆発状況からテロと判断した三条総理以下日本政府は対策本部を立ち上げた。
2020年8月にはIAF（インターナショナルアスリートフェスティバル）の開催を控え、犯人も目的もわからない中、さらなるテロへの対策などに急遽追われることとなる。
そして、今回の事件で其扇も動くこととなった───。
全体感想
─────夢は、何でしたか。
政界もののBLゲーム作品って異色だなぁと、やや戸惑いながらもシナリオは中条ローザさんだし、キャラも絵も魅力的だったので購入。
攻略キャラは4人でラスト蓼丸ルートで真相が含まれます。それぞれの個別キャラルートでメインになる問題に取り組み、散りばめられた謎を出しつつ、それらがラスト真相で一気に繋がって真の黒幕へ導かれていく展開。もう真相は凄いの一言。
同じものを見ている筈なのに、個々の視点違いでその色彩も形も生まれる想いで、それらが全く変わるストーリーでした。移り変わる四季の巡る変化が一度に起こり、代わる代わる見させられているような感覚。圧倒的な文章力、構成力に惹き込まれます。
ボリュームもあって恋愛感情の過程も丁寧且つ流れも自然。そして演出が良く出来過ぎていてテロ事件が起こるシーンは怖く、苦しく、辛く、哀しい、そんな感情が押し寄せてきて、正直私にはキツかった。メンタルダウンしてる時には見れないと思います。それ程に見せ方が上手いんですけれど、現実にある場所で日常がテロによって凄惨に変わるシーンは想像以上にきました。
そして政治の事も議員の事もドロドロに黒いものを見せてくるし、そこから生まれる膿部分というか、取り残されていくものとか、相殺、忘却、印象操作、集団意識…何というかクリアにすればいい、クリーンにすればいい、ではなく出来ないし、時にはそうしないが良し、なるリアリティさが何とも言えない気持ちにさせられます。
定着しきったものを、根幹から変革させる事の難しさ、もどかしさ、その中でどう在り動き、どの路の選択をするかと…本当、ドツボに入りそうに重くなりました。
被害者、加害者、傍観者、統率者、色々な角度から見えてくるものに、頭抱えたくなったり胸痛くなったり、モヤモヤしたり、泣きたくなったり、感情が大変な事になりながらも面白くドキドキしながら結末を見守ってプレイ出来ました。
風雅ゆゆさんの絵は格好良くて素敵。目が特に綺麗なんですよね。綺麗でいてシャープなカッコ良さといいましょうか(*´ω｀*)←語彙力よ…
スチルは相変わらずよく動く！車の移動スチルの背景が動く他、窓ガラスの反射から映る景色まであり、他も傘の雨の雫の流れ等々かなり細やかです。はー…（・0・；）ってじっくり先に進まず何度も見入ってしまいました（笑）。
システム面は特に不便を感じませんでしたが、バックログから巻き戻し再生出来れば嬉しかったかな～と。
後、キャラ名の読みが難し過ぎるの私だけですか？（だって）何も考えずにサラッとフルネーム読めたのタイガくんだけですよ！（馬鹿なんです）
其扇とか蓼丸とか初めて見た時、無言で数秒漢字見つめて眉に皺寄ったわ（笑）。今少し馴染のある漢字だったらなぁって、頭悪い主婦のお願い。
音楽、文句なくどれも素敵すぎるくらい素敵でありました！
白洲ルートのGoodEND2になるのかな？あの二人の3年後登場スチルに流れるBGM、あれにはもうカ、カッコイイ！痺れる…！って心の中で叫びまくってました（笑）。
キャラは全員とても魅力的でした！好みで言えばタイガくん推しなんですけれど、白洲さんも負けない程に滅茶苦茶素敵でしたし、遊馬さんもギャップ凄く良い！蓼丸さんはちょっと苦手だけど（笑）、拗らせ具合の弱さは嫌いじゃないし好きです。
何と言ってもキャストさんが見事にイメージピッタリで♡ドラマCD、全員分買うか悩みまする…本当はタイガくんと白洲さんだけ買おうかなって思ってたのに捨てがたい。そう思える良きキャラばかりでした(≧▽≦)
サブでおじ様であるけれど、三条総理と大延さんも味のあるキャラ。関係性が素敵です。若かりし頃の二人も見てみたかった。
恋愛は色々な形で、白洲さんとタイガくんはGoodEND2つありで違った恋愛展開というか位置関係というか。同じキャラでも二通りの結末で面白かったです。ボリュームも同じくらいあるので充実してます。
テロ事件が発端で政治など、重い流れではありながらコミカルな緩和部分も上手く挟み込み、スイート恋愛の他ちょっとビターテイストもありの大人メンズラブありでかなりのボリューム体感でした。
現代社会におけるSNSなどの影響や問題も絡めつつ、多方面から見えてくる様々な事を考えさせられ、何もかもが解決とはいかない、手放しのハッピーエンドではない、辛く重く痛く、見出せない答えも多々ありましたが、プレイ出来て本当に良かった作品です。
彼らが本当に居たなら、この今のコロナ対策とかどう動かしていくんだろうか。そんな風にも想像してしまいます。
キャラ別感想
其扇 晟尋/主人公 CV：宮尾 章
衆議院議員
「そのぎ」って姓、脳内が中々覚えてくれなくてですね…（年寄発言全開）
髪下した時とアップ時の差がありすぎな人その1。本気で高校生に見える（笑）。
カリスマ性というのか、無意識の人たらし、無意識ながら人心掌握術に長けている、そして自覚すれば恐ろしくなる程トップとして立つべき才覚を見せてくれる、すんごい器の持ち主。この人を芽が出る前どころか土を植える前状態の種から見つけ出し、政界に引っ張り込んだ蓼丸さんの眼力に恐れ入る（笑）。
主人公だし見たままの誠実、クリーンな政治家の感じで進むキャラなのかと思いきや、覚悟を決めればやるときゃ汚れだろうと使わせてもらうぜ、やってやるぜな物怖じしない行動力と優しく穏やかそうなお顔に見合わない、かなりの豪胆さを見せるギャップ。流石、狂犬（蓼丸）と猟（番）犬（我妻）を飼い馴らせる未来の総理（笑）。
総受けで素ボケだったり可愛らしい所もふんだんにありながら、我妻ルートで見せる主従での主（あるじ）たる顔など、意外な一面も結構あった人でした。
後、下着の好みも凄い。私、タケノコ柄のパンツなんて初めて見ました（笑）。 でもって真っ赤な生地に写真プリント猫柄も圧巻（笑）。
東郷 遊馬 CV：河村 眞人
社長候補
プレイ前ってもっと こう、強気のツンケンタカビーお坊ちゃんなのかと勝手に思ってしまい、大変失礼しましたとプレイ中に何度か謝罪しまくった好青年。
滅茶苦茶良く出来る人でした。この外見からはイメージ違って配慮も細やかに出来るし、有能さが抜きん出ているのがわかります。人に好かれるタイプで言えば其扇さんと似た部分もあるのかな。責任感もあり真面目だし、部下や従業員思いでとても優しく、そしてかなり繊細な心の持ち主。彼の場合、この繊細さがどのBADにも表れていたなと。
年の離れたお兄さん二人の三男坊のせいか、甘え方もとても可愛く上手。「何、駄目？」とかの拗ねたように言う言い方よ！上手いわー、しょうがないなぁって相手が軟化してしまう確率高いテクです（笑）。河村さんの声がまた合ってて適わないんだわ。
彼のルートはテロの被害者視点。自分も巻き込まれ、お父さんも重篤の中で会社経営、そしてPTSD、ゲイである事の悩みなどが絡み合い、其扇さんと惹かれ合っていく過程が辛い現状の中で甘やかさを落として素敵なENDでした。
受け入れた相手には素直な程見せてくれる弱さ脆さ、求め方がキュンときます。
ラストのスチルが良い男で好き。あの持っていき方が洒落てて彼らしい。
白洲 武彌 CV：茶介
東京都知事
GoodENDが2つもあって、ボリュームもたっぷりな江戸っ子気質の白洲都知事。
因みに髪下した時とアップの差がギャップ有りな人その2。其扇さんと白洲さんが髪下してると誰だこの人達ってなる（笑）。
自衛官自殺事件メインから進むルートと政権トップに向けて動き出すルートで分岐するんですが、全方向、いずれも色々な視点で考えさせられるお話でした。一言、凄い。
何というか…惚れ惚れする魅力溢れる男です。ホント恰好良いなぁ！と。あー、今まさにリアルに居てくれないかなこういった人。←
茶介さんの演技がまた素敵すぎるんですよ。「君ねえ」とかの言い方！微妙な感情の匙加減が超巧みです！声のトーンもドハマりです。でも24区キャストって全員合ってるんですけどね。茶介さんの演技やっぱり好きだー。またシチュエーションCDが増えてしまいそうな自分をセーブ（笑）。
強引押せ押せな有言実行タイプながら、育ちの良さも伺える所が良いんですよね。いかにも父親の事は「おやじ」呼びっぽいのに「お父様」って言ってる所とか。
ライバル同士であるせいか、白洲さんとは大人お洒落な言葉遊びの会話がセンス良く出てまして、髪を下した其扇さんを高校生みたいって揶揄うんですが、そこからの遣り取りが他のキャラにはない愉しみ方をしてるなと感じました。
「いつまで高校生でいればいいんですか。このままじゃお酒頼めませんよ」「確かに確かに、そろそろ成人しようか」ってくだりなんかは二人とも恰好良いわー！言ってみたいこんなお洒落な遣り取りっ（そんな機会一生ないわ）。
白洲さんのルートは蓼丸さんが超怖かったです（笑）。いや、笑い事じゃないBADもあったんですけどね…ははは。もう多分二度と見ないわ。うん。「潰れちまえよ、白洲武彌」のBADも凄かったけどね…怖いって！攻略対象なのに！（笑）
でもそんな蓼丸さんに対して「燃えるな、おい」って返す白洲さんがカッコイイ過ぎて貴方に燃える！！(≧▽≦)←燃えてるの其扇さんにだよ
自衛官自殺事件メインのルートは悲しくて切なくて苦しく、やるせないんですが、恋愛は甘い二人のシーンが多かったです。
政権共闘なルートはラストが恰好良い！！BGMも恰好良い！！スチルが堪らない良い男二人！！でした！！！
其扇さんの「私はあなたが行動を起こした先に、未来があると信じているんです。悩んで貫き通した主張の先に路が出来ると。昨日の痛みを、未来の希望に代える。そんな力があなたにあると私も信じます」が印象強く残っています。
我妻 タイガ CV：柊 三太
公安SP
めっちゃ好きです！！
無口で体格良くて強くて主（あるじ）と認めたら全てをかけて忠誠を誓う、シークレットサービスってこの設定は狡くないですか！？否、絶対狡いですよ！！（聞いてるのか聞く気ないのかどないやねん自分）
しかも声が柊さんってか！！イメージピッタリ。ビジュアルも突き抜けて好み。って事で24区一番推しです。白洲さんと悩みましたが、私の好みに幾つも刺さってやっぱりプレイ前と同じ推しでした。
おじいちゃんっこな優しさもほんわかします。電話の会話のシーンとか癒される(*´ω｀*)
彼もGoodEND2つ。最初は其扇さんのSPだったんですけれど、テロ実行犯がフラーシア人と日本人とのハーフである事からタイガがフラーシア人とのクォーターである事で、下衆な趣味を持つ上司が権力を振りかざしてSPから外し、危険な潜入捜査や性行為強要などを強いて道具のように扱おうとするわけなんですが、それを知った其扇さんがそんな事をタイガにさせられるか！彼はもう俺のSPだ！って事で自分も潜入捜査に強引に加わっていき、フラーシア人と日本人の混血の人達の闇と悲しみ、憎しみが浮かんでくる…とざっくりなんですが、この潜入のくだりがゲイカップルの振りをする設定でいくので、何かと距離が近くなりやすいシチュエーションが多く、美味しいシーンがあるんですよね(≧▽≦)
疑われてやむなくケンカップルの演技の上にタイガにキスされたりとか。
またこの時の其扇さんが心の中で『そもそもタイガ、男とのキスは平気なのか。俺は平気だけど』ってツッコミ入れてるのが面白可愛い。白洲ルートでもあったんですけど、たまに妙に冷静に突っ込んでるのが妙にすっとボケてて可愛い（笑）。
最初にSPについてた時の、危機的状況に当たり前のように其扇さんが「タイガ！」って呼んでタイガが瞬時に反応して護るあのシーン、すっごい主従の呼吸が表れてて大好きです。
何と言ってもタイガを自分の元に取り戻すと決めた其扇さん、このルートは一番恰好良いと感じました。これまで遊馬さんは支援者、白洲さんは都知事だし、若手議員の立場からすれば対等でもないし位置関係は下になりがちかな～ってものだったんですけれど、こちらは「俺の主（あるじ）」「私のSP」なので主人たる風格が出てくるんですよ。「今は、やむなくおまえを公安へ返しているだけだ。おまえの主人は私だ」なんて言いきる所とか、『不要な血を流すな。相手の戦意だけを奪え。俺の為に戦え』とか、これは別ルートのやつだったかな？違ったかな？（覚えとけ）ともかくすっごく恰好良い！！
ゲスイ上司からタイガを堂々取り返す、あのラストの様になる事！痺れるぜ主人！そりゃ忠誠誓いたくなるわ～。
こちらは恋愛も甘かった。恋愛においてはこちらのGoodENDが好き。
もう一つのGoodENDはもろに主従関係が強く出てました。内容も暗殺とかストーカーとかがメインで、主人と犬って表現をよく使ってましたが正にそんな形のEND。でも愛情はちゃんと深いですよ。躾っていうのが強めに出てましたが（笑）。
「貴方に、誓いを。貴方の命に、命令に、貴方の憂いと悲しみに、私が存在することを」「貴方しかいらない。貴方しか見えない」全てがこれに尽きる、タイガと其扇さんの関係が魅力。
蓼丸 一貴 CV：天河 雄成
秘書
他の攻略キャラ達のルートやBADENDでちょいちょい怖い、怖いって！！な本性出してはいたので、構えは出来ていたんですが…うん、何か…かなり困ったちゃんな怖い盲目一途な人だなぁって感じで、割と彼のルート思っていたより落ち着いてプレイ出来たといいましょうか。まあ、真相ルートも入ってるので意識がそっちにそれた感もあり(;´∀｀)
要は其扇さん拗らせ激愛っぷりが歪みまくって捻くれまくって、もう自分でもどうしたらいいかわかんねぇ！って暴走しかけて失敗し、それでへちょ～っとなっても好き好き大好きー、な所で其扇さんにご褒美貰って背筋伸ばされ、手を差し出されて背中を押されて俺と一緒にレッツゴー！って感じで落ち着くべき路になったよ！
でしたね！（ざっくりまとめ過ぎ）
苦手なタイプなんですけど、憎めないし可愛いなって思うし、どっか抜けてる所もあるし、でも出来る男でもあるってバランスが良かったと思います。
余談ですが濡れ場スチルで置時計があって、時刻がちゃんと進んでるので何分で其扇さんが達したとか分かっちゃうのが何とも言えない気持ちに（笑）。でもついチェックしてる自分も自分（だって）。
ラストラストでキス寸前で全員集合してきてワイワイと、其扇さんに皆が寄ってくるシーン、邪魔された感の蓼丸さんの不機嫌顔が面白おかしいｗ（おい）
真相
今までの攻略キャラ達のメインとしてきた視点とその事件、少しづつ出されていた謎部分のシーンなど、全ての点と線が繋げられて回収されていく、見事な構成。
そしてとてつもなくやりきれない真実でした。
テロの犯人、そして黒幕、更に大きな黒幕が潜んでいたんですが、スッキリ解決には至っていません。至れない現状もわかるし、彼女だけを晒させて負わせてしまう結果は何だかもやもや晴れないものが心に残ります。
清濁呑み込みながら、こうでしか出来ない今の現状を変える為、歩んでいく其扇さんの選択。ラスト、墓前で写真を持つ彼と、写真の二人に胸がずっと痛かったです。同時に空を見上げる彼の強い眼差しに、これからの国を導く揺らがない光になってほしいと願いました。
うーん、語彙力の乏しさが恨めしい。感じる事が多くあるんですが、上手く伝えられなもどかしさ。でも本当に購入してこの作品を知る事が出来て良かったです。
それではまた次の更新がありましたら、遊びに来て頂ければ嬉しいです°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
see you next time!
